「スターオーシャン」は、シリーズ第1作が1996年にエニックス(現スクウェア・エニックス、開発はトライエース)から発売されたゲームソフト。
スターオーシャン、SO、スタオーと多数の呼称があり、pixiv内でもタグ使用が混合している。
pixivでのタグ使用頻度から、ここでスターオーシャンシリーズの簡単な紹介・および「1」、「2」の概要を述べる。
※ネタバレ多数有り
人は云う、宇宙は海の星だと
2010年現在、シリーズ発売タイトルは以下の通り。
STAR OCEAN | 1996年発売 | スーパーファミコン |
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STAR OCEAN2 THE SECOND STORY | 1998年発売 | プレイステーション |
STAR OCEAN BLUE SPHERE | 2001年発売 | ゲームボーイカラー |
STAR OCEAN3 Till the End of Time | 2003年発売 | プレイステーション2 |
STAR OCEAN3 Till the End of Time DC | 2004年発売 | プレイステーション2 |
STAR OCEAN First Departure | 2007年発売 | プレイステーションポータブル |
STAR OCEAN2 Second Evolution | 2008年発売 | プレイステーションポータブル |
STAR OCEAN4 -THE LAST HOPE- | 2009年発売 | X-BOX360 |
STAR OCEAN BLUE SPHERE | 2009年配信 | iアプリ |
STAR OCEAN4 -THE LAST HOPE- INTERNATIONAL | 2010年発売 | プレイステーション3 |
尚、以後文章では
「スターオーシャン」をSO1、同タイトルスーパーファミコン版をSFC版、リメイク版をPSP版とし、
「スターオーシャン2」をSO2、同タイトルプレイステーション版をPS版、リメイク版をPSP版とする。
「スターオーシャン3」、「スターオーシャン4」も同様にSO3、SO4と表記する。
シリーズ共通の概要
各種システムやキャラクター性の類似から、よくテイルズシリーズと比較されるが、
それはテイルズオブファンタジアとSO1の開発チームが同じである為。
姉妹作であると言える(或いは元テイルズスタッフ達の、ナムコへ対する反骨精神から誕生した、とも)。
既存のRPGドラゴンクエストやファイナルファンタジーと異なる最大の要素は、
SF(サイエンスフィクション)を物語に絡ませている点である。
これにより、見慣れた「剣と魔法の世界」において、近代的な宇宙船や単語が飛び交うという、
アンバランスな、それでいて新鮮な世界観を味わう事が出来る。
また、独自のシステム面としては「アイテムクリエイション」が大きな存在である。
例えば、戦闘出で有利になるアイテムを量産したり、物語序盤で強力な武器を手に入れたり
(宝物庫から持ち出してはいけないレアな剣を、鍛冶により別名称の剣に加工、まんまと持ち去ってしまうという具合)、
各キャラクターの好物を大量に調理して、ゲーム進行を楽にする等、自由度・やり込み度が非常に高い。
旅の目的そっちのけで、えんえんと鉱物を発掘し錬金を繰返して宝石を作るも良し、同人誌を出版して大もうけするも良し。
戦闘はコマンド式では無く、リアルタイムで戦況が変わるアクションスタイルを起用、
これによって前衛キャラと後衛キャラの個性が活かされ、様々な戦法を試みることが可能。
アイテムの使用や紋章術の詠唱が、敵の攻撃によって妨害されてしまう等、リアルタイムならではの緊張感も。
仲間との間には「感情度」が設定されており、どのキャラクターと親密を深めたかによって、
エンディング内容が大きく変わったり、特殊な技を伝授されたりとゲーム進行が変化する。
好感度の数値によって様々に変化するイベント、PA(プライベートアクション)も、シリーズの特徴である。
特定の条件を満たさないと仲間にならないキャラも少なくないので、ゲームを何週プレイしても楽しみ方が毎回変わる。
BGMの評価も非常に高く、ダンジョンのBGMひとつひとつにも思い入れのあるプレイヤーも多い。
無論、楽曲に定評のあるRPGといえばSOシリーズに限った話でも無いのだが、
作曲家である桜庭統氏の個性的なスコアが、ふんだんに盛り込まれているため記憶に残りやすい。
特にシリーズ定番の「Ending Theme」は、壮大なスペースオペラを脳内に過らせてくれる名曲である。
シリーズ通して出演する声優に東地宏樹氏がいる。
各タイトルのサブキャラクターの誰かしらは、必ず氏が演じており、リメイクにおける声優変更も一切無い。
バグが多いのもある意味では特徴的で、例えばSO1では「開かずの扉」があったり、SO2ではキャラクター表示が頻繁におかしくなったり、
SO3に至っては、「序盤のイベント敵を戦闘曲がループする前に倒さねば確実にフリーズする」など、挙げだしたらきりが無い。
が、このバグを有効に使った攻略法まであるため、ファンからすればこれは欠点ではあらず、ご愛嬌の域にすら達している。
イセリアクイーン、ガブリエ・セレスタら隠しボスキャラクターは、
同トライエースのヴァルキリープロファイルと共通しておなじみの存在。
この強力なボス達を如何に攻略するかが、ゲームとしての真骨頂とも。
SO3において「FD人」という、考え方によってはSOシリーズの存在を全否定しかねない設定が登場し、
果たしてその設定は物語構成の要素として必要だったのか、世に出るべきだったのか、と今なお論議が交わされているが、
ここではあくまでキャラクター達の紹介を軸にし、作品を紹介していきたい。
pixiv内での人気
単純な投稿数だけで述べればテイルズに劣っているが、作品タイトル数の差から一概に差が大きいとは言えない。
ラティ、クロード、フェイト、エッジの4人は歴代主人公として捉えておきたい。
単体でよく描かれているキャラクターは、ティニーク(SO1)、レナ、アシュトン、プリシス、レオン(SO2)、
マリア、アルベル(SO3)、フェイズ、リムル、メリクル(SO4)といった面子だろうか。
カップリング要素としては、アシュトンとプリシス(アシュプリ)、フェイズとリムル(フェイリム)がほのぼのとして高い支持がある。
後にも述べるが、SO2の人気はとても根強い。
SO1
記念すべき第1作。
声優起用によるフルボイス戦闘や聴き応えのある楽曲が売りとなり、スーパーファミコンの容量の限界に挑んだ作品と謳われた。
pixiv内では、どちらかと言えばマイナーな部類に入る。
SOシリーズ内でも投稿数は少ないが、魅力的なキャラ揃いなので、ここで少しでも興味を抱いてもらえれば幸いである。
触れる機会の多いPSP版の要素も踏まえて紹介する。
ストーリー
文明がさほど進展していない惑星、ローク。
田舎町クラトスの自警団として勤める青年、ラティクス――通称ラティは、退屈ながらも平和な毎日を過ごしていた。
しかしある時を境に平和は傾き始める。余所で発生した人体石化現象が広まり、ラティ達の身の回りにも影響が及び始めたのである。
遂には親友・ドーンが石化に蝕まれ、ラティ達は病状を治すべく、危険な山岳地帯へ薬草の採取に向かった。
しかし到着した山頂で、得体の知れない2人の人物と遭遇する。
「薬草では石化は止められない」と告げられ、半信半疑ながらも、ラティ達はその2人と行動を共にする事となる。
これが、300年過去のロークと、星の海を跨る、長い冒険の始まりであった。
登場キャラクター
主に「ローク人」、「地球人」、「過去ローク人」に分けられる。
過去ロークとは、本作の冒険の大半を占める舞台で、ラティの時代から300年昔に遡ったロークである。
ローク・過去ローク人はその多くが猫や虎を先祖とするため、尻尾など動物の名残を残しているのが特徴。
- ラティクス・ファーレンス
「暇ってことは、平和ってことだから」
ローク人。前述の通り平和を好む青年である。
しかし冒険を進めると、後記のシウスやアシュレイに剣の腕を認められたり、ティニークに弟子入りされるなど、
常日頃から、平和だからこそ鍛錬を怠っていなかったのが窺い知れる。
敵に対しては強気だが、年上にはやや譲歩した接し方をするため、意識しているのかは定かではないが、案外世渡り上手な面がある。
特別な力を宿していた彼の先祖(SO4参照)に、既にその功績が予言されていた(断定されていた訳では無く、結果的に、とも)。
彼やミリーは猫を先祖とする「フェルプール」族で、猫の尻尾を生やしている。猿と言おうものなら怒る。が、好きな動物は犬らしい。
ちなみに、歴代主人公の中で一人称が唯一「俺」。
- ミリー・キリート
ローク人。ラティと同じクラトス自警団の1人。
クラトスに住んでいたこと、そして父親が石化現象についてその身を犠牲にしてまで調査した事から、彼女も渦中に巻き込まれる。
回復・アシスト系の紋章術を覚え、後衛に優れる。
ロニキスに紋章術を教えたり、旅先で知り合った少年に懐かれるなど、世話好きな性格である。
どうやら旅の途中ロニキスの弱みを握ったらしく、それを巧く利用して彼にパフェを奢らせるちゃっかりした一面も。
猫派なので、犬派であるラティとはその件で軽い口論になることも有り。このPAで、他の仲間の好みも伺えて面白い。
「かっこE」といったナウなヤングにバカ受けの言葉を使いたがる。おてんば娘とはドーンの談。
- ドーン・マルトー
ローク人。ラティ、ミリーと同じクラトス自警団の1人。
石化現象に感染し、病状を防ぐ為薬草を採りに行った事が、奇しくも冒険のきっかけとなった。
登場早々ミリーの悪口を羅列し、彼女が事あるごとにラティの名を挙げるのに対し少なからず嫉妬していた。所謂片想いか。
残念ながら石化は止められず、序盤にしてパーティから離脱。PSP版での新たな活躍が望まれたが、そこまでには至らなかった。
スターオーシャンにおける不憫キャラの第一人者。
- ロニキス・J・ケニー
地球人。ロークの調査中、ラティ達と遭遇。
石化したドーンを検査し、石化現象自体が敵のバイオテロリズムであると突き止め、
ワクチン作成の為に、軍法違反を犯してまでラティ達と共に過去ロークへと旅立つ。
地球邦軍大佐という職柄だが、腕っ節の軍人気質としてよりも、人柄の良い有能艦長としての印象が強い。苦労人とも。
そのためか部下であるイリアに気迫で圧されている部分も見受けられる。が、技量は確かなようで回りから信頼されている。
PSP版のクリア特典に収録されている彼の没ボイス「カモンッバーニィッ!」は必聴。
- イリア・シルベストリ
地球人。ロニキスの部下。
ロニキス同様、ラティ達と遭遇後、紆余曲折の後過去ロークへ旅立つ。
体術に優れており、男勝りな性格は上司たるロニキスをも縮みこませる。
が、下手をすれば極刑をも免れない彼の決断を肯定し、共に行動する程までに彼を慕っている。
SFC版では、実にRPGチックな露出度の高い格好を纏ったが、PSP版は軍服姿のままである。
大人の都合だそうだ(新規グラフィックが用意できなかった、今にすればFFあたりの服装センスに類似している、といった所か)。
- シウス・ウォーレン
過去ローク人。ラティ達が過去ロークで最初に知り合う仲間(選択肢によっては殆ど絡まない場合も)。
アストラル騎士団の1人で、いずれは父の座を継いで騎士団長に就く筈だったが、「親の七光り」と批判されるのが嫌で旅に出ていた。
態度や口調から、イリアからは「豪快な人」と評されていたが、実際は敏感な精神の持ち主の様だ。
常に筋骨隆々な上半身を晒け出しており、そんな見た目からなる想像を裏切らない、頼りになる前衛キャラである。
意外にも人への物言い方が達者で、僅かな資金で沢山の武器や防具を購入し(店主に値引きさせたのだろう)、ラティを驚かせることも。
- アシュレイ・バーンベルト
過去ローク人。パーティ加入キャラクターの中では最高齢。
過去ローク人だが、ラティの時代にすら名前が残っている程の英雄で、片腕ながら誰にも劣らぬ剣術を誇る事から、その戦績が伺える。
タトローイ闘技場でのラティの活躍を目にし、思う所あってかその後の接触で、ラティ達との旅の同行を自ら望む。
実は剣術の後継者を探していたためであり、感情度によってはラティに強力な必殺技を伝授する。
SO4では若かりし頃の彼が、闘技場制覇の最後の砦として登場。相手は1人だから、と油断していると全滅をかっ喰らう。
意外にも犬が苦手で、その若かりし頃に野良犬に追い掛け回された過去が、年老いて尚トラウマに残っているらしい。
- フィア・メル
過去ローク人。アストラル騎士団所属の女性騎士。
育った環境が環境だったからか、絵に描いたような男勝り。実力容姿共に、彼女を慕うアストラル兵は数多い。
シウスとは幼馴染であり、騎士団から逃げ出した彼を潔く思っていない。が、それは彼へ対する想いへの反動でもある。
ゲーム進行によっては、シウスの父ライアス殺害の濡れ衣を着せられ、投獄される。
そんな彼女を脱獄させ、仲間にした場合は通称「脱獄フィア」と呼ばれている。
脱獄フィアと感情度を上げ、結局冤罪が晴れないままゲームをクリアすると、非常に切ないエンディングを迎えることに。
- ティニーク・アルカナ
過去ローク人。「リカントロープ」という種族で、戦闘時は狼の姿に変身する青年。
タトローイ闘技場で日々修行に明け暮れ、強い相手を求めていた。
連戦勝利するラティを見つけると、どこぞのストリートなんやらが如く乱入し、勝負を挑む。
勝てば弟子入りを口述に仲間への介入を望まれる。口癖は「~ッス」。
基本的に礼儀正しい、と言うよりは格上と認めた相手には積極的に尽くす性格のため、シウス辺りにはよく雑用を任されたりする。
要するにパシり。
発熱すると、とんでもないジゴロに変貌する。熱の影響なのか、はたまた彼の隠された本性なのかは不明。
- ペリシー
過去ローク人。にゃんこ。ではなく猫を先祖とし、その血を色濃く継ぐ「レッサーフェルプール」の少女。
希少価値の高い種族のため賊に囚われていた所を、ラティ達に救出される。
が、生い立ち上のコンプレックスからか他の人間へ疎外感を抱いており、その際はすぐに逃げ出してしまった。
後に、とある村で再会することができれば、ラティ達と仲間に――いや、友達になる。
シリーズ恒例のマスコット、バーニィは彼女との関連イベントで初登場する。
感情度を上げた上で迎えるエンディングは、例の如く切ない。
- ヨシュア・ジェランド
過去ローク人。翼を持った紋章術使い。行方不明になった妹の捜索に旅をしていた。
回復術を扱う為、ミリーが不在の場合重宝される。攻撃術も備えているので、ザコの一掃にも役立つ。
PSP版のゲーム進行によっては、重度のシスターコンプレックスであると判明する。
妹がらみでは普段大人しい性格が変動するほど。境遇が前記の通りなので理解は出来るが。
SFC版においての、紋章術の諳んじ方が、異様なまでに気合が入っているのは最早ファンの語り草。
例:「ヒィルッ!」 「アンチッドートッ!!」 「キュアオォォッル!!!」 ※いずれも回復・アシスト術
- マーヴェル・フローズン
過去ローク人。ミリーも認める麗人。
はぐれていたロニキス、ミリーと一緒に仲間になる。過去ロークに慣れない2人をサポートしていたようだ。
が、ローク人特有の耳や尻尾を生やしておらず、行動からも不自然な点が見られた。
実は、父と母を殺し、兄を行方不明に追い遣った「深紅の楯」という男に復讐を果たすため、旅をしていた。
同様に、両親を失い妹を奪わたヨシュアとは境遇が似ており、彼自身にも少なからず意識を寄せている。
謎の多い彼女の正体は……後記へ。
- エリス・ジェランド
かつての自分を捨て、マーヴェルの肉体・精神を借りていたのが、ヨシュアの捜し求めていた妹・エリスである。
とある洞窟内で肉体のみが氷付けとなっており、発見時、パーティにマーヴェルがいた場合、真実が明かされる。
真実を語った後、ヨシュアの説得も虚しく、マーヴェル――エリスは、自身の意思で消滅への道を選ぶ。
PSP版では、パーティにアシュレイがいた場合のみ、消滅は免れ、エリスとして仲間に加える事ができる。
このパーティ加入によって明らかとなったのが、相当な腹黒であったこと。可愛い犬は食うもので、愛読書は暗殺指南書、だそうな。
- ウェルチ・ビンヤード
PSP版のみ登場。マップ上にも表示されない森の奥深くにて、誰知られずひっそりと潜んでいた。
ロークにはまるで合わない、地球産かのような衣服を着ており、ロニキスとイリアに怪しがられる。
思わせ振りな台詞も多く、上記の仲間達と比べ、態度も格好も浮いている。
正体を明かせば、SO3に登場したウェルチその人であり、リメイクにおいてのゲストキャラクターである。
彼女の素性を知ってるプレイヤーは、イベントごとに驚いたりする彼女の姿に、少し白々しさを覚えるかもしれない。
持ち技「にーべるなんとかー」は、同トライエース社の作品「バルキリーなんとかー」に関連するパロディ。
敵キャラクター
- アスモデウス
今作のキーパーソン。退治ではなく、あくまでワクチン作成に必須な体組織の回収に目的がある。
SO4にて、彼のバックグラウンドがより深く描写されている。その存在によって狂信的宗教が発足されていた様だ。
- デル・アーガスィ-深紅の楯-
ヨシュア、マーヴェル、そしてエリスの物語の根本となる人物。
かつてはアシュレイと肩を並べた英雄だったが、とある経由で呪いに縛られ、今に至った。
SFC版とPSP版でそれらへの解釈がやや異なっている。彼との戦闘BGMは名曲。
- ジエ・リヴォース
惑星ファーゲットの独裁者。物語のラストは彼の暗殺が使命となる。
独裁者までに至った思考はともかくとして、ボス敵としてのパラメーターはロールプレイングゲーム史上最弱とまで謂われている。
実際、万全を期してから戦いを挑むと、あっさりと勝利してしまう。第二形態もあるが、あだ名はズゴック。
SO2
第2作。
SO1の続編であるが、主人公・クロードの父親がロニキスである点以外に、前作と直接物語が繋がっている描写は少ない。
知名度・セールスからして、シリーズ中、最も多くの人々に愛されたスターオーシャンであり、数多あるRPGの中でも名作と推す声も。
公式に出版された4コマアンソロジーの冊数、いくつかの漫画版、そして同人誌の数がそれを物語っている。
pixiv内でも、コメント・キャプションなどでこの作品が全ての元凶だったと漏らすアカウントユーザーは少なくない。
派生作品として、ブルースフィアがある。
正統な続編として発表され、キャラクター達の「その後」を見ることができる。
また、テレビアニメ版に「EX」が放映されたが、評判の程は「俺達の戦いはこれからだ!」でお察ししていただきたい。
先のSO1の記事と比例してやや砕けた紹介をする。
ストーリー
大きく2つに分けて「クロード編」「レナ編」からなる。
が、仲間に出来る特定のキャラクターの違いと、物語冒頭および序盤・中盤の視点が異なっている程度で、本筋に大きな差は無い。
クロード編
惑星ロークや以後の活躍での功績が認められ、連邦軍提督にまで昇任したロニキス。その息子であり、連邦軍少尉でもあるクロードは、
父を尊敬しながらも、「英雄の息子」と呼ばれる煩わしさを感じられずにはいられなかった。
ある時、惑星ミロキニアでの調査中、正体不明の機械に触れた事により、見知らぬ森の中へ飛ばされる。
そこで怪物に襲われている少女に遭遇、父から渡されていたフェイズガンで彼女を救助する。
少女は、礼にと村を案内してくれることに。行く当ても無いクロードは、少女に同行する――
レナ編
惑星エクスペルにあるアーリア村にて、母と2人暮らしの少女・レナ。
ある日、彼女にとって心落ち着く場所である神護の森において、いつもどおり時間を過ごしていた際、怪物に襲われる。
あわやという瞬間、突如現れた青年が光の剣によって怪物を撃退。
かねてより存在を信じていた「光の勇者」が、この眼の前に現れたと感激したレナは、そんな感情を隠しつつ、青年を村へ案内する――
登場キャラクター
地球人以外の人種は、「エクスペル人」、「ネーデ人」、「テトラジェネス」が登場。
惑星エクスペルはストーリー前編、人口惑星エナジーネーデはストーリー後編の舞台。
テトラジェネシスは設定上と特定のエンディングにのみ登場。
PAの数・内容の濃さが前作より大幅に向上しており、各キャラのバックボーンがより深く描かれている。
個別エンディングも多数用意されており、主人公であるクロードとレナを蚊帳の外に、仲間同士で結ばれるパターンも。
アシュトンとプリシス、といった王道カップリングは勿論、ノエルとオペラという意外な組み合わせにもエンディングが存在する。
こうした自由な恋愛模様も、SO2の人気の要素だとも言えよう。
- クロード・C・ケニー
「だけどぼくは ここにいる」
地球人。前作のロニキスを父に、そして明確に表記されてはいないが、髪の色、体術、そっくりな勝ち台詞から察してイリアを母にもつ。
銀河連邦所属の頃から、射撃訓練よりも剣術に腕の覚えがあったらしく、この冒険にてそれが活かされた。
前記にもあるが、父ロニキスに対しては、ある種のコンプレックスはあったものの、尊敬を抱いていた。
だが物語の中盤、崩壊直前のエクスペルに戻るか、ロニキスの指揮する宇宙船カルナスに留まるかを選択するにあたり、
エクスペルの仲間達を残しておけない、と前者を選んだ事によって、結果的にロニキスとの繋がりを断ち切った。
戦闘中、必殺技・兜割り(高く飛翔し敵を頭上から攻撃する)を発動し、
そのまま大気圏を突破して戦闘から離脱したという報告は、数知れず。
なんやかんやでも宇宙への名残惜しさがあったからであろうか(そんなわけがない)。
- レナ・ランフォード
エクスペル人。本作のヒロインで、田舎の村アーリアに住む少女。
普段からおしゃれには気を使っているようで、三日月型の髪飾りや、青を強調とした服装も村の中では浮いている。
豊富な回復術を覚え、長い冒険の中でも重要なサポート役だが、拳にも自身があるようで装備武器種類はナックル。
杖とかではなくナックル。
エクスペル人、の筈ではあるが、治癒能力を宿していたり、耳の形状が他のエクスペル人と異なっていたりと、疑わしい点がある。
劇中でもその出生は敵からすら怪しがられ、レナ自身も母が実母でないと知った時から気にしていた。
全ては、物語後半のエナジーネーデで明らかになる。実は、単純に生年月日のみで換算すればン億17歳であることも。
レナと聞いて「ランフォード」を連想するか「竜宮」を連想するかで世代がわかる。
- セリーヌ・ジュレス
エクスペル人。クロードとレナが最初に出会う仲間候補。
美人だが所謂高飛車であり、言い寄って来た男を逆撫でにし、怒り迫ってきた処を得意の紋章術で返り討ちにしてしまうほど気が強い。
仲間にした場合は、一緒にいる期間が最も長いため、年上としてクロードとレナの気を使ってくれる描写も多い。
お嬢様な素行と口調ではあるが、彼女の実家自体はさして高い身分でもないので、勝気な性格から生じるものだと思われる。
大人な女性キャラとしては後述のオペラとやや被るが、セリーヌの方がまだ子供っぽさが抜け切れていない印象がある。
ブルースフィアにおいて、主に露出度が強化された。まだ脱ぎ足りなかったのか。
- アシュトン・アンカース
エクスペル人。序盤の特殊イベントで仲間になる。双剣使いの腕の立つ紋章剣士……であるのは確かなのだが、
如何せんイベントでの扱いや、台詞から伺える性格から、不憫なヘタレ青年として捉えられている。運の数値の低さにはステータスにも。
実際、彼に取り憑いた双龍の喧嘩に問答無用に巻き込まれるのが日常茶飯事だったり、プリシスにおもちゃにされたり、さんざである。
そんな彼に愛着を持つファンは多く、pixiv内でもレオンやプリシスに並んで人気があり、ネタ絵・単体絵と共に多い。
双剣装備で、2匹の龍を背負った井出達は、見得の効いた絵になるし、ネタにもなりやすい。
プリシスと初めて出会った時から彼女の事を気にしていたようで、初期感情度も一番高く設定されている。
樽と巫女さんとプリシスが好きなんだそうである。なんなんだ。
- プリシス・F・ノイマン
エクスペル人。リンガでのイベントで仲間に出来る少女(ボーマンと二者択一)。
父親と共に(何故か和風かぶれ)、日々様々な機械を生み出している特異な発明家で、他の村人には村八分にされているきらいがある。
彼女の自信作、自動サポートマシン「無人くん」は、エクスペルの文明からすればオーバーテクノロジーな代物だが、
それは彼女の発明センスが純粋に卓抜しているからであり、クロードが疑ったような余所からの介入者ではない。
天真爛漫で、それでいて困難にもめげずに立ち向かう健気な姿から、マスコット的ポジションで人気がある。
PSP版リメイクにおいて、声優が住友優子氏からツンデレロリ声でおなじみ釘宮理恵氏に交代されているが、
氏特有の幼い女子声ではなく、比較的少年声寄りの演じ方をしているので、プリシスのキャラを尊重させてくれている。
バトルにおいて、自動操作にした方が戦闘のカバーをしてくれやすいというのも、なんとなく彼女の賢さが表れていよう。
- ボーマン・ジーン
エクスペル人。リンガの薬剤師で、二十代後半の既婚者。プリシスとの二者択一で仲間に。
とある目的で接触すべき言語学者との仲介を頼むべく出会うのだが、「じゃ貴重な薬草採ってこい」と無茶振りを要求される。
望み通り未発見レベルの薬草を持ってくると、「まさか本当に採取するとは」と驚いた後、素直に学者を紹介してくれた。
パーティにプリシスがいない場合、そんなクロード達に興味を持ったのか、「こんなおっさんの頼みだが」と仲間入りを志願する。
プリシスがいた場合は、仲間にはならないがクロード達を一晩泊めた後「無事に帰ってこいよ」とまるで父親のように気を配った。
既婚者なので、どの女性キャラと好感度を上げていても、さすがに親密な関係になる事は無い。が、チサトはひょっとして……?
ブルースフィアにおいて、奥さんとの間に娘が誕生しており、なんとなし死亡フラグ臭が漂ったが、その心配は杞憂で済んだ。
- ディアス・フラック
エクスペル人。レナ編でのみ仲間に加わる。
かつてはアーリア村に住んでいたが、野盗に家族を殺されてから、己の心を他人から遠ざけ、強さを求めて村を出ていた。
レナの幼馴染で、剣術に長けるという立場上、クロードとはライバル関係にある。
最初はクロード側がディアスに対して一方的に意識していた節があったが、ディアスもクロードの実力を知る末に彼を好敵手と認めた。
そんな絵面とあってか、PSP版のOPアニメーションでは、2つ存在するバージョン両方共にやたら戦っている。
クールで無愛想な彼が、仲間と徐々にではあるが打ち解けていく情景はベタながらも心揺らぐ。
- レオン・D・S・ゲーステ
エクスペル人。クロード編でのみ仲間になる。
若きして……いや、幼きして天才的頭脳を発揮し、科学者である両親共に紋章兵器の研究に取組む少年。
当然であるが生意気盛りであるため、他の学者や兵からは陰ながら嫌がられている。
特徴だけを羅列するのであれば、ちっちゃい、短パン、ぶかぶか白衣、猫耳、生意気、そしてツンデレな男の子。
いろんなアレの集大成であり、彼のおかげでアレに目覚めたという方も多い。
えらそうに振舞う一方、チンケレンジャーというよくわからんヒーローショーを見入ってしまうなど、子供らしい一面も。
出会った頃は反抗的だったが、幾多の出来事を目にして年相応の感情を見せ、最後はクロードに懐く…という情景は、確かに心揺らぐ。
- オペラ・ベクトラ
テトラジェネス(作中でも明確な説明は無いが、恐らくテトラジェネシスの出身者をそう呼ぶと解釈)。
額に第三の眼が存在する種族で、地球もしくはそれ以上に進歩した文明をもっている。
恋人であるエルネストを捜し求めていた最中、惑星エクスペルに不時着。とある港町の酒場にてクロード達と出会う。
セリーヌ以上に大人の色気漂う女性で、近代的な銃を鈍器にして戦う。
年齢もあってか、彼女と好感度を上げた男性キャラクターには軒並み大人な関係を匂わすエンディングが用意されている。
- エルネスト・レヴィード
テトラジェネス。オペラが捜し求めていた恋人その人。
隠しキャラクター並みの仲間のし辛さ(フラグを3つほど立てねばならない)、主力にするには癖のある武器、
中年キャラは既にボーマンと被っている、恋人のオペラは他の男性と感情度を上げているパターンが多い、と影が薄い。
作中、大型のモンスター数体を単独で討伐したと思われる描写があるのだが、仲間に加えるとその強さは何処へやら。
不遇とまでは及ばないのだが、やっぱり影が薄い。
- ノエル・チャンドラー
ネーデ人。動物学者で、自身もフェルプールらしき特徴を備えている。
結論から言うと、ネタキャラである。
いらん時に攻撃術を唱える、レイズデッド(蘇生術)を覚えない、と戦力としても決定打がないに加え、
仲間にしない場合、洞窟内奥深くでぼっちにされるなど、作品内での扱いも優遇されてはいない。
よくわからない耳の位置や、公式イラストでのなんとも言えない渋い表情等は、度々笑いの種となっている。
しかし性格は温厚、憎めない人柄であり、動物を深く慈愛しているのには間違いない。
誰もが認める愛されキャラクター。
- チサト・マディソン
ネーデ人。エナジーネーデにある出版社の新聞記者。
いわゆる熱血記者気質で、定めたスクープを確保する為ならばどんな場所にでも駆け出す。
そんな仕事柄か護身術に優れており、スタンガンを常備、身体能力もクロードやディアスに負けずと劣らずである。
どういうコネがあってか、ネーデ防衛軍とも独自のホットラインを通じていて、通信一本で爆撃隊を出前させる。
破天荒な彼女に好感を抱いたファンは多く、pixiv内でも比較的人気がある。
- ウェルチ・ビンヤード
またお前かと言ってはならない。そーよ私よと返されるのがオチであるから。
例によって例の如くPSP版の追加キャラ。今回は「親方、空から女の子が!!」経由で仲間になる(本当)。
追加キャラなので、作中のイベントは登場時意外は殆ど無いものの、エンディングは他のキャラ同様に複数用意されている。
チサトと良いコンビになるエンディングがあるが、2人の性格からしてみれば至極納得、頷ける。
敵キャラクター
物語を通じて徐々に明らかになる敵の正体、神の十賢者。
彼等の討伐が最終目的になる。スターオーシャンシリーズ通して強大な存在であり、その存在はSO3でも語られている。
- メタトロン
騎士の様な井出たち。メタガードを纏い、あらゆる攻撃を防いでしまう。十賢者初戦の相手でもある。
- ジョフィエル
細身の体躯で、不気味に宙に浮く。発射する光線で多数のネーデ人を殺害した。
- ザフィケル
筋肉質の体型で、大型の剣を振るう。対十賢者のために特訓したクロード達の力を最初に思い知る。
- ラファエル
マントを羽織い、得体の知れない雰囲気を漂わせている。無言での攻撃法は不気味そのもの。
- カマエル
老人の姿をしている。ラファエル、サディケルとのフォーメーションで襲い掛かる。
- サディケル
十賢者最年少(外見的には)。おっさんもとい高齢者の多い十賢者の中ではわりに浮いた存在。
- ハニエル
近代的に見える装備品からして情報解析に長ける。ミカエルと合わせてトラウマコンビ。
- ミカエル
恐らく全SO2プレイヤーの心に残っているであろう敵キャラクター。詳しくは後述のおまけ参照。
- ルシフェル
ガブリエルの参謀。「亡びの風」は強力だが、先のコンビとの激戦の後だと対処法は頗る簡単。
- ガブリエル
十賢者のリーダー。ボスとしての強さは勿論だが、ルックス上、ルシフェルとの組み合わせはpixivでも度々取り上げられている。
おまけ
スピキュゥゥッル!! うぉをぉおっ!! あっちぃぃいぃ!!
SO2を1度でもクリアした者にとって忘れてはならない……いや、忘れられないのが、十賢者ミカエル・ハニエル戦。
既に6名の十賢者を討伐し、レベルもある程度鍛えたからと、余裕を持って戦いを挑むととんでもない目に遭う。
開戦早々、ミカエルの強力な火炎攻撃スピキュールが発動、大ダメージを与えられ、
すかさずハニエルのマインドブラストの閃光が画面内を走り、石化してしまった処に追い討ちのスピキュール。
為す術も無く、気付いた時にはクロード達の亡骸が転がっている……といった惨劇。
炎属性無効の装備品やバーニィシューズを活用すれば、勝機はあるのだが、事前情報を得ずにプレイすると大概上記の流れを体験する。
よって、ミカエルのスピキュール発動時の台詞「うおーっあっちー」はトラウマの代名詞として扱われ、
今でもSO2が関係していない動画やサイトなどで、ネタ素材として使用されていることも。
PSP版ではやや弱体したが、それでも初見キラーとしては十分な破壊力を誇り、声優東地宏樹氏の熱演もパワーアップしている。
嫌味ったらしくも聞こえる「骨まで焦がしてやるぜーっ うおーっあっちー」から、
無駄に熱血具合の増した「この俺様は強ぇーだろうがぁっ! うぉぉおぉをっ!! あっちぃいぃぃっ!!」へ。
どちらが好みかは、あなた次第。