人力車とは、人力を動力とする乗り物の一種である。
概要
椅子に大きな車輪を付けたような車両に、車両を引っ張るための梶棒(かじぼう)という持ち手が付いた乗り物。人力車を牽く職業を車夫と呼ぶ。
車両には乗客用の座席と、雨よけの幌(ホロ)がついており、天候を選ばず運行することが可能となっている。
人間が引っ張ることで動く乗り物で、発祥は中国とされ、その後16世紀までにヨーロッパに伝来し、その後18世紀後期のアメリカに渡って普及し、現在のかたちに改良が施されたという。
日本では明治初期に伝来し、それまでの駕籠に比べて運用が楽なことに加え、馬車よりも経費が安くて済むため、新たな運送サービス業として広く親しまれていくことになった。
現代でいうタクシー感覚の乗り物だったが、やはり現在のタクシーと同様に運賃は割と高く、頻繁に利用できる人間は限られていた。昭和に入ると、自転車で牽く輪タクや、自動車のタクシーにとってかわられていったが、現在でも奈良や京都、東京・浅草や各地の城下町などの観光都市などで、観光資源として運行がおこなわれており、一回およそ1500~3000円未満で乗ることができる。