概要
「ブルーロック」の登場人物。
ドイツの最強クラブチーム「バスタード・ミュンヘン」のFWであり、チームのリーダー格にしてカリスマ。新世代世界11傑の一人に名を連ねている。
ミディアムヘアの後ろに異様に伸びた二本の髪を垂らし、上半身の左手首から首筋にかけて青薔薇のタトゥーを施している青年。
名前の「ミヒャエル」は旧約聖書に登場する大天使ミカエルに由来したドイツ語圏で多く使用される名前。「カイザー」はドイツ語で皇帝を意味する。
一見すると優しい印象を抱かせるような好青年に見えるが、自分の才能と実力の絶対の自信を持ち格下と見做した相手には「クソ○○」と言って憚らない大胆不敵で不遜な性格の持ち主である。
マウントを取りたがるのも最早「悪癖」と言っていいレベルであり、先輩であるノエル・ノアからよく窘められているが、ドイツチーム内では絶大な信頼が寄せられている。そのような性質故に(実力が何枚も上手の相手には流石に表に出さないもののの、)自分よりも目立っている人間がいる事を認めたがらない性分でもあるため、試合中にもかかわらず味方のシュートを決めようとした際は間に割って入ってその機会を奪ってしまおうとする事もあったりと、自己顕示欲を隠そうとしないようなスタンドプレーも珍しくない。一方、試合終了後には試合や選手の研究を欠かさない等、研究熱心な一面もある。
能力
新世代世界11傑の一人に名を連ねているだけに、身体能力・センス・ボールコントロールは非常に優れており、潔がターゲットを射抜こうとしたボールを後出しで正確に撃ち落してしまうほどである。
優れたコートビジョンやオフ・ザ・ボールの立ち回りを駆使し、絶好のポジションに滑り込んで自らのシュートを確実に決めるスタイル。更にハンドワークやトラップというシュートを妨害されないためのテクニックにも秀でた、蜂楽や凪、凛とは違う「潔世一の才能の延長線上にいる完璧な存在」である。
何より特筆すべきは、全身のバネを右足に集約したスイングスピードから放たれる必殺シュート「皇帝衝撃波(カイザーインパクト)」。ボールを捉えてからシュートまでの時間と、シュートされたボールがゴールに着弾するまでの時間が格別に速く、オーバーヘッドで放つ事も可能にしている。
類まれな才能は世界一のストライカーとして名を馳せ、ドイツチームの指導者ストライカーであるノエル・ノアも一目置いているばかりか、先述のカイザーインパクトから来る右足を振り抜くスピードのみならば、「世界一」「俺をも凌ぐ」と彼に言わしめている。。
活躍
最終選考「新英雄大戦(ネオ・エゴイスト・リーグ)」
ドイツチームの「バスタード・ミュンヘン」の一人として参加。
最初の選考で潔がゴールを決めかけた際は見事な威力とコントロールで妨害し、潔を始めとするブルーロックのメンバーに宣戦布告をする。
第一試合のスペイン戦では先発出場し、自身を中心とする攻めとカイザーインパクトで先制点を挙げて見せる。その後は得点のチャンスに幾度かありつけるも、決勝点は敗者復活戦から復帰しノエル・ノアのコピーとして見出された國神錬介と潔のアシストで決勝ゴールを決め、ドイツチームの勝利となった。
スペイン戦の試合後にかけられた入札年俸額は3億円と他の選手と一線を画している。後に潔のやった事に噛み付く雪宮剣優を皮肉交じりに諫めた。
第二試合のイングランド戦でも先発出場し、先制点を取られるも自身の必殺シュートで同点弾を決め流れを引き寄せた。同時に潔が超越視界(メタ・ビジョン)に目覚めるきっかけを意図せず与える事にもなった。そこから潔がフィールドの動きを支配者のように立ち回りシュートを決めんばかりの一撃を放とうとした際は割って入って妨害し、それは同じチームの國神錬介のボレーシュートを決めるアシストになると言う結果に終わらせ懲りずにマウントを取ろうとするが、いなされる。試合の最終盤で潔が超越視界を遺憾なく活かした戦術とノアのフォローもあって決めかけるところを独断で妨害しようとする。だが、潔の挑戦が「どれかひとつでもカイザーに勝つ」ことであったことから、カイザーの「思考」を超える為に自分が決めるのでは無く、自分をも道化にしようとしていた事であり、最後は試合前に窘めていた雪宮がフィニッシャーとなった。
試合終了後、雪宮と和解し新たな関係性を構築しようとしているところに悪口を交えながら突っかかるネスを窘める。そして、イングランド戦の最優秀選手に選ばれた潔を認めつつ、『ストライカーとしてゴールの数で勝負しよう』と更に対抗する意志を見せる(しかし、オーバーヒートで潔は10時間以上寝込むほどの疲労で倒れた)。
後に新世代世界11傑の一人に名を連ね一定の地位を築いた自身が青い監獄に来た目的はノアと共にプレーしても遜色ないことを示すため、もしくは新英雄大戦を利用して今より好条件のオファーを勝ち取って、バスタードミュンヘンから脱退する事と判明した。
現時点でバスタードミュンヘンはノアが中心のチームになっている以上、今のままでは世界一になれないと考えており、更に市場価値を高めるために参加していたのだった。同時に自分が想像以上に強く厄介な存在になった潔を倒す事で更に名を広めようと息巻くのだった。同時に自身に心酔するネスは更なる嫉妬心を知らない間に滾らすことにもなったが。
イタリア戦では自身と同じく『新世代世界11傑』の一人に名を連ねているユーヴァースのDFであるドン・ロレンツォにマンマークされているせいで思うようなプレーや動きが取れなかった。しかし、中盤辺りで戦局が僅かな混乱を見せた事でその隙にボールを奪取して見せ、ボディコンタクトで大きく体勢を崩された状態にもかかわらずそこからオーバーヘッドに移行し、ボールにバウンドを加える事でコースを塞いでいたDFの股の間を貫き得点、というまさしく「天才」と評するに相応しい離れ業を見せた。
しかし、その過程で敵視している潔のプレーで拾ったチャンスだった事もあって喜べず、潔や周りを無神経に煽ったネスへ凄まじい怒りを見せて窘める。
最終的には途中交代で出場した氷織羊と潔の驚異的なコンビネーションによるゴールで勝利するも、潔が決勝点を挙げた事により、ゴールの数でも負けた結果に凄まじい屈辱感を抱いた。
一方、サッカー界で最強のクラブチームと言われる『レ・アール』に3億2千万円のオファーをかけてもらえると言う、「新英雄大戦を利用して今いるバスタードミュンヘンよりも好待遇なオファーや年俸を受けたら脱退する」と言う目的自体は達成したものの、潔に負けたままでいるのはプライドが許さないとリベンジを誓うのだった。
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※以下、コミックス化していないためにネタバレ注意!
今でこそ新世代世界11傑の一人に名を連ねて華々しい活躍を見せるカイザーだが、生い立ちは壮絶を極める内容だった。
小さな舞台の演出家である父とその看板女優である母の間に生まれたが、その母は自身と父を見捨てて出て行ってしまい、それをきっかけに父は落ちぶれていった。
安酒に溺れては金の無心をしてくる父の命令で窃盗を度々行っては、思い通りにならない事に苛立つ父の暴力と暴言の日々に晒されては、隠れて貯めていたお金で買ったサッカーボールを心の拠り所にして生きていった。
カイザーの生い立ちは、同じ新世代世界11傑の一人にして、ストリートチルドレンを経験してきたユーヴァースに属するドン・ロレンツォと似たようなモノだった。
しかしある時、カイザーの悪友が強盗を働いた際、名前を出された事で現地の警察に捜査を受けてしまう災難に出くわしてしまう。その過程で、父の目を盗んではこっそり貯めていたお金を警察に見つかった事で没収されてしまうが、この時は「また集めればいい」と割り切っていた。
しかし、サッカーボールが見つかった事で、その中にお金を隠していると邪推した父が割れたビンで破壊しかけた際……
自分の生きる意味、アイデンティティーを体現させたかのように怒りと憎悪、そして自己顕示欲が弾け飛ぶのだった。
警察の銃撃すらも躱す大立ち回りを見せては牢獄に収監されてしまうと言う、カイザーは人生の終わりの瀬戸際に立たされていた時、当時はPIFAのエージェントだったレイ・ダークの「フットボールは好きか?やるならここから出してやる」と話を持ち掛けられるのだった。