新野冬子
にいのふゆこ
イラストはB小町時代のものである。
概要
CV:???
演:酒井唯菜(在籍時)
『推しの子』の登場人物で、アイドルグループ「B小町」のメンバーの1人だった。愛称は「ニノ」。名前の初出は赤坂アカの書き下ろし小説である「45510」。
アニメ版の第1期OPテーマの2番までの歌詞は、彼女の心情そのものと言え、作中でも彼女の台詞として歌詞の一部が引用されている。
その後の動向(ネタバレ注意⚠️)
※ここからは、「推しの子」第9章、第10章、最終章に関してのネタバレがありますので、自己責任で閲覧願います。
132話でアイの悲劇から13年後、アイの忘れ形見「星野アクア」が脚本を手掛けた「15年の嘘」の映画撮影現場に登場。そこで初めてフルネームが「新野冬子」である事が判明する。
高峯と共に撮影現場を見学しに来たのはいいものの、過去のことを吹っ切って笑い飛ばしていた高峯とは違い終始暗い顔をしていた。
アイの死後もアイの死に涙を流すなど悲しんではいたものの、アイに対して尚複雑な心境を抱いており、星野ルビーが演じるアイに、「本物のアイはそんな事は言わない、「そんな事言ったっけ」と私の望み通りのことを言う」「私の言葉なんか傷ついたりもしない、いちいち覚えてすらいない、あの子は最強で無敵のアイドル様なんだから」と酷評していた。
映画「15年の嘘」でニノを演じることになった有馬かなは、ニノと実際に対面した際、彼女のアイに対するあまりに重い感情に情緒が壊れてるヤバい人と恐怖を抱いていた。また、かなは彼女のことを愛憎の人と評し、かなが言うには何年も昔に死んだ人に執着して憎み続けたことから、それはまるで愛情と言えるほどの憎しみだったとまで言っている。
そして、アイの元交際相手であるカミキヒカルとも何らかの関係があった事が判明。
その際、「実の娘でもアイを超えることできないだろうし、できたとしても絶対に許さない」という屈折したアイへの感情を吐露していた。初登場回から連絡を取り合い、後に実際に対面して話している描写もあった。
136話では登場こそしないものの、彼女の役を演じたかなによって彼女の詳細や内面が描かれた。それによると、アイの加入が少し遅れたこともあってか、最初期のスタートダッシュを成功させた立役者だったが、星野アイの正式加入後、ファンのターゲット層も被っていたせいか、自分を推してくれていたファンがいつの間にかアイに推し変してきファンを奪われていった(しかし、ファンを奪われていたのはニノだけでなくメンバー全員であり、B小町自体がアイを頂点とした完全なピラミッドという性質を持ったグループだったため、誰しもアイに思うところはあった模様)。
それゆえ、グループの中心である星野アイに対しては、その圧倒的な実力差、自身の劣等感からの嫉妬や憎しみを抱き、なおかつ神聖視、信奉もしているというアイに対する感情は複雑かつこの上なく重いものであった。しかし、死んでしまった人の憎しみや愛情は普通は何年も持たず徐々に消えていくものであるが、彼女がそういう気持ちを何年も持ち続けていたのは、彼女にとってアイは嫉妬や信仰の対象である以前に友達だと思ってたからで、アイに対して友達だと思っていたから嫉妬し憧れていたため彼女は苦しんでおり、アイに対する暴言も本当は友達同士のありふれた喧嘩だったとのこと。彼女の本当の気持ちはアイと仲直りがしたいずっと友達でいれたら良かったと思っており、相手がアイでなければそれらを諦めることもなかった(137話のルビーの発言によるとアイもB小町メンバーと友達でいたいことを諦めたりしてしまった模様)。
また、アイ自身も友達とのすれ違いで傷つくどこにでもいる普通の少女であり、「45510」で当初は仲良かったものの自身のせいでB小町が不仲になったことに対して責任を感じており、ニノ含むB小町の初期メンバーと仲直りがしたかったことが判明している。
「15年の嘘」が公開されればカミキの芸能人生が終わるであろう事も告げている。「15年の嘘」の内容を把握した上で、カミキとの会話でそのことを話していたため、カミキとアイの関係、過去の事件の真相も知っており、黒川あかねがカミキのことを調べて回っていることを察知していた。
★更なるネタバレ注意(155話以降)★
アクア「カミキヒカルが全ての元凶…ということにしたら、色々と辻褄が合わない」
アクア「アイの失墜を誰よりも願い、誰よりも憧れた信者」
雨宮吾郎、リョースケ、片寄ゆらの死に直接関わっていることを、アクアやあかねに見抜かれている。
同話では、ゴミ袋だらけでボロボロの部屋で、アイと自分以外のメンバーを黒く塗りつぶした(よく見ると顔の部分に×印が付いている)初代B小町のポスターを、ハイライトのない目で眺めながら『サインはB』を聴き、狂気的な笑みを浮かべるという恐ろしい姿を見せた。
しかし、158話でカミキが自首すると分かるや、取り乱す。
また、「良介を死なせたあの時から〜」という台詞がある通り、ニノとリョースケは何らかの親密な関係があったことが示唆されている。
そして、158話ラスト。私達のやってきたことの意味がなくなるという理由でルビーを刺し殺そうとした。この時、ルビーに対して謝罪しているセリフもあり、罪悪感はあった模様。
しかし、159話で刺したのはルビーではなく変装したあかねと判明。さらにその場にいた壱護社長に取り押さえられた。(因みにあかねは防刃ベストを着けていたため無事だった……と描写されているが、防刃ベストは刺傷を完全に無効化できるマジックアイテムではないことには留意されたし。また、あかねの「東京ドームには行けないかも。」という発言は身命を賭した決死の判断であったことも併せて判明する。)
この話にて、リョースケこと菅野良介と恋人関係であったことも判明する。そのことは当時から壱護社長に把握されていたものの、壱護社長は黙認していた。そして、アイには「特別であって欲しかった、永遠に完璧で究極のアイドルのままで」という気持ちを吐露した。リョースケの死の真相はアイを殺害した後にニノが彼に「死んでよ」と言い、首を吊って自殺したことが判明した。
しかし、あかねから「ルビーがアイはあなたと普通の友達になりたかった」と言っていたことを聞かされると目に涙をため、「私もそうだよ」と本音を言った。
そして、同じくあかねに「誰が貴方と菅野良介をこんな風にしたんですか?」と尋ねられ、改心したのか160話であかね達の取り調べに応じ、カミキヒカルが自分達を唆した黒幕であり、カミキがアイの話をするなどアイの事を忘れさせてくれなかっただけで私達はそれだけで十分壊れることが出来たんだと思うと語った。
カミキによれば、ニノとリョースケ側からカミキに近づいてきたとのことで、カミキ自身は2人が良い人だったため友人だと思ってた上にアイへの狂気じみた執着心にも気づいていなかった。そのため、言葉を濁しつつも情けない失恋話を吐露したり、アイが宮崎の病院で子供を産もうとしてるから会いに行くべきか迷っているという話もしたが、そこで何が起きたのかということについてカミキは把握しておらず、アイが死んだ日も、アイに会う勇気がないからリョースケに花束を届けに行って貰っただけで誰かを害するつもりはそもそも無かったとのこと(しかし、アクアは把握してそれらの発言を嘘と断じており、ルビーを守らなかったことが全てでニノの精神状況を理解しておきながら何の対策も取らず傍観していたことが全てだという)。
- 要するに155話でのやり取りは、あくまでカミキを単独犯と仮定すると辻褄が合わない部分が出てくるということを表現したかった模様。しかしそれならば、「カミキヒカルの単独犯では辻褄が合わない」と素直に表現すればいい話であり、「全ての元凶」と、主語を大きくした上で表現する必要性がなかったのもまた事実である。また、「色々と辻褄が合わない」のは、ニノに対してのミスリードというより、芸能界の闇やカミキの家庭環境など、複雑要因が絡んでいるためである。
逮捕後、あかねが驚くほど警察の取り調べには協力的に応じているようで、その取り調べから徐々にカミキの余罪も明らかになった。
しかし、どれもニノやリョースケの時と同様の手段だったため、殺人教唆の罪で被疑者死亡のまま立件できるほどの証拠は揃わなかった。
また、片寄ゆらを殺害の実行犯であることもこの時に判明している。
B小町の後輩であり映画「15年の嘘」でニノを演じたかなとアイの娘であるルビーとの関係性は、アイとニノの関係性を対比したようなものでもあり、二人のあり得た未来とも言え、両者のすれ違いが無ければかなとルビーのようにアイとは普通の友達になれたのかもしれない。
実写版では
ドキュメンタリーの撮影のシーンにのみきゅんぱんと共に登場。落書きされたネコを見て「可愛い、ありぴゃんに似てる」と言っている。
その後は登場しておらず、アイへの未練もルビーへの羨望も描写されていない。
が、原作にはない「15年の嘘」の舞台挨拶の際、煙に紛れてアクアをナイフで刺した女性(演:中島亜梨沙)が新野冬子ではないかという指摘もある。
映画本編では演者に役名のクレジットがなかったため現時点では不明(演者が違うが、十数年経っているので演者が違っていても違和感はない)。
新野冬子だと仮定すると、本作の彼女は「アイを超える存在」であるルビーのみならずアイの秘密を暴いて墓を荒らすような真似をした上に映画でアイを「普通の人間」として描いたアクアにも恨みを抱いていた可能性が高い。その点をカミキに付け込まれ、計画に加担させられたと思われる。
二次創作作品では?
二次創作作品では、逆にアイの親友として描く作品もあり、アイ生存ifではアイ卒業後に開催されるB小町解散コンサートでも、最後までB小町を引っ張る姿も見られる。
あの悲劇が無かったら有り得たかも知れない展開と言えるかも知れない。