ロプトとは
ここでは主に2.の項目について説明する。
1.北欧神話
ロキの別名。「大きく成長するもの」の意。
ロキがエーギルの従者を殺害して追い立てられた後、再びエーギルの広間に戻ってきた際に名乗っている。
2.聖戦の系譜
黒い竜の姿をした暗黒神ロプトウスを崇拝する教団。黒いローブをまとう姿から「暗黒教団」とも呼ばれる。
「子供狩り」や虐殺など残酷な儀式を行って圧政を敷いたが、神竜の力を受け継いだ十二聖戦士によって倒された。この時、皇族でありながら人々を守るため反乱軍に加わった皇弟マイラの血が後の世に受け継がれている。
生き残った者は見つかれば火あぶりに処されるためイード砂漠の神殿に逃れ、他の人間に対する憎悪とロプトウス復活を心の糧に潜伏した。
ロプトウスの血を濃く引き継いでいる者が闇魔法最強の魔道書「ロプトウス」を手にすると、暗黒神の意識が目覚めて教団の意に沿う圧政者となるため、その血を引くヴェルトマー公アルヴィスと義妹ディアドラを結ばせ、彼らの息子ユリウスを暗黒神に変えようと暗躍する。
ロプト教団の代表的な儀式として、幼い子供を親から引き離し、首都バーハラへ強制的に連れて行く「子供狩り」がある。さらわれた子供は「生きたまま火あぶりにされる」か「帝国の臣民として教育される」と説明されている。前者の場合は人々に絶望を与えて抵抗する気力を失わせる意味が、後者の場合は友や兄弟であろうと互いを憎ませて殺し合わせ、生き残った優秀な者を取り立てる洗脳政策の意味がある。
関連する登場人物
アルヴィス
炎の聖戦士ファラと闇の聖戦士マイラの子孫として、差別のない世界を作るためロプト教団と手を組み、邪魔者である有力貴族を次々と暗殺。記憶を失ったグランベル王女ディアドラと結ばれ、初代グランベル帝国皇帝となった。
息子ユリウスがロプトウスとなった後はお飾り皇帝となり、かつて自分の手で討ったシグルドの息子セリスに討たれることで打倒ユリウスを託す。
ディアドラ
行方不明となっていたグランベル王国の王女。光の聖戦士ヘイムの直系で、ロプトウスに対抗できるナーガの血とロプトの血、両方を受け継ぐ。
シグルドの妻としてセリスを産んだが、後にロプト教団の暗黒魔法によって記憶を消され、アルヴィスと結婚。双子の兄妹ユリウスとユリアを産む。ユリウスが暗黒神の力に目覚めると殺害されたが、最後の力をふりしぼってユリアを城外に逃がした。
ユリウス
ユリウスとディアドラの息子。ロプトウスの化身。
幼い頃は優しい少年だったが、暗黒神の意識に目覚めると、自分を倒す恐れのあるナーガの直系を殺そうと母・ディアドラを手にかける。その後はグランベル帝国の実権を奪い、虐殺や子供狩りを実施して圧政を敷く。フリージ公女イシュタルと相思相愛で、外伝「トラキア776」では彼女の側近に嫉妬するような発言がある。
女性を魅了する力があるらしく、ある村を解放すると「あの目を見るとまるで、すい寄せられるように自分を失ってしまうのです 私の友達にも、ユリウス様をしたってバーハラに行った子がたくさんいます でも、みんな行方不明になって···」という台詞が聞ける。イシュタルのいとこティニーは「人をひきつける不思議な力と氷のような冷たさを持った恐ろしいお方」と表現している。
ゲームでは最強の闇魔法「ロプトウス」を装備しており、最強の光魔法「ナーガ」以外の攻撃はダメージが半減してしまう。
ユリア
ユリウスの妹。
闇の血は継がず、ロプトウスを唯一打ち破れるナーガの血を濃く継いだため、ユリウスに狙われるもディアドラによって城外に脱出する。しかしそのショックで記憶を失い、セリス率いる解放軍に所属して(何も知らずに)父や兄の率いるグランベル帝国軍と敵対する。
暗黒教団に発見・拉致され、父や兄と対面したことで記憶が戻る。暗黒司教マンフロイの術によって一度は洗脳されセリスと敵対するが、術から解放された後は封印されていた光魔法「ナーガ」を手に取り、逃げずに兄と戦うことを決意する。
スキル・成長率とも恵まれている上、ナーガによる能力補正が非常に大きいため、最終戦では彼女さえいれば簡単に決着がつく。
マンフロイ
ロプト教団の最高指導者。洗脳されたユリアには「大司教さま」と呼ばれている。
ディアドラの記憶消去・彼女の父であるクルト王子暗殺・ユリウス覚醒・ユリア洗脳・子供狩りなど、本作品における悪事のほとんどを実行している諸悪の根源。
コミック版では、若いころに弟がグランベル勢力に捕まり火あぶりにされたことから人間を恨むようになったという描写があり、ゲーム中では完全な悪人としか描かれていなかった彼の行動の理由が説明されている。
ユリアの洗脳を解くには、彼女を倒さないようにおびき寄せつつマンフロイを倒さないといけないのだが、装備している魔法が一般の暗黒司祭と同じであるためそれほど強くない。また、彼より先にユリウスを倒すと「わしの生命を保っていた暗黒の力が消えていく」と言い残して消滅する。
サラ
マンフロイの孫娘。外伝「トラキア776」に登場する、別名「ロプトの姫」。
祖父のことを嫌っており、レンスター解放軍を指揮するリーフに興味を持ちついてくる。相手の名前や素性を感じ取る不思議な能力の持ち主。石化を解くことができる特殊な杖「キア」の使い手で、終盤に重要な役目を果たす。
初期レベルは低いが、スキル・成長率とも優秀。ただしHPと守備の伸びはかなり悪い。戦死または行方不明の場合、最終章で魔戦士「エルフ」としてリーフ達と敵対する。肌の血色が悪くなっており、会話は不可能。
セイラム
ロプト教団の聖職者だったが、「わからなくなった」ため脱退。半殺しにされていたところを義賊パーン率いる盗賊団「ダンディライオン」に救われ、恩を返すため彼らに協力する。
特徴的な前髪と赤い髪の色から「ジョジョの奇妙な冒険」第3部の登場人物・花京院典明に似ているとしばしば言われる。
その他の暗黒司祭
「聖戦の系譜」第1章で初登場する暗黒司祭サンディマ、「トラキア776」の最終ボスであるベルドなど多数の暗黒司祭が敵として登場する。いずれも高威力の魔法や、毒・石化などの追加効果をもたらす特殊魔法を使ってくるが、「サイレスの杖で無力化する」「魔道書を紛失しており、発見まで数ターンかかる」「状態異常魔法以外は一般兵と同じ装備だけ」など詰めが甘い者も多い。