曖昧さ回避
『僕のヒーローアカデミア』に登場するキャラクターはこちらを参照。
概要
武器コードは「BW-01」。
セミオート/フルオートの切り替えが可能な高性能マシンピストルで、シグが所属していたスペーススワットのビームガンをベースに製作された。
劇中において、追加装備のドラムガンナーが登場するまではエイリアンに対して最も有効な攻撃手段であった。
装弾数は通常のマガジン使用時が10+1発、ロングマガジン使用時が32発。弾丸は先端に人工ルビーがはめ込まれた特殊な9mmアーマーピアシング弾で、トリガーを引くと弾丸がエネルギーコーティングユニットを通過し、チタニウムコーティングされた「ハイパーブリット」として発射する。
シングルカラムマガジン仕様のためグリップはスリムで握りやすいが、その代わりロングマガジンはかなり長い。また二本のマガジンを「十」の字になるように束ねたジャングルスタイルのマガジンも存在し、構える際に差し込んでいない方を手のひらに乗せて固定する使用方法がある。
銃口の下にはレーザーポインター、グリップ下部には安全装置のスイッチが搭載されている。特徴的な2つ連なる球体型の「エネルギーコーティングユニット」は、緑がエイリアンに内部からダメージを与える特殊コーティング波を、赤が弾丸の先端のルビーにエイリアンの身体を突き破るエネルギーを付与する物質変換波をそれぞれ放射する。
第11話で行われた改良により、ユニットは使用者の精神状態によって出力が上がるようになり、激昂するなど感情が高ぶる状態で発砲する際などにユニットが激しく発光するエフェクトがかかる場合もあった。
備考
- 設定重量は2000gとずっしり重め。一体どんな質量の材質で出来ているのだろうか。ただし、後述の部外者使用例も含め劇中で重量に関して一切触れられていないどころか、ショウが軽く指先でクルッと回して扱うシーンすらあるため、設定はまったく反映されていないものと見ていい。
- 第33話で登場した、ハイパーショウの追加装備・ドラムガンナーに合体させることで、最強銃・ドラムガンファイヤーが完成する。初期装備と追加装備の合体により最強装備が完成するシステムは、レスキューポリスシリーズから5作品にわたって続いている。
- パーツは分解可能であり、第34話ではデスキーラ三兄弟が起こした偽ブルースワット事件により検問が敷かれたため、分解してバイクやヘルメットに隠すことで突破した。
エピソード
- 第11話
サラのロス市警スワット時代の同僚・ジョンを含めた仲間たちの仇であるサイボーグテロリスト・TR-99が出現。実はTR-99には、シグにとってスペーススワットの仲間たちの仇であるエイリアン"皆殺しのザイバー"がインヴェードしており、この2体にはディクテイターが通用しないという不測の事態が起こった。
サラとシグは取り落としたディクテイターを敵から逃げるためにやむなく置き去りにし、代わりにサラが持つジョンの形見であるベレッタM92Fのマガジンにディクテイターの弾丸を装填、シグが持つビームガンのエネルギーコーティングユニットを取り付けて使用した。この攻撃で弱点の胸に命中させTR-99を倒しながらも、反動でベレッタとユニットは大破してしまった。
置き去りになったディクテイターはショウが回収、セイジの手で3丁ともエネルギーコーティングユニットの放射波を強化する改良が施され、コーティングの色が赤から金になり威力が向上し、ザイバーを倒すことに成功。しかしその際、調整不足による反動でサラとシグが吹き飛ばされてしまっており(さらにセイジもとばっちりを喰らった)、改良の余地があることが示唆されている。
- 第34話
ロス市警を辞め放浪中に行き倒れたサラを助け介抱した過去がある元グリーンベレー兵・ケン石神が、ブルースワットになりすましたデスキーラの末弟・モンから模造品を奪ってモンを倒している。
- 『重甲ビーファイター』特別編
ブルースワットの3人がゲスト出演。本編中は攻撃時に武器名を呼称する描写が少なかったが、本作では銃火器一斉掃射の際に、ほかのヒーローたちが武器名を呼ぶのに合わせてショウが「ディクテイター!」と叫ぶシーンがある。
部外者の使用例
特撮番組にありがちな、使用に際して特別な資質が必要な武装というわけではなく、一般的な銃器を扱える者であればブルースワット隊員でなくとも使用できる。
- 第7話
エイリアンによって彼女を自殺に見せかけて殺害された青年・玉井照夫に仇討ちのためショウが貸し与え、震える照夫の手をショウが支えながら発射し、冷凍弾で凍結状態のエイリアンを倒した。
- 第21話
エイリアンのインヴェードを受けて利用され、敵が抜け出た後に戦場で目覚めて侵略を知りブルースワットに参加しようとした老人・松下長之助がショウから奪い取って正確に射撃し、エイリアンを撃破した。
余談だが、この時松下老人はブルースワットと1対1で格闘戦を繰り広げるエイリアンにミサイルランチャーをそれぞれ発射し命中させたのはいいものの、敵の至近距離にいる3人を完全に爆発範囲に巻き込んでいる…はずが全員無傷であった。たまたまこの時だけ火力の低い弾頭が仕込まれていただけなのだ。きっとそうだ。
- 『重甲ビーファイター』特別編
鷹取舞がサラから借りて使用し、ネオギルドのロボットを倒した。
プロップ(撮影用小道具)
劇中の発火モデルのベースは、番組内でプロップ協力に入っていたモデルガンメーカー・MGC社の製品『ベレッタM92F』であり、アップシーンや分解シーンを見ると部分的にはM92Fの部位がそのまま残っていることが確認できる。
この関係で後述の玩具版でのシングルカラムのデザインとは異なり、劇中ではやや厚いベレッタM92Fのダブルカラムの弾倉が使用されている。
第11話で「同じ9mmだから」という理由で逆にディクテイター用の弾倉をベレッタM92Fに装填して射撃するシーンもあるため、ベレッタ92Fとディクテイターは設定上弾倉に互換性があることが窺える。
プロップは番組終了後も保存されており、後に『仮面ライダーアギト』にて登場したV-1システムが使用する銃に改造された。
玩具
放送当時にバンダイから発売された玩具は大別して2種存在しており、弾丸とマガジンが付属し排莢の機構がある「電動ブローバック」版と、音と光が出る「ライト&サウンド」版があった。
特に評価が高い電動ブローバック版(以下、電動版)は、子供向けながらモデルガンといっても差し支えないハイクオリティなもので、劇中とほぼ同一のサイズとリアリティを誇り、そのクオリティはほぼ改造なしで劇中の撮影用小道具に転用されるほどであった。
「電動ブローバック」版
初期型
後期型
- 弾頭の発射機能こそ無いが、マガジンへの装弾と、スライドの動きに連動した給弾と排莢のギミックが最大の売り。マグキャッチを押してのマガジンの脱着が可能で、装填する弾丸の薬莢部分は金属製というこだわりの感じられる品。スライド後座状態では、マガジンに装填した初弾が覗くというリアルな構造で、チャンバーも造形されており動作時にはここに弾頭が咥えられる構造となっているなど、ガンマニアの視点からも評価が高かった。
- 価格は7,980円で、これは当時発売されていた一般的なモデルガンよりも低価格であった。ただし歴代のなりきり玩具と比べるとかなり高価格帯の商品で、対象年齢も7歳以上と比較的高めに設定されていた。
- また、実際にセミオート・フルオート作動が切り替え可能という劇中の挙動を完全に再現したといっても過言ではない仕様で、モデルガン雑誌の紹介記事では「子供に遊ばせておくにはもったいない代物」とまで言わしめ、また当時モデルガン愛好者を悩ませていた火薬カスの掃除が不要な点も評価を得ていた。
- スライド部の動作速度が早すぎた初期型はよくジャム(弾詰まり、排莢不良)が多発し、このロットは回収となった。後にスライドの移動速度を遅くし、マガジンに金属プレートで補強を入れるなど改良した後期型が発売され、初期型との交換対応もなされた。
- ドラムガンナーとの連動ギミックもあり、合体させディクテイターのトリガーを引くと、銃口の発光を感知してドラムガンファイヤーが発射される仕組みになっている。
- ベレッタ等をはじめとしたモデルガン用9mmカートリッジと互換性があったという情報も。
- 今日では電源、ガス等リソース不要でモーター等の動力源非搭載でブローバックと排莢を実現した玩具が発売されている。ただし、そちらは実在の銃をモデルとしたもの中心のラインナップしか無い。
※参考動画
「ライト&サウンド」版
- 単3電池3本を使用し、銃口の発光と射撃音を発するギミックを搭載。専用のホルダーが付属。
- スライドなどの可動部位は無く、マガジン脱着は出来ない。右側面には多数のネジ穴が露出している。
- 対象年齢は3歳以上であり、価格も電動版の半額以下。
- ドラムガンナーとの連動ギミックもあるが、電動版よりサイズが一回り小さいため、ドラムガンナー付属のアタッチメントパーツを装着する必要がある。
「ディクテイター 30th ANNIVERSARY EDITION」
- 2024年には、『ブルースワット』放送30周年を記念してプレミアムバンダイより「ディクテイター 30th ANNIVERSARY EDITION」が受注販売される運びとなった(現在は受注終了)。
- 発光が劇中に合わせたものとなり、初の玩具化となるロングマガジンが付属する上、造形も一新されている……のだが、電動版で特に話題に挙げられる点であるカートリッジ排莢ギミックがない。排莢はしないものの、一応ブローバックギミックという名目で、スライドの前後動と、ダミー弾頭が覗く機構にアレンジが加わっている。
- この理由は開発ブログ上で「『ディクテイター』といえば連射が特徴です。ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、過去玩具の排莢はカートリッジがジャムる、カートリッジが飛んで行ってなくなってしまうというデメリットを抱えておりました。今回の機構に改造することで、より遊びやすく、より爽快な連射が楽しめるようになりました!」と説明されている。
- が、排莢がオミットされたことや、電動版に対する「デメリット」という記述に対し一部ユーザーらから反発の声が噴出、炎上してしまった。
- 30周年記念商品ということで当時品から改良されている点も多いものの、22,000円とかなり高額でありながら電動版最大の魅力であった排莢がなく弾丸も付属しない(銃内部に仕込まれたダミーのみ)ことなどにより、詳細情報開示・受注公開直後の段階から相当な不評を買ってしまっている。
- ただし、排莢に関してはかなり以前から「製造物責任法(通称PL法、旧版玩具発売翌年に施行)により再玩具化の際に搭載は難しいのではないか」などと各所でささやかれており、上記のブログ記事は現実的にPL法が関係していることを伏せるためにこのような記述になった可能性がある。
- 電動版で高評価ポイントとして挙げられることが多いチャンバー部分の造形もおざなりになっており、弾頭が単なる壁に突き当たっている。
- 玩具紹介動画における発射音も、劇中のものとは違うのではないかといった指摘もある。
- 収録されているBGMが2曲と少ない上に、1つは劇中での使用回数が少ない上にバラード曲であるOPテーマが選出されており、戦闘シーンでよく使用されたBGMのほうが良かったのではないかという声も上がった。
- グリップ形状に関し、「過去発売したディクテイターは劇中登場のディクテイターよりもグリップが太く短く作られていました。様々な理由があったのかもしれませんが、ここは劇中のようなかっこいい外観に近づけたい!という思いで、若干細長く、スタイリッシュな形状に変更しています。」、との記載が「開発ブログ」内にあるが、30th版はベレッタM92をベースとした劇中のものよりは、電動版に近い形状となっている。
- マガジンは電動版同様のシングルカラム式に近い形状。
比較表
ライト&サウンド | 電動ブローバック版(前期) | 電動ブローバック版(後期) | 30th(発売前) | |
価格 | 約3,000円(不明確) | 7,980円 | 7,980円 | 22,000円 |
対象年齢 | 3歳以上 | 7歳以上 | 7歳以上 | 15歳以上 |
電池 | 単3×3本 | 単3×3本 | 単3×3本 | 単3×3本 |
マガジン | なし | 10発 | 10発 | 弾倉としての機能無し・形状は10発タイプ、32発タイプ |
弾丸 | なし | 金属薬莢+樹脂 | 金属薬莢+樹脂(変更点有) | スライド内ダミーのみ |
電池蓋 | 後部 | フロント下部三面を覆うカバー | フロント下部三面を覆うカバー | フロント下部底面のみのフタ |
スライド | 非可動 | 速度高 | 速度低 | 速度低 |
ブローバック | なし | セミ/フル切り替え | セミ/フル切り替え | セミ/フル切り替え |
セレクター | 非可動 | セミ/フル切り替え | セミ/フル切り替え | セミ/フル切り替え |
マガジンキャッチ | 非可動 | 作動 | 作動 | 作動? |
グリップ部ロータリースイッチ | 非可動 | 作動 | 作動 | ? |
銃口発光 | 赤1色 | 赤1色 | 赤1色 | 赤・オレンジ2色 |
レーザーサイト発光&照射音 | なし | なし | なし | あり(赤色LED・手元にスイッチ新設) |
エネルギーコーディングユニット発光&音 | なし | なし | なし | あり |
発射音 | 玩具独自 | なし | なし | 玩具独自? |
楽曲収録 | なし | なし | なし | 2曲(主題歌「TRUE DREAM」/挿入歌「出発のサイン」) |
ホルスター | あり | なし | なし | なし |
スタンド | なし | なし | なし | あり |
ドラムガンナー連動 | 要パーツ | 可 | 可 | ? |
レビュー記事掲載 | なし | Arms MAGAZINE | Arms MAGAZINE | フィギュア王 |