光魔の杖
こうまのつえ
「これが、余の武器……」
「その名も 光魔の杖 だ!!!」
概要
本編の90年前にロン・ベルクがかつて作った武器の一つ。現在は大魔王バーンが所持しており、勇者ダイとの初戦時に召喚した。
バーンは「ロン・ベルクの最高傑作」と称するが、製作した当人にとっては納得のいかない代物らしい(理由は後述)。
性能
持ち主の魔法力を攻撃力に変換する機能があり、原理は理力の杖と同じである。
しかし理力の杖は、決まった量の魔法力(MPにして3、ヒャド一発分程度)を攻撃力に変換する都合上、誰が使っても武器自体の強さは変わらない。
制作者であるロン・ベルクすら「ダイの剣と比べるとまったく弱い武器」と述べたほど。
だが、対する光魔の杖には注ぎ込める魔法量にリミッターがなく、使用者が注ぎ込む魔力が多ければ多いほど無限に攻撃力を上げていけるという、とんでもない代物なのである。
- 魔法力吸収
杖には触手のような飾りがついており、これが使用者に巻き付くことで魔法力を吸収する。
- 戦闘形態
先端が展開し、魔法力をエネルギーの光の刃に変えて噴出させる。相手を突くなど槍のように使用できる他、カラミティウォールを発動させることができる。刃を形成するエネルギーは闘気に近い性質があるらしく、カラミティーウォールも闘気に近いエネルギーで構成される。
- 破壊力
魔法力=破壊力のため、強力かつ膨大な魔法力を持つバーンが手にすれば、オリハルコン製のダイの剣でさえも容易く折ってしまう。
- 防御力
光の刃の出力を最大限まで上げれば、あらゆる呪文を防ぐことができる障壁を生み出すことができる。ドルオーラさえ防ぎ耐え凌いだが、連射され二発分となったドルオーラには耐えられず杖が砕け散った。
- 欠点
その特性上、使用者から吸い上げる魔力量にも上限が無いため、持っている間は常に大量の魔法力が消費され続け、大抵の者はあっという間にMPが枯渇して使い物にならなくなってしまう。
事実上、膨大な魔法力を有するバーンぐらいにしか扱えない上、そのバーンですら考えなしに使用を続けると消耗し、攻撃力も低下してゆく。
装備直後はダイの剣の刀身を簡単に折るほどの威力を見せたが、その後のハドラーの覇者の剣の一撃は、受け止めるだけで精一杯だった。
バーン自身膨大な魔力量が仇となり、そんな事態に陥るまで戦いが長引いた事は無かったらしく、初めてリスクを実感した時は珍しく焦りを見せていた。
ダイとの再戦の際、部下になる気はないか?と問いかけた時は杖を手放していた。
大魔王は、何故この杖を選んだのか?
年老いた自身には護身の武器が必要と判断したバーンは、当時魔王軍に身を置いていたロンにいくつかの武器を要求。
ロンが持ってきたのは「鎧の魔剣」「鎧の魔槍」といった業物であり、その中に光魔の杖も入っていた。
魔剣は「あらゆる呪文から身を守る鎧」、魔槍は「多くの武器を備えた鎧」となる。
対して、光魔の杖は上記の通りの機能しかないため、武器としては単純だが、絶大な魔法力を持つバーンが持つことで恐ろしい武器となった。簡単に言えば、バーンの膨大な魔法力に耐えうる強度と、魔法力を効率よく攻撃力に変換する機能が評価されたのだ。
ロンが身を引いた理由は、自身が全力で扱っても常に耐えられる最強の武器を作るためであったが、理力の杖のリミッターを解除しただけの適当に作った代物でしかない光魔の杖を、よりにもよってバーンに最高傑作と評されたことも大きい(劇中でロン・ベルクは「バーンはナイフ一本持っただけで強くなる。武器屋にとってこんなにしらける客がいるか」と述べた)。彼は後に当時を回想して「上等な素材を潤沢に使えるものの、自身の力量が腐っていくのを感じた時期だった」とも語っている。
また、ロン自身は使用者の力量を抜きにした、武器への愛着やこだわりも評価しており、逆にバーンはそういった感情に対しては徹底的に無頓着だった。
莫大な魔法力に任せたごり押しで戦い、魔法力が切れてしまうタイミングすら見極められておらずピンチに陥っていたのがその証拠である。
自らを高める武器として使っていたのであれば、どの程度魔力が続くかを見極めた適切な杖の使い方は杖を手に入れた後自分でマスターしているはずだし、そのための時間は90年もあったからだ。(ただこれについてはバーンパレスの魔力炉と光魔の杖への魔力の二重供給があったことで計算違いを起こしていた可能性もあり、実際に魔力炉が消失した二度目の戦いでは魔力低下の影響が一切見られない)
また、全盛期の肉体に戻ってからは自身を崩壊させてまでドルオーラからバーンの命を守った光魔の杖を「もう必要ない」と踏み潰している。
踏みつぶすにあたって部下の死に無反応なバーンが「傑作」「充分に役割を果たしてくれた」と評価の言葉を発しているのでバーンなりに最大の敬意を払っていると取れなくもないが、これを見て武器に感謝していると取る者はいないだろう。
ちなみにこの時のバーンは、永遠の若さを台無しにされたことでダイに対する強い殺意と怒りを抱いている。杖を踏み砕いたのはその感情をぶつけた意味もあると思えなくもない(老バーンの頃もブロックの亡骸に怒りをぶつけている)。
老バーンからすればこの杖こそが自分の魔法力を魔剣、魔槍以上に攻防一体に使え全力を出せる唯一の武器である事は間違いなく、ロン自身も全力で使える自分の為の武器を欲していたと言う点から似た部分はあり、のちにダイが全力で戦えない事に共感しダイの剣を作った事も考えるとバーンに最も適している武器は何なのか?というのを理解していたからという意見もある。
もっともロン曰く「バーンが光魔の杖を選んだのは意外だった」とのことで、光魔の杖の性能とバーンの魔法力がここまで相性がいいとは製作者本人も予想外だった節がある。
ちなみに、ロンが求めた武器のコンセプトが「全力で振って壊れない武器」であり、材質に限界があるのなら魔力が尽きない限り刀身がいくらでも精製され続けて、壊れない武器と同等の扱いをもたらすのはコンセプトに反していない(ただ、劇中の光魔の杖の威力や強度はバーンの魔力あってのものであり、ロンの魔力では彼の求める水準に届かなかった可能性が高い)。
また、ロン・ベルクはブラックロッドという光魔の杖と似た性質でありながら、注がれた魔力を大幅に増幅させる上に変形自在といったほぼ上位互換の武器を後に開発しており、光魔の杖自体は試作品であった可能性が高い。武器として完成品の構想を抱きつつ、未完成の品を最高傑作と称されては職人として探求心や気力を削がれてしまうのは当然のことだろう。
ロンの方も「適当に作った武器」をバーンに差し出したことからして依頼人に対する義理で働いたことがよくわかる。
ただ、バーンは武器職人でなく、あくまでも自分に合った武器を求める顧客であることも考慮しなくてはならない。
バーンからすると、自分には思いもよらぬ発想で自分の悩みを解決してのけたロン・ベルクを高く評価するのは不自然なことではなく、思いがけず需要にピッタリ合った物を用意してくれたことを喜んだに過ぎない。
これに似た状況を例えた話として「ドリル職人の貴方に客が"ドリルが欲しい"と言ってきた、この客は何が欲しい?」と言うものがある。正解は"穴"である、客は"穴を空けたい"がためにドリルを求めているのであって"優れたドリル"が欲しいのではないのだ。
その客に「回転数がどうの」「こだわり抜いた素材がどうの」と特注ドリルの魅力を説明したってピンとこないのだ、逆にその辺に積まれた量産品のドリルが丁度いい穴を空けられそうなら客はそれで満足するのである。
バーンが欲しいのは「自身の膨大な魔力を最大限活かせる武器」であり、例えロン・ベルクが適当に作ろうと生涯をかけた武器であろうと需要を満たせるならばそれで満足であり、むしろ「適当に作った武器で満足された!」と憤慨するのはお門違いである。(実際に憤慨したわけではないが、スタンスが相容れないと理解し去った)
星のドラゴンクエスト
悪魔系のモンスターに有効な能力を持っており、攻撃力が「+62」(Lv1)でここから「+97」(Lv2)「+132」(Lv3)と進化する。メインスキルとして【カラミティウォール】がセットされている。
4回目イベントでは『アニメ版~』が登場。予のメラ、業火カイザーフェニックスが常時セットされる。
余談
光魔の杖を紹介する場面のコラとして、杖を消し、バーンが親指を立てている様に書き換えた「コレが余の武器、どんな時でもポジティブハート」がある
ハドラーよ…どうなってんの?
ハドラーよ…今一度言う………どうなってんの?
しょっちゅうハドラーの今期アニメの予想が外れ、凛としたお姉さんキャラと勧められて推してみれば真顔でボケ始める天然ボケだったことが発覚したり、百合アニメだと勧められて見てみたら超殺伐としたスプラッターアニメが始まったりで、散々心にダメージを負っても「ポジティブハートがあるから大丈夫」と強がるバーン様がみられる。
そして今日も予想を裏切られ、三番目の指が折られる。
関連イラスト?
関連タグ
ブラックロッド:光魔の杖と同じく魔力を込めた分だけ威力を増す性質を持ち、変形機構も有する。
ホワイトソード(ゼルダの伝説):コミカライズ版では、主人公の剣と出自が同じ、魔王の魔力供給で形態が変化する、ヒロインからエネルギーを供給された主人公の光線で破壊されるなど非常に似通っている。