ユーロスター
英仏海峡トンネルを通る高速鉄道で、ロンドン、フランスのパリ、リール、ベルギーのブリュッセルを結ぶ国際路線である。
尚、イギリスは出入国管理が原則不要となる「シェンゲン協定」に加盟してないため、乗車前に出入国手続きが必要になる。
使用車両
車両はフランスTGVをベースとし、3国に対応した電源装置とイギリス国内で必要になる第三軌条の集電装置を搭載したクラス373電車が使用される。カラーリングは3000~3200番台まで前面は黄色、側面は白色、窓まわりは黒色になり、3300番台はリース契約でグレート・ノース・イースタン鉄道のコーポレートカラー(側面がダークブラウン)に塗装された。
・3000番台 イギリス所属編成
・3100番台 ベルギー所属編成
・3200番台 フランス所属編成
通称「Three Capitals」。動力車2両+客車18両の20両編成。英仏海峡トンネルでの事故を想定して、中間の9号車・10号車で切り離せるようになっている。
・3300番台 イギリス所属編成
7編成存在する通称「North of London」。グレート・ノース・イースタン鉄道がリース契約した動力車2両+客車14両の16両編成。将来的にイングランド北部・スコットランド方面の乗り入れに備え、「WhiteRose」として5年間営業運転に使用された。
契約満了後は6編成がフランス国鉄に貸し出され、フランス国内線用のTGVとして現在も走行している。
もう一つのユーロスター
実は「ユーロスター」の名を冠した最初の列車は南の国、イタリアに存在した。
1994年、3国が国際路線を開業する2年前、イタリア国内の高速新線「ディレティッシマ」とそれに合わせた新型車両ETR500を使用し時速300km運転を計画した路線こそ本家「ユーロスター」だった。
しかし新在直通を考慮した結果、直流電化で建設されたことから高速運転に不向きなことが発覚。最終調整に時間がかかった結果、先に「ユーロスター」を名乗っていたイタリアが、後発の「ユーロスター」開業から1年遅れの1995年開業となってしまった。
名称についても案の定揉めてしまい、イタリアが「大文字表記+イタリア」を付記した「EUROSTAR ITARIA」とすることで決着した。(3国の方は小文字表記で「eurostar」になった。)