概要
東方紅魔郷ステージ3ボス・紅美鈴と東方星蓮船ステージ5ボス・寅丸星のカップリング絵につけられるタグである。
「美鈴(めいりん)」と「寅丸(とらまる)」に由来。
カップリングとはいっても、現時点(2013年12月現在)では恋人同士のような百合な関係の絵はまだない。
二人のコンビタグとしての性質の方がより機能している。
「めーとら」における「龍と虎」
東方Projectでは、紅美鈴が被る帽子についたエンブレムには「龍」の文字が描かれており、さらに二次創作などでは龍属性を持つキャラ(龍美鈴)として描かれることもある。
また寅丸星は元は虎の姿をした妖怪であり、名前やスペルカード名にもその名残がある。
これらのことから、東方における「龍虎」の関係を持つ二人としてこの二人のペア絵が描かれることもあり、「めーとら」は東方Projectにおける「龍と虎」を表現するものでもある。それらの作品につけられるタグとしても「めーとら」は用いられているのである。
「龍虎」
「龍虎」とは、強大な力を持ちなおかつ力量の伯仲した強者同士を例える語でもあり、「竜虎相摶つ」あるいは「竜騰虎闘(りゅうとうことう)」「竜攘虎摶(りゅうじょうこはく)などといえば、そのような強豪同士が相対し、力を尽くして激しく戦うことを指す。
また、この二者を用いた語として「雲は竜に従い風は虎に従う」があるが、ここでは竜と虎は名君を表し、雲や風は名臣を指す。雲は竜に属し、風は虎に属することを意味しており、雲が竜に従うように、あるいは風が虎に従うように、名君には名臣が現れるのだとする例えである。
ここでも、龍と虎はそれぞれ互角に並び立つものとして用いられている。
また古代中国における四神(四獣)では龍(青龍)は東、虎(白虎)は西と、それぞれ対極に配置される存在であり、龍虎図においても両者は対応するものとして描かれる。
日本においてもこの両者は絵画などでモチーフとして用いられ、狩野山楽(狩野派)による「龍虎図屏風」(重要文化財)や橋本雅邦による「龍虎図屏風」(明治時代の美術品としては初めて重要文化財に指定)、長谷川等伯による「龍虎屏風図」など、壮大なスケールでこの両者の力強くも幽玄な姿が描かれている。
ゲームでは龍虎の拳等の形で、その両雄関係が用いられることもある。
「龍と虎」は、このように過去から現在に至るまで創作者たちに力強くインスピレーションを与えており、「めーとら」に「龍と虎」を見る時もまた、その広大な潮流を感じる事となるのである。
「龍虎」とめーとらのふたり
一方で本項目における当の本人たちである紅美鈴と寅丸星は、前述のように「龍と虎」という勇猛な関係を思わせる両者でありながら、前者は門番(兼花壇管理人)、後者は毘沙門天代行と、蛮勇さを伺わせる要素はあまりない。『東方求聞史紀』や『東方求聞口授』等の記述においても、稗田阿求による危険度評価は両者とも「低」である。それぞれ「異常に人間くさい」、「性格は温厚」と評されており、性格からして積極的な闘争性とは距離があるようである。
しかし、「龍と虎」は常に牙をむき出しにしていることはない。
両者とも守るもの(紅魔館/命蓮寺)があり、尊する者(レミリア・スカーレット/聖白蓮)がおり、結びついた仲間たち(十六夜咲夜他/ナズーリン他)がいる。
幻想郷の「龍と虎」は、平素は穏やかに過ごしつつ愛されつつも、大切なそれらが侵されるようであるならば、潜めた力を存分に奮い、全力で立ち向かう存在なのである。
…というのは少し言い過ぎだろうか?
ところで、二次創作でイジられキャラとしてもこの二人はそれぞれ大活躍であることも追記しておきたい。
いずれにせよ、この二人のカップリングやコンビには今後も期待大である。