概要
この言葉が広まるようになったのは、1980年代前半にファミコンの大ヒットでゲーム専門誌が相次いで創刊され、目玉記事として裏技が扱われた事による。
これらの裏技はメーカーによって意図的に入れられたものや(隠しコマンド等)、メーカーが意図しない形でユーザーによって偶然発見されたもの(スーパーマリオの無限1UP等)があり、特に前者はゲームの開発中にデバッグや難易度調整などのテストプレイ用に用意したコマンドをマスター(製品出荷版)でも削除せずに残しているのが殆どである。
8bit機など家庭用ゲーム機のハードの性能が低かった当時は、通常のプログラミングでは不可能な特殊な効果を狙い、メーカーが意図的にゲーム機の仕様を無視してプログラムを組む例もあった。
同じ機種でも初期のロットでプレイすると動作が不安定になるなどの弊害もあったが、ゲームソフト開発者の熱意が生んだ、別の意味での“裏技”が存在していた時代があった。
ゲームバランスを根底から崩す無敵やラウンドセレクトはともかく、コンティニュー等の救済措置的な裏技は「裏技にする位なら最初から入れてくれよ・・・」という批判も多かったが、メーカーとしてはソフトの発売からある程度の期間が経過してプレイヤーが飽き始める頃に雑誌で裏技を公開して、注目を集める事で延命を図る効果を狙っており、メーカーからのリークである事を隠す為に裏技を見つけた読者からの投稿を装う事が多かった。
嘘の裏技
インターネットがなかった時代には嘘の裏技(所謂「ウソテク」)が多く広まる事もあった。現在ならばこの手の情報の真偽は即座にネットで確認出来るが、当時はそうした情報伝達手段が未発達な事もあり、学校や会社の外部へ情報が伝わるのに週間、月間単位で時間がかかるという背景もあった。
また、当時のゲーム誌ではこれを逆手にとってわざと嘘の裏技を掲載してそれを読者に当てさせる企画があり、スクウェア(現:スクウェアエニックス)の『水晶の龍』がこれで注目を浴びる事となる。
90年代末期に入ると、本体に別売りの機器を取り付けたりツールソフトを使って能力値などのパラーメーターを改変する所謂チート行為が流行するようになり、主にオンラインゲームでよく見られた。これは、クライアントにツールを組み込むのが比較的容易な事と、例え禁止行為であっても楽をしたいプレイヤーやRMT業者の存在が大きい。
先述のツールを使わずに物理的な手段を用いる方法しては、ファミコン本体を強引に操作してノイズを発生させたり、プレイステーションのゲームディスクをゲーム中に入れ替えて発生させるような裏技もあったが、これらの方法はゲーム機本体やソフトを故障させる原因にも繋がるので注意が必要である(これによって発生した故障は当然メーカーの保障外となる)。