葉桜院あやめ
はざくらいんあやめ
概要
幼い頃に毘忌尼に引き取られた孤児で、山奥にある「葉桜院」の尼僧。毘忌尼とは2人暮らしで、たまに街へ出かける。年齢25歳。身長155cm。成歩堂龍一のかつての恋人美柳ちなみに瓜二つの容姿を持つ。
『3』の第5話にて被告人として登場し、成歩堂及びその代理の御剣怜侍が弁護を担当した。「葉桜院」は便宜上の姓として使用しているだけで、本名は本編クリア後も不明である。
男女問わず、色々と癖の強いキャラが多い逆転シリーズの中でも、大きくキャラが崩れる描写が無かった、稀少な人物である。
ネタバレ
※これ以降は本編の根幹に関わります。閲覧注意※
その正体は、宝石商の男性との間に生まれた綾里キミ子の娘にして、美柳ちなみの双子の妹。彼女と瓜二つなのも当然であった。公でキミ子の娘となっている綾里春美の異父姉で、綾里千尋と綾里真宵の従姉妹にあたる。
姉共々、霊力を持っていなかった為、母キミ子から関心を抱かれずに冷遇され、綾里家の権力目的だった宝石商の父からも愛される事なく育つ。綾里一族が「DL6号事件」で権威を失墜させた後、「こんな田舎にいる理由は、もう無い」と綾里家を見限った父が里を去る際に、姉と共に彼に連れられて出て行った。その後、父が再婚する際に「子どもは少ないに越した事はない」として、あやめだけが綾里一族に縁のある「葉桜院」に引き取られた。その後、姉のちなみが荒んでしまったのに対し、あやめは尼僧の毘忌尼という母同然の存在を得て、彼女の愛情を受けながら、心優しい善良な女性に育った。
その後、綾里家の動向を見張っていたゴドーから、獄中の母と死刑となった姉による、異父妹の春美を使った真宵を暗殺計画の存在を知らされ、母と姉を止める為に真宵の母・綾里舞子と共にゴドーに協力する事となる。
実は成歩堂と付き合っていた「美柳ちなみ」は、姉と入れ替わっていた、あやめである(つまり成歩堂はちなみとは初対面時と事件関連の時しか会っていない。実質あやめと交際していた事になる)。あやめはこれ以上、姉の犯罪で犠牲になる人を出さない為に、成歩堂に渡した証拠品のペンダントを回収する目的で姉と入れ替わっていたが、いつしか成歩堂に本当に好意を抱く様になった。しかし、中々ペンダントを回収出来ない事に業を煮やしたちなみは、成歩堂を殺害して証拠品を取り戻すという強硬手段によって、『3』の第1話の事件へと発展してしまった。
あやめは成歩堂に対して、未だに好意を抱いている様な描写があり、彼絡みで頬を染める演出が多く、劇中では終始、成歩堂の身を案じていた。成歩堂も自分の知っている「美柳ちなみ」が、裁判で最後に会ったちなみと余りにもかけ離れていた為、あやめだった事を知って納得した様である。
これらの意味において、彼女は作中での出番こそ「華麗なる逆転」限りなものの、成歩堂の人生に大きく関与した人物の一人であると言える。
殺人には直接の関与はしていないものの、死体損壊、死体の移動や工作を行っている為、罪に問われておりEDの後日談では、まだ拘留中。あやめの口ぶりから成歩堂達も時折、面会に来ている様だ。少しは情状酌量の余地がある事を祈りたい所である(過去作品で、彼女と同じ事をしたものの罪が軽く済んだ人も居る。)
なお、姉であるちなみに対して、最後まで同情していたのは、あやめだけである。
ただ、ちなみの所業や犠牲者の存在を知りながら、姉を非難する様な言動はしておらず、「姉が大好きだった。頭が良くて、行動力もあって、決して弱音を吐かない」と成歩堂に語っていた所からして、彼女も尾並田の様に、ちなみによる洗脳から抜け出せていない可能性がある。
テレビアニメ版のEDで、美柳ちなみがセーターを編んでいるカットがあるが、悪意の感じられない優しい表情からして、姉になりきった彼女と思われる。
その後のあやめの動向は4以降の作品では一切語られてない。
彼女の姉であるちなみに関しては、真宵を成歩堂の恋人と見ているとも取れる描写があるが『真宵を殺害したと思い込み、なおかつエリス殺害の罪を真宵に着せる為の偽証中』さらに言えば、成歩堂に対しても不快感を抱いているという状況が状況だった為に皮肉の類であった可能性も大いにあり、これが彼女の真意だったかどうかは定かではない。
また、成歩堂も真宵を危険な目に合わせた「元恋人」へトドメを刺しているが、交際していた相手は事実上あやめだったと知るのは、その後であった。
例え後から別人だったと言われたとしても「元恋人への好意」を断ち切った後である一方、全てを知った後はあやめを評して『交際中に自分が思っていた通りの人であり、ちなみの有罪判決後もその思いは変わる事が無かった』とする旨の言葉を贈っており、すんなり結ばれるのは難しい状況とも、出所後に交際を再開する余地があるとも取れる幕引きとなっている。
留置場を訪れた際にあやめが成歩堂に見とれるなど、あやめ側からの好意は継続している描写がある一方、対抗馬となる真宵は恋愛方面に疎く、6で再登場した際に名コンビぶりは見せても恋愛方面で仲が進展した様子が全く無かった為、現在でも成歩堂とあやめのカップリングを推す声は根強い。
二次制作では、出所後に成歩堂と結婚生活をしているイラスト等も描かれている(中には成歩堂の養女もいる)。
