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謎の少年(僕のヒーローアカデミア)の編集履歴

2024-07-31 13:25:00 バージョン

謎の少年(僕のヒーローアカデミア)

なぞのしょうねん

漫画「僕のヒーローアカデミア」に登場するキャラクターである。

概要

ここから先は「僕のヒーローアカデミア」エピローグ以降のネタバレを含みます




















謎の少年とは、物語最終盤に登場した謎多き人物である。名前、年齢、“個性”までもが謎に包まれており、わずかな出自が語られるのみでその他の情報は一切明かされない。



人物

無造作に伸ばされた長い黒髪と、口元を布切れのようなももので縫い合わされているのが特徴。ボロ切れのような服を纏っている。


見た目からは中学生ほどの少年のように見受けられるが、後述の家庭の事情や本人の語り口から伺えるように、精神年齢は実年齢よりもさらに幼いと思われる。


活躍

この少年の過去は、彼自身の独白によって語られている。


彼の家はシスターを雇うほどの裕福な家庭で、特に何不自由のない生活を送っていたようだが、彼に両家どちらの系統にも属さない突然変異の個性が発現したと分かると、彼の家族は態度を一変。彼の“個性”どころか存在すらも気味悪がり、彼の口元を縫い合わせて地下室に監禁する。


ある日、彼の家族は「世界が終わる」と彼に言い、食糧を残して行方をくらましてしまう。その後外の世界で行われた最終決戦の影響によって家が半壊。ようやく地下室から脱することができた少年は外の街を1人放浪することになる。


街を彷徨い歩く中、行き着いた先に少年が見たのは、復興に励む人々とヒーローの明るい笑顔だった。自身は惨い虐待を受けたのにも関わらず、変わらず笑みを称える外の人々との差に理不尽を感じ、衝動的な殺意が芽生え“個性”を発動して手にかけようとする。


しかしそこで、1人の老婆が少年の手を取った。この老婆かつて、道端を歩く1人の少年を見て見ぬ振りをしてしまった罪悪感に苛まれ続けていた。二度と同じ過ちを犯さぬために、主婦は少年に言葉をかける。


「もう大丈夫だからね。“おばあちゃんが来た”からね」


主婦のその言葉は、これまで拒絶され否定されてきた少年を思いやる優しい言葉だった。その言葉を聞いた少年は、ようやく自分を見てくれる存在に出会い、大粒の涙を溢れさせ、寸前のところで思いとどまったのだった。



余談

先述の通り、彼が受けた虐待は理不尽極まりないものだった。

個性の特性のみで家族に忌避され”、“実の家族から隔絶した生活を強要させらてしまう”。“社会との繋がりを絶った生活を余儀なくされた彼は”、“この理不尽を押し付けた世の中に対して、“破壊”を選択しようとしたのである


しかしそんな彼を救ったのは、ヒーローではなくたった一人の主婦だった。これが意味するのは、ヒーロー社会の新たなあり方である。

ホークスが唱えていた「ヒーローが暇を持て余す社会」とは、「ヴィランを根絶した社会」ではなく、「常に誰かが誰かに手を差し伸べ、救い出す社会」を意味していた。

死柄木をはじめとしたこれまでのヴィラン達も、元は社会から排斥され拒絶された“被害者”たちだった。そんな彼らに誰かが手を差し伸べられていたら、彼らがヴィランとしての生き方を決める前に救うことができたなら、違う結末が待っていたのかもしれない。

この少年とは、「あのとき救うことができたなら」というもしもを描いた、ある意味での「もう1人の死柄木弔」と言える。

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