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ソ連政権末期に建造が開始された重航空巡洋艦。CTOL機が運用可能なため空母にカテゴライズされる事が多い。

艦名はソ連海軍元帥ニコライ・クズネツォフ提督にちなむ。

日語:アドミラル・クズネツォフ

英語:Admiral Kuznetsov

露語:Адмира́л Кузнецо́в

モスクワ級対潜巡洋艦キエフ級重航空巡洋艦の経験を経て建造された。ソ連崩壊のため2番艦ヴァリャーグは建造中に廃艦となり(後に中国に売却→遼寧として完成)、ソ連・ロシアを通じて唯一のCTOL機を運用可能な艦である。

スタンドオフ兵器の発達により搭載機に過大なペイロードは不要と判断され、CTOL機運用にカタパルトではなくスキージャンプを用いている。

甲板に長距離対艦巡航ミサイル「グラニート」の発射筒が12セルも埋め込まれており、この装備を理由にソ連・ロシア海軍ではアドミラル・クズネツォフの艦種を重航空巡洋艦に分類している。

諸元

基準排水量53,000t
全長281m
飛行甲板長304.5m
全幅38m
飛行甲板幅72m
機関出力200,000馬力
最高速力時速29ノット
乗員2,646名
兵装
  • 長距離対艦巡航ミサイル「グラニート」VLS×12
  • 個艦防空ミサイル「キンジャール」8連装回転式VLS×24
  • 近接防御システム「コールチク」×8
  • AK-630 30mmガトリング砲×6
  • 対潜・対魚雷防御ロケットシステム「UDAV-1」×2
艦載機
  • Su-33艦上戦闘機×12~15
  • Su-25UTG艦上練習機×3~5
  • Ka-27PL対潜ヘリ
  • Ka-27PS救難ヘリ
  • Ka-31早期警戒ヘリ
  • 計50機以上
レーダー
  • フェーズドアレイレーダー「マルス・パッサート」
  • 艦載3次元レーダー「フレガートMA」
ソナー
  • MG-342艦底装備式ソナー「オリオン」
  • MG-335曳航式ソナー「プラーチナ」

廃艦の危機

そもそもソ連末期の1985年建造のクズネツォフは老朽化が激しく、2016年には着艦しようとした艦載機がアレスティング・ワイヤーの破損などで海に墜落する事故が何度か起きていたり、同年のシリア政府軍支援の帰路の運河航行中に煙を激しく噴出し、空軍が緊急発進する事態に陥っているなど、問題がいくつも起きていた。

そして2018年10月、ロシア北西部の町・ムルマンスクで浮きドック入りし、懸案だったボイラーの交換・補修に加え、フライトデッキおよびハンガーの改良から指令機能の強化など大規模な改修作業に入ろうとした矢先、停電が発生し、70トン級のクレーン2基が落下し甲板を直撃。直径4.5メートルの穴が空いてしまったという。さらに停電の影響で使用していた浮きドック「PD-50」が水没してしまった。

沈没したPD-50の引き上げと修理は難しいと判断され、最終的にムルマンスクの第35艦船修理工場で元々予定されていた乾ドックの拡張工事を前倒しで行い、そこで改修を行う事となった。

2019年7月よりドックの近代化工事に着手し、工期は1年程とされている他、アドミラル・クズネツォフ自体も修理工場の艤装岸壁にて並行して改修作業を続けているらしい。

が、今度は12月9日に行った問題点の洗い出しの結果、さらに追加の作業が必要と判明し、直後の12日に溶接作業が原因とみられる火災が発生。約600平方メートルが延焼、死者行方不明者合わせて3名、5億ルーブルの被害が出た。

2022年やっとこさドック入りするも、2025年引き渡しになるかもしれないという話まで出ている始末。

2024年にはドックから出ているのが確認されているが、一方で多数の乗員が海軍歩兵としてウクライナ侵攻に投入されるとの報道もあった。実際は極一部の乗員だった模様だが、ただでさえ経済制裁も科された状況下で人員が取られたこともあり、結局引き渡されぬまま2025年を迎えてしまった。果たして同年中の引き渡しは間に合うのだろうか……?

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