概要
CV:内田雄馬
漫画『メダリスト』に登場するキャラクター。
かつて世界にその名を馳せた男子フィギュアスケートの天才選手で、オリンピックや世界選手権などで幾多の金メダルを獲得したが、20歳の時に突如として引退し表舞台から姿を消した。
その十余年後、数奇な巡り合わせで複雑な境遇にある少女狼嵜光に引き合わされ、現在では彼女に自身の技術を伝授する日々を送っている。
ただし、それを知る者はごく少数に限られている。
表向き、狼嵜光は彼のかつてのライバルであった元・オリンピック銀メダリスト鴗鳥慎一郎の生徒ということになっており、自身は影のコーチという立場をとっている。
その真意は編集段階では不明。
鴗鳥いわく、幼少期からスケートリンクでの価値観を基点に過ごしており氷の世界以外で生きるすべを知らないという。
そのためか、スケートの実力が有るか否か&実際に実績を残しているかで物事を測っている節があり、自身にも他人にもストイックにそれを求める。自身の価値観に合わない対象には容赦なく辛辣な言葉を浴びせるため、彼に憧れてフィギュアを始めた明浦路司でさえ「性格が悪い」と感想している。
本編では、狼嵜光と共に結束いのり・明浦路司の主人公コンビの前に乗り越えなければならない強敵として立ちふさがる。
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人物(ネタバレ注意)
実力
実は、その強さの秘訣は鷹の目と俗称される超人的な空間把握能力を有するため。
これによって機材や指導者に頼らずともテクニック等の修正を可能とした。しかし、このために本来なら必要である「人間として寄り添う大人や仲間」といった存在を必要としなくなってしまい、引退するまで毎年所属チームを変更するといった常軌を逸した行動をとるなどひとりよがりを強める結果となった。当時の彼を止められなかったかつてのコーチである梟木豊や高峰匠からは現在でも後悔の念を抱かれている。
対人関系・思考
「僕や光が金メダルを獲るのは偶然でも陰謀でもなく必然だ」といって憚らない。
しかし、弟子である光からはそれはフィギュアスケート以外に自分のアイデンティティを求めることができない現実の裏返しでもあり、その実態は事実上のルサンチマンの発露であるという趣旨の分析をされている。
夜鷹自身もそのことは自覚しているらしく、自分の後継者と見込んだ光へは呪文のように「氷の上でしか生きられない人間になれ」「勝利に一番必要なのは犠牲」と言い聞かせている。
だが、光に言わせれば夜鷹にもっとも近い性質を有するのは、常に私生活では劣等生であるという逆境をバネにフィギュアスケートの実力でもって周囲に「自分が一番強くなれるのはこの氷の上だけだ」「自分が望んだ場所で最強の存在になれないなら生きる意味なんてない!」と彼とまったく同じ言葉で存在証明を迫り続けている本作の主人公・結束いのりであるという………
夜鷹はいのりに対しては取るに足らない選出だと思っているらしく「一生かかろうが君が光に勝てる事はないよ」と言い切る。、
しかし、光はもっとも夜鷹らしいマインドを持ついのりを「私の友達」と呼び、いつか自分の師のように修羅をきわめるであろう彼女と激突の日を待ち望むのであった。
それに対していのりの師である司は、「犠牲なんて神聖なものじゃ全然ない」「劣等感でなんにも見えてない奴が一番最初に手をつける簡単な自傷行為だ」と、夜鷹と、彼のキケンなマインドに染まっていく光に対して反駁を抱き、いのりには破滅の道を歩ませまいとしている。
そんな司に対して夜鷹は「君はまだ滑れる(=現役で活躍できる)はずだ。右も左も分かっていない子供に奉仕する必要はあるのか?」と言い放っている。
これに対して「貴方にとって戯言かもしれないが自分もいのりも本気だ」と言い縋る司を「・・・君はいいコーチになれるかもしれないね」「でもあの子の夢は叶わない。光には僕と同じ道を辿らせる」と心意気を認めつつも傲慢なまでに一蹴している。
ついでに言えば、慎一郎の息子である鴗鳥理凰からは「こそこそして試合にも来ないで何がコーチだよ」「クラブのために生徒を育てたいわけでもないのに何が目的だ」と至極まっとうな指摘をされ光のコーチとしての資質を疑われているが、「・・・そういう陰謀論が好きなんだね」とスルーしようとしている。
この時、理凰がとっさに「スケートから逃げたくせに・・・」と罵ったが、これが夜鷹の逆鱗に触れたらしく「光にとって一番邪魔なのは勘違いしているお前なんだよ」と凄んで無理やり黙らせた。
親友の子供にも容赦が無い。
極端なまでに、スケートと、自分の美学に固執し、それに合致しない環境や人間は切って捨てる。
それが夜鷹純である。