「ブローム」
CV:川島得愛(2020年版)
概要
超魔生物として生まれ変わったハドラーが新たな側近として、大魔王バーンより下賜されたオリハルコン製のチェスピースから生み出した禁呪生命体ハドラー親衛騎団が一騎。
原作では戦闘描写はあまりなかったが2020年アニメ版では戦闘シーンが追加されている。
人物
白銀の城塞さながらに聳え立つ重戦士。
その表情は顔面まで覆い隠すブ厚い装甲の奥、加えて「ブローム」としか言葉を発しないため、彼との意思疎通や感情を読み取ることは非常に困難。
事実、仲間たちですら彼の人となりや能力を完全には把握しきれておらず、ヒムからは「にぶそー」と評されていた。
しかし実はハドラーから「献身」を色濃く受け継いでおり、非常に仲間思い。
鈍重な印象とは裏腹に咄嗟の判断力や行動力に優れ、必要ならば己が傷つくことも恐れない。
仲間と主君を護るため徹頭徹尾全身全霊を突っ張り抜いた忠勇ガンギマリのスーパータンク。
能力
城塞(ルーク)の能力を持ち、その頑強な体と凄まじい怪力を生かして戦う親衛騎団随一のパワーファイター。このため「パワーオンリーのため攻撃系の呪文は使えない」というコンセプト。
- キャスリング
「ルーク」の駒としての能力。巨大な鎧が真ん中から真っ二つに割れ、中から本体が出現し「キング」であるハドラーと位置を入れ替える。外殼はバリアボールとなってメンバーを全員退避させる。
その姿は、ルークのイメージとはかけ離れた細身でスマートなもの。地味にヒムと少し似ている。鎧を脱ぎ捨てた姿でも戦えるが、使用されたのは仲間を救うのに使われた1回きりであり、ブロックはそのまま戦死したため詳細は不明。
大魔宮の出入りのため習得。
ハドラー親衛騎団のメンバーは各々1系統ずつ呪文を習得しているが、彼のみ呪文を使用した形跡も皆無。オフィシャルファンブックにも仕える呪文はルーラのみとされている。
だが、もしも他のメンバーと同様に呪文を使えるとすれば、彼は消去法でヒャド系かとも思われていたが、原作者である三条氏曰く移動手段としてルーラだけは使えるが、ブロックは超パワーのみで呪文は使わないとのこと。
もっとも、キャスリングの様に味方を庇う盾として敵の攻撃に割り込むのが彼の本領とすれば、自分や他者の立ち位置を強引にでも操作出来るルーラ系の力こそ相応しいとも考えられる。
なお星のドラゴンクエストのコラボイベントでは当時のDQに存在しなかったジバリア系を使用している。
戦績
他の親衛騎団と共に、対魔王軍前線基地の港町サババを襲撃。大戦艦をその怪力で担いで放り投げるというパワーでダイ達を驚愕させ、辺り一面を火の海に変えた。
ダイ一行全員揃った所でクロコダインと対決。力自慢の彼の攻撃をものともせず、逆にそのパワーで彼を持ち上げ、背骨を極めるなど終始圧倒していた。
2020年版ではショルダーガードを使って真空の斧を防いだり、タックルを喰らっても微動だにしないなど「守り」にも長けていることが描写されている。
クロコダインには「同じ得意分野では絶対に勝てん!」と言わしめ、このためダイたちは選手交代を余儀なくされた。
ダイ一行のフォーメーション変更でマァムに当たると、今度は彼女のスピードに追いつけず翻弄される。
クロコダインによってシグマのシャハルの鏡を腕ごと獣王激烈掌でもぎ取られると、ポップにメドローアを決められるも、咄嗟に仲間たちを自分の下敷きにして地面にめり込ませるという、最短の回避方法で守ったが、半身(背中)を消し飛ばされ戦闘不能になった。辛くも生存し、撤退後はシグマと共に修復される。
この行動にポップは「(こんな方法でメドローアを回避するなんて)仲間のために命を捨てる覚悟が無いと絶対に思いつかねえ」と戦慄する。
「死の大地」にて再びダイ一行と対峙。またもクロコダインと激突し、当初は優位に立っていたが、ヒュンケルの参戦で奮起したクロコダインに逆転され、地面に叩きつけられてすぐには立ち上がれないほどのダメージを受ける。
その後はマァム&ゴメちゃんと戦っていた。直後、バーンパレスでハドラーに埋め込まれていた黒の核晶が爆発した際、その衝撃で大地が崩壊する中、能力を用いて仲間たちを大爆発から救っていた。
ダイ一行が撤退すると、大魔王バーンへ反旗を翻すハドラーの加勢に臨もうとするが、ミストバーンとキルバーンに足止めされる。さらにハドラーがザボエラの卑劣な横槍で拘束され、バーンが投擲した光魔の杖で処刑されかけた時、彼はハドラーを守るため、特殊能力を発動。三度目の挺身でハドラーと仲間たちを救い、ハドラーの代わりに光魔の杖を胴に受け、コアを破壊された彼は、
「……ミンナ………ハドラーサマヲ…タノム…!」
と、ぎこちなくも生まれて最初で最後の言葉を遺し、仲間たちにハドラーの命運を託して消滅。かくしてフェンブレンに次ぎ、ハドラー親衛騎団第二の戦死者となる。
主と仲間たちを最期の最期まで想い守り続けた彼の死には、ハドラーを含むメンバー全員が動揺を隠せず、「やっと覚えて初めて喋った言葉がそれかよ!」と、ヒムも号泣した。
バーンは文字通り「チェックメイト」をかけていたにもかかわらずハドラーを仕留め損ねたからか、「本来はチェックメイトがかかっていたらキャスリングは禁止だ」と、僅かに残っていたブロックの頭部の欠片目掛け、光魔の杖を半ば八つ当たり気味に投げつけ粉砕する。
それほど、この寡黙な戦士の「命と引き換えのチェックメイト後のキャスリング」は予想外の行為であり、ハドラーたちの胸を打ったのである。
小話
勇者アバンと獄炎の魔王の特別編4コマではガンガディアに対して肯定的な反応をしていたが仲間たちと共にザボエラに怒りの声を上げていた。