概要
セミオート/フルオートの切り替えが可能な高性能マシンピストルで、シグが所属していたスペーススワットのビームガンをベースに製作された。
劇中において、追加装備のドラムガンナーが登場するまではエイリアンに対して最も有効な攻撃手段であった。
装弾数は通常のマガジン使用時は10発、ロングマガジン使用時は32発。
銃口の下にはレーザーポインター、グリップ下部には安全装置のスイッチが搭載されている。特徴的な2つ連なる球体型の「エネルギーコーティングユニット」は、緑がエイリアンに内部からダメージを与える特殊コーティング波を、赤が弾丸の先端のルビーにエイリアンの身体を突き破るエネルギーを付与する物質変換波をそれぞれ放射する。
弾丸は先端に人工ルビーがはめ込まれた特殊な9mmアーマーピアシング弾で、トリガーを引くと弾丸がエネルギーコーティングユニットを通過し、チタニウムコーティングされた「ハイパーブリット」として発射する。
シングルカラムマガジン仕様のためグリップはスリムで握りやすいが、その代わりロングマガジンはかなり長い。また二本のマガジンを「十」の字になるように束ねたジャングルスタイルのマガジンも存在し、構える際に差し込んでいない方を手のひらに乗せて固定する使用方法がある。
第11話にてサラのロス市警スワット時代の元同僚・ジョンの仇であるサイボーグテロリスト・TR-99が出現。実はシグにとってスペーススワットの仲間たちの仇であるエイリアン・ザイバーがインヴェードしており、この2体にはディクテイターが通用しなかった。
サラとシグは敵から逃げるためにやむなくディクテイターを置き去りにし、代わりにサラが持つジョンの形見であるベレッタM92Fのマガジンにディクテイターの弾丸を装填、シグが持つビームガンのエネルギーコーティングユニットを取り付けて使用した。この攻撃で弱点の胸に命中させTR-99を倒しながらも、反動でベレッタとユニットは大破してしまった。
置き去りになったディクテイターはショウが回収、セイジの手で3丁ともエネルギーコーティングユニットの放射波を強化する改良が施され、コーティングの色が赤から金になり威力が向上した(同話では調整不足により反動でサラとシグが吹き飛ばされた)。ユニットは使用者の精神状態によって出力が上がるようになり、激昂するなど感情が高ぶる状態で発砲する際にユニットが激しく発光するエフェクトがかかる場合もあった。
パーツは分解可能であり、第34話ではデスキーラ三兄弟が起こした偽ブルースワット事件により検問が敷かれたため、分解してバイクやヘルメットに隠すことで突破した。
第7話ではエイリアンによって彼女を自殺に見せかけて殺された青年・玉井照夫に仇討ちのためショウが貸し与え、第21話ではブルースワットに参加しようとした老人・松下長之助がショウから奪い取ってエイリアンを倒すなど、部外者が使用することもあった。
また上記の第34話では、ロス市警を辞め放浪中に行き倒れたサラを助け介抱した過去がある元グリーンベレー兵・ケン石神が、ブルースワットになりすましたデスキーラの末弟・モンから模造品を奪ってモンを倒している。
第33話で登場した、ハイパーショウの追加装備・ドラムガンナーに合体させることで、最強銃・ドラムガンファイヤーが完成する。
ブルースワットの3人がゲスト出演した『重甲ビーファイター』の特別編では、鷹取舞がサラから借りて使用したほか、一斉掃射の際にほかのヒーローたちが武器名を呼ぶのに合わせてショウが「ディクテイター!」と叫ぶシーンがある(本編中は攻撃時に武器名を呼称する描写が少なかった)。
劇中の発火モデルのベースは番組内でプロップ協力に入っていたモデルガンメーカーMGC製のベレッタ92Fであり、アップシーンや分解シーンを見ると部分的には92Fそのままである。その関係で玩具のシングルカラムのデザインとは異なり、劇中ではそのままベレッタ92Fのダブルカラムの弾倉が使用されており、「同じ9mmだから」という理由で逆にディクテイター用のマガジンをベレッタ92Fに装填して射撃するシーンもあるため、ベレッタ92Fとディクテイターは設定上弾倉に互換性があることがわかる。
プロップはその後、仮面ライダーアギトにてV-1システムの銃に流用された。
玩具
放送当時にバンダイから発売された玩具は、大別して2種存在しており弾丸とマガジンが付属し排莢の機構がある「電動ブローバック」版と、音と光が出る「ライト&サウンド」版があった。
評価が高いのは前者で子供向けながらモデルガンといっても差し支えないハイクオリティなもので、劇中とほぼ同一のサイズとリアリティを誇り、そのクオリティはほぼ改造なしで劇中の撮影用小道具に転用されるほどであった。
『電動ブローバック』版
- マガジンへの装弾と、弾頭の発射機能こそ無いが、スライドの動きに連動した給弾と排莢のギミックが最大の売り。マグキャッチを押してのマガジンの脱着が可能で、弾丸の薬莢部分は金属製、チャンバーも造形されており動作時にはここに弾頭が咥えられる構造となっているなど、ガンマニアの視点からも評価が高かった。
- 価格は7140円と低廉に抑えられており、これは当時発売されていた一般的なモデルガンよりも低価格であった。ただし歴代のなりきり玩具と比べるとかなり高価格帯の商品で、対象年齢も7歳以上と比較的高めに設定されていた。
- また、実際にセミオート・フルオート作動が切り替え可能という子供向けとは思えない仕様で、モデルガン雑誌の紹介記事では「子供に遊ばせておくにはもったいない代物」とまで言わしめ、当時モデルガン愛好者を悩ませていた火薬カスの掃除が不要な点も評価を得ていた。
- 初期型はよくジャム(弾詰まり、排莢不良)が多発しこのロットは回収となった。後に排莢を遅くし、マガジンに金属プレートで補強を入れるなど改良した後期型が発売され、初期型との交換対応もなされた。
- ドラムガンナーとの連動ギミックもあった。
- ベレッタ等をはじめとした9mmカートリッジと互換性があったという情報も。
- 今日では電源、モーター不要でブローバックと排莢を実現した玩具が発売されている。ただし、そちらは実在の銃をモデルとしたもの。
『ライト&サウンド』版
- 単3電池2本を使用し、銃口の発光と射撃音を発するギミックがあった。
- スライドなどの可動部位は無く、マガジン脱着は出来ない。右側面には多数のネジ穴が露出している。
- 対象年齢は3歳位上であり価格も低め。
- ドラムガンナーとの連動ギミックもあった。ライト&サウンド版は付属のアタッチメントパーツが必要となる。
『ディクテイター 30th ANNIVERSARY EDITION』
- 2024年には、『ブルースワット』放送30周年を記念してバンダイより「ディクテイター 30th ANNIVERSARY EDITION」が受注販売される運びとなった。
- 発光が劇中に合わせたものとなり、当時は販売されなかったロングマガジンが付属する上、造形も一新されている……のだが、電動ブローバック版で特に話題に挙げられる点であるカートリッジ排莢ギミックがない。排莢はしないものの、一応ブローバックギミックという名目で、スライドの前後動と、ダミー弾頭が覗く機構にアレンジが加わっている。
- この理由は開発ブログ上でで「『ディクテイター』といえば連射が特徴です。ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、過去玩具の排莢はカートリッジがジャムる、カートリッジが飛んで行ってなくなってしまうというデメリットを抱えておりました。今回の機構に改造することで、より遊びやすく、より爽快な連射が楽しめるようになりました! 」と説明されている。
- が、これが返って「そこ(一番楽しいポイントである箇所)をデメリット扱いする時点で開発担当はディクテイターの良さを分かっていない」「デメリット呼ばわりは当時玩具を開発した人達に失礼」といった反発が噴出、炎上。
- 30周年記念商品ということで当時品から改良されている点も多いものの、当時のものより高額でありながら30年前の製品よりも劣化していると見做されて、高額情報開示・受注公開直後の段階から相当な不評を買ってしまっている。
- 上述の『電動ブローバック』版で高評価ポイントとして挙げられることが多い、チャンバー部分の造形もおざなりになっている。弾頭が単なる壁に突き当たっている。Google画像検索等を参照のこと。
- 発射音も劇中のものとは違うのではないかといった指摘も。