概要
古き神々が滅んで以来、その遺産である秘宝を用いて強大な力を得た「新しき神」の1人。神殿を持ち、温厚な性格でパーティを出迎える。
第4世界にあるアポロンの神殿で主人公たちを出迎えるのが初登場シーン。同じく新しき神を名乗っていたアシュラを倒したお礼に、持っていた秘宝を主人公へプレゼントする。既に十分な力を持っており、それ以上の力はいらないというのが理由だった。実際、周囲からも慈悲深き神として慕われている。ただしNPC(岩系のモンスター)からは「いい奴なのか悪い奴なのか分からん 気をつけた方がいい」と忠告してくる。
この時彼は、主人公たちに謎解きを提示する。それまでの世界では基本的にシンプルな戦いがメインだったが、「土の中で風が吹く所」「水の中で炎が燃えている所」「明るい闇がある所」という3つのスポットに行くよう紹介される。こうしたアプローチをしてくる主要人物はシリーズの中では珍しく、まして初対面においてはシリーズ初であった。
これで主人公とのやりとりが終わりかと思いきや、第6世界を越えた次の世界に再び登場し、主人公へドラゴンレースへの参加をもちかける。全世界から秘宝を狙った強豪が集まったこの大会は、騎乗用ドラゴンに乗って秘宝を狙ってくるモンスターと戦いながら、待ち受ける強敵が持つ秘宝を手に入れるという、レースとは名ばかりのバトルロイヤルだった。既に多くの秘宝を集め、残りの秘宝も狙って旅をしてきた主人公にとっては願っても無い話だったが、レース後の彼の態度は、初対面とは違った印象を持たれるものだった。
※以下ネタバレ
主人公たちが秘宝集めを大詰めにした第9世界にある広場で三度彼は姿を現す。そして、唐突に本性を見せ始めた。秘宝を全て集めるのが目的だった彼は、自身の手下で赤い鳥(リメイク版では青い鳥)である「アポロンのしもべ」を呼び出し、力ずくで主人公の秘宝を奪おうとする。
これを倒す主人公だったが、彼は既に次の手を打っていた。これまでの世界で主人公が出会った主要人物全てを人質に取り、ついに76個の秘宝を奪い解放する。広場から退散する前に主人公に秘宝を大量に使うと世界が崩壊すると忠告されるが、ガーディアンが嘘を言っていると頑なに信じなかった。77個集めれば女神の像になるという秘宝を使い、真の神になるべく全秘宝の力を使うため、今度こそ1人中央神殿へと去っていく。
今まで主人公に協力するフリをしていたのも、後で全てを奪う為に、秘宝を1箇所に集めさせるつもりだったのだろう。ドラゴンレースも、世界中の強豪が集めた秘宝を勝者が総取りする仕組みになっており、考えてみれば彼にとってこれほど都合の良い大会もない。
また第5世界にあるガーディアンの町が新たな神に使えるモンスターらに襲われるが、リーダー格とされる神の正体が最後まで明らかになっておらず、アポロンが主人公の父親(その部下と戦いで死んだと思われた)が生存していたのを知ると「生きていたのか しぶとい奴だな」と驚愕しており、その神の正体はアポロンという説がある。
アポロンとの対決
戦い
戦いの前に、ちちおやは、秘宝を使うことがあまりにも危険であると何度も忠告していたのだが、ちちおやに騙されていた経緯もあったことで忠告に耳を挟もうとせず疑った。
そして77個の秘宝の力を使い、爆発的な強化を自らに施す彼。主人公たちがようやく追いついた頃、すでに秘宝は効果を現そうとしていた。秘宝の1つ「イージスの盾」で身を守りながらその時を待つ。そして主人公たちがよほど極端に強くない限り、あるいはリメイクでは確実に、彼は秘宝の力によって鳥人のような形態へと変身を遂げる。
その強さ
アポロン
その力は今までのボスキャラクターとは比較にならない強さで、無属性の「正宗」と全体魔法の「フレア」を交互打ちするという、単純ゆえに小細工一切なしの純粋な強さを持つ、作中屈指の強敵である。ターン経過やダメージによってイベントが発生して勝利することもできるが、必要ターン数は21ターン、削らねばならないHPは25000(リメイクでは40000)の約半分であり、どちらにしても容易ではない。
アポロンのしもべ
第9世界(最後の世界)にいる巨鳥。本性を曝け出したアポロンが主人公たちが持つ76個の秘宝を奪う為に送り込んだアポロン直属の部下。
巨大な炎に包まれた鳥で、「ほのお(灼熱地獄)」や「れいき(永久凍土)」、「いなずま(神雷召喚)」、「どくぎり(猛毒濃霧)」、「たつまき(狂乱暴風)」といった攻撃で主人公たちを亡き者にしようと襲い掛かってくる。弱点はステータス異常に耐性がないこと。
因みにグラフィックでは2体登場するが戦うのは1体のみ。
リメイク版では魂の暗域にて「フェニックス」の名前で完全体アポロンと共にリベンジを仕掛けてくる。
結末
そんな彼も、たった1つだけ詰めの甘さがあった。秘宝が77個で構成されているという話は、新しき神に対抗する組織であるガーディアンがばら撒いた真っ赤な嘘であり最後の秘宝である「女神の心臓」の存在に気づかぬまま事を起こしてしまった。
その長きにわたるそガーディアンの活動によって、秘宝が77個しかないと完全に信じきってしまい(その組織を嘘つき呼ばわりしたにもかかわらず)主人公から秘宝の数をサーチする探知機になっている秘宝「精霊の鏡」を奪っていたにもかかわらず、それを使って秘宝の数を確かめるという「念押し」をしなかった。
交戦中、不完全な状態の秘宝を使った為に突如肉体が崩壊し始め狼狽する。
アポロンとの対決の前に主人公たちが入手していた最後の秘法「女神の心臓」を見せ、それを見たアポロンは怒りに任せさらに襲い掛かるがもはや崩れ落ちる体を維持することも出来ず、爆発四散した。
全てを手に入れたと思い込んだ彼は、直後に全てを失う運命に飲み込まれ、唯一神になろうとするほどの力を手にした彼が、力ではなく知恵によって破滅したのは、因果応報ながら中々に皮肉のきいたエピソードでもある。
こうして野望まで後一歩のところで自滅した形だが、上記の通り秘宝により世界中に大きな変動をもたらし、天界から天の柱を通じて支えられているいくつもの世界がバラバラになってしまう危機に見舞われる。彼は、己にそのつもりがなかったとはいえ、最後の最後まで世界にとっての禍根となった人物になってしまった。
リメイク版
リメイク版では金髪になっており、容姿もどこか幼くなっている。
最終決戦が終了した後に、冥界にて再び闘うことができる。亡者の闘技場で戦える「アポロンの魂」、魂の暗域で戦える「真・アポロン」「完全体アポロン」「真・完全体アポロン」。後者は特に、バージョンによってはHP全回復効果の「フルケア」まで使用する、始末の悪い強化まで施されている。自滅もするはずがなく、彼と本当の意味で真っ向勝負をしたらどれほどの強さであったかを知ることが出来るだろう。
ロマサガRS
ロマサガRSではアシュラやアポロン、オーディンらの神々と共にプレイアブルで登場している。
キャラクターデザインはGB版準拠でレアリティはオリジナル(藤岡勝利)版のSをはじめSaGa祭、31周年、ハロウィン、佐賀県コラボのSS4種類がこれまでに登場しており、このうち31周年版と佐賀県コラボ版が秘宝の力で変身した姿である。
関連イラスト
関連タグ
因縁の相手:ちちおや
レオン・オーランシュ:ある意味でも彼と同様の立ち位置に近かった他社作品の登場人物。中の人はスクエニ作品にも出演経験がある。最終決戦で力を手にし、その力におぼれ、最終的に主人公たちの切り札に敗れるという共通点も存在するが、唯一の違いはその後の顛末辺りかもしれない。