非公式愛称はグラーチュ(ミヤマガラス)。
NATOコードネームはフロッグフット。
概要
アメリカのA-10のような機体の必要性を感じたソビエトが開発した攻撃機。
もとより音速を超えないような設計であり、主翼も直線に近い。
なお、A-10よりも小型だが、最大速度はこちらが上である。(最大950km/h)
広い主翼には多くのハードポイントがあり、A-10と同じく多くの兵装を吊架できる。
SPPU-22(23mm連装機関砲ポッド)やKh-31対艦ミサイルのような兵装も吊架できる。
機銃はGSh-30-2 30㎜機関砲だが、A-10に比べると弾数は少ない。(総弾数250発)
コクピットはチタンの装甲で守られており、これもA-10と同様である。
エンジンは内蔵燃料タンクを覆うように配置されているが、こちらは装甲されていない。
(エンジンも燃料タンク用装甲の一種とみなしているため)
アフガン侵攻では片方のエンジンに被弾し、
その破片が胴体(と燃料タンク)を貫通してもう片方のエンジンを破壊する事が多発したという。
対策としてエンジン間に装甲が追加され、さらにガス式の消火システム、フレアディスペンサーなどが追加され、以来撃墜される事は無くなったと言われている。
Su-25はトビリシ(現グルジア)で生産されていたが、
独立後もそのまま生産が続けられる事になっている。
皮肉にもグルジア独立紛争ではロシア・グルジア両軍が赤い星の付いたSu-25を投入し、お互いに空爆し合った。
もちろん、誤射も多発している。
Su-25は現在でもロシアの主力攻撃機(の一つ)であり、今後も運用が続くようだ。
HUDの搭載やミサイルの運用能力を持たせるなど、改良も進められている。
後継機となるSu-25TM(Su-39)が複座型からの派生という形で生まれている他にグルジアとイスラエルの企業により改修型であるSu-25KMが開発されている。
特色としては『小型で小回りもきく事』であるが、
これは『A-10よりも搭載量や航続距離で劣る』という事でもある。
結局「どちらを重視するか」という点についてはそれぞれの軍の重点項目によるものであり、
どちらかが優秀であるとは言い難い。
艦載型も存在しており、空母アドミラル・クズネツォフで運用もされていた。
Su-25はA-10と競作だったYA-9にそっくりだが、YA-9の方が先に開発されている。
ソビエトはチタン装甲の元祖
チタンは地殻付近で鉄の次に埋蔵量が多い金属であるが、
鉱脈になりにくく、加工も難しいので(比較的)最近まで利用されなかった。
また、冷戦期のチタン鉱脈の殆どは共産圏にあったので、ソビエトは積極的に利用した。
加工のし難い金属であった為、軽さを生かして装甲に活用されている。
(装甲版なら「ただの板切れ」でも利用できるため)
ここで蓄積されたノウハウはソ連崩壊の際に流出し、
現在では世界中でチタン製品を利用できるようになっている。
ちなみに、冷戦中にアメリカはダミー企業を介してソビエトから輸入し、軍事用に利用している。
(例:SR-71の部品など)
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