概要
CV:大塚剛央
漫画『メダリスト』に登場する26歳の青年。名前はギリシャ神話のアポロンから。
主人公結束いのりに対するもう一人の主人公枠に相当するキャラクターである。
中学生の頃、とあるスケート選手の姿に憧れを持ちスケートの世界を志すようになる。しかし、14歳と言う年齢はこの世界において出遅れも出遅れ。どこのチームも受け入れてくれず、さらに高額となるスケート費用についても家族に頼れなかったことから、多くのハンデを抱えた状態で独学ながらもスケートに打ち込み、ようやくアイスダンスの全日本代表選手権出場という切符を当時の相棒であった高峰瞳と共に掴む。しかし、練習で一度も失敗しなかった技をミスして敗退。全ての活動資金を賭けた挑戦であったため、金銭的に引退を余儀なくされる苦渋を味わった過去を持つ。
この人生のどん底にあった司の姿は加護や瞳、鴨川たちの記憶に焼きついており、この作品における『全てを失ったスケーター』の象徴的な姿とも言える。
以降はアイスショーのエキストラを目指しつつフリーターとしてギリギリの生活を送っていたが、ひょんなことから出会った11歳の少女結束いのりのフィギュアスケートへの憧れと執念、そして彼女自身の才能の片鱗を目の当たりにして感じ入り、いのりのコーチを志願する。
現在では名古屋を本拠地に活動する、瞳をヘッドコーチとするフィギュアチームルクス東山FSCのアシスタントコーチとなり、いのりと共にオリンピック金メダルを目標に日々を送っている。
人物
長身かつマッシブな体型(本人曰く「これは趣味」)であり、声もリアクションも人一倍大きい。そして大変涙もろく、素面で酒が入っているとしか思えない号泣っぷりを見せて周囲を引かせることも。
特に子供たちを褒めるときは全力で、いのりの頑張りや成長を目の当たりにする度に「喜びレベルGOE+5‼︎」と褒めるのがお約束。
非常に押しの強い性格だが、大人子供関係なく「〇〇さん」と呼び、子供に対しても対等な目線で接するため、それが萎縮していたいのりの本音を引き出し、自信を喪失していた鴗鳥理凰を奮起させることにつながった。
そしてその結果、やたら強火な弟弟子が爆誕した。
理凰「俺の明浦路先生」
いのり「私んだよ!」
スケーターとしてはアイスダンスペアの全日本代表として一度出場したのみで、指導者としては過去の競技実績に乏しい。そのことは本人も気にしており、過去の経験からの自己肯定感の低さに繋がっている。
しかし実際には、一度見ただけの振り付けを記憶し、それを自身の体ですぐに再現できる脅威的な"目の良さ"を持っており、スケーティングやステップの技術に関しては現在でもトップクラス。理凰からはスケーティングの技術だけなら夜鷹純より上なのではと推測されている。一度彼のスケートを見た夜鷹も、司のことを記憶していた程度にはその才能を認めていた。
指先などの体の細部の動かし方や、長身を生かした演出が上手く、普段のやかましいほどに明るい様子から別人のように静かな雰囲気へと変貌する。彼の演技を見たことがなかった子どもたちに息を呑ませ、オリンピック銀メダリストの息子というスケートに関しては目が肥えているであろう理凰を「先生見てうっとりしてた(いのり談)」状態にした。見なよ…オレの司を…
得意技は足の長さを生かしたキャメルスピン(女子「足5メートルある!?」)。
夜鷹や鴗鳥慎一郎のジャンプを見てすぐさま自身のジャンプに反映させていたり、夜鷹からの突然のバックフリップをしろという無茶振りにぶっつけ本番で成功させたりと、「スケートの才能」と言えるものは確かにある。
また、いのりのキャリーバッグを取りに2kmの距離を全力疾走する、過去にバスケをしていた描写がある、美蜂からの投げ技を受け続けるうちに受け身が上達していく、と言った様子からスケートに限らず運動全般の能力が高い。
こうした技術はコーチとしての活動にも反映されており、徹底したスケーティング指導により培われた基礎体力とスピード、それに裏打ちされたジャンプの飛距離と安定感、アイスダンス由来のステップの完成度の高さは、本編を通していのりの武器にもなっている。