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F-16

えふじゅうろく

アメリカのジェネラル・ダイナミクス社が開発した第4世代ジェット戦闘機。愛称はファイティング・ファルコン。
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米国製のジェット戦闘機・F-16の作品に付けられるタグである。
費用対効果の高さが売り「だった」。

F-16について~開発~

ジョン・ボイドとF-Xプロジェクト

「戦闘機乗りのいいなりにヒコーキを造るとひどい事になる。彼らはクルクル回り過ぎてクルクルクルパーになっているからだ」

宮崎駿がこう述回したように、戦闘機パイロットはしばしば格闘戦に対して頑迷である。
1972年、7年に及ぶF-X計画のの結実としてF-15が初飛行したとき、計画関係者の一人、ジョン・ボイド大佐はこの飛行機に大きな不満を抱いていた。

空中戦理論の第一人者としてベトナムの地からこの計画のために呼び戻された彼は
F-4ですら重過ぎると考える」頑迷な戦闘機乗りであり、F-Xについても「昼間のドッグファイトに特化した軽量戦闘機を作るべし」といった主張を行っていた。

当時としてもアナクロ(=懐古主義)な主張はそのまま通る筈も無く、しかし戦術空軍上層部との激論の末、強力なレーダーと視程外交戦能力を有する新型戦闘機には、優れた敏捷性を実現するための高い推重力比と低い翼面過重が与えられる事になった。が、F-100のような格闘戦戦闘機を望んでいたボイドには到底納得できるものではなかった。

LWFからACFへ

そこでボイドらファイター・マフィアの面々はこれにもめげず、「こんな高い飛行機、数揃えれるわけねーお!。軽量戦闘機で補完するんだお!!」との主張を展開。

この動きは当然、上層部のF-15推進派にはウザがられたが、
・時には上層部の使い走りで説教に現れた大佐を教化して味方に引き入れ、
・または背広組のアナリストをも仲間に引き込み、
彼等「戦闘機マフィア」は、ペンタゴンの地下で着実に勢力を増していった。

こうした動向はロッキード先進技術開発室「スカンクワークス」の初代ボス、ケリー・ジョンソンの嗅ぎ付ける所ともなり、彼はこれをCL-1200「ランサー」(F-104を基にした新型戦闘機)を売りつける好機とみて根回しに動いた。これらの結果、『米空軍での採用を前提とはしない研究計画』との扱いではあったが、72年にLWF(軽量戦闘機)の提案要求(RFP)が提示される。

マクナマラ国防長官の時代に廃れながらもA-X計画で復活をみた、2案を選んでの競争試作を行う「フライ・ビフォア・バイ方式」は本計画でも取り入れられ、現在までアメリカ軍における新型機選定手法のスタンダードとなっている。そして当のケリー親父であるが、RFPが気に喰わんといって勝手な設計をしてのけた挙句早々に脱落。

残る4案の中から、
・ハリー・ヒラカー率いるGDチームの提示する「モデル700」
・リー・ビーンのノースロップ案「P530」
が一騎打ちを行うべく選定され、前者はYF-16、後者にはYF-17として発注が行われた。

『戦闘機の調達を安いものに切り替えたからといって、戦闘機の定数を増やしてもらえるわけではない』ということで、戦術空軍の将軍たちはなおF-15に固執し、軽量戦闘機の意義に懐疑的であったが、『同じ揃えるのなら、安いほうがいいじゃない』という議会の圧力もあり、LWF計画は米空軍での採用を前提とし、限定的な対地攻撃能力を持つACF(空戦戦闘機)計画として軌道修正された。

またベルギーデンマークオランダノルウェーの4ヶ国共同でのF-104更新計画において、ミラージュF1サーブ37「ビゲン」とともにACF計画の候補機とされたが、これについて官民一体の強力な売込みが各国と各メーカーによって展開され、場外乱闘に発展することとなる。

「F-16」

YF-16とYF-17、この両機種は1974年のうちに初飛行に成功する。
比較飛行審査での評価を列記すれば、
・YF-17が低速域での運動性と離着陸性能に優れる
・YF-16は遷音速域での性能と加速性に優れる

両者の間の最も大きな違いは、YF-16が大型のF100エンジン単発であったのに対し、YF-17が小型のYJ101エンジン双発であった事であろう。

そしてこれが結果的に採用の決め手となったとも言える。まず単発機は多発機に比較して燃費効率に優れることから航続性能でYF-16に分があり、これは機体規模の限られるACFにおいて有利に働いた。またエンジンは高価な部品であり、単発機は多発機に比べてコストで有利に働くという常識はこの計画にも適用された。

そしてYF-17のYJ101エンジンが新規開発のものであり、開発コストの投資を要したのに対し、F-15用として完成されていたF100をパワープラントとするYF-16にはそうした投資は必要とされず、付け加えればF-15のコストダウンにすら寄与出来た。

かくして1975年、ACFの勝者はF-16と発表された。
その一方、敗者となったYF-17は艦載機としての適合性が海軍に評価され、のちにF/A-18として改良され、正式に配備される事となった。

余談ながら、2015年2月オクラホマ州空軍第138戦闘航空団第125戦闘飛行隊のF-16が訓練中に接触事故により右主翼の半分を失うも100マイル先の基地に帰還することに成功した。
衝突したもう一機のF-16は右水平尾翼を失い墜落、パイロットは脱出に成功している。

生産各型

アメリカ空軍向け

F-16A/B ブロック1/5/10/15/20:

F-16A“Hvit Lyn”/331 skv、RNAF


通常の空戦仕様。アップデートが繰り返され、ブロックの番号で分類されている。
A/Bとあるのは単座/複座と言う意味。のちのC/Dも同様。

ブロック1/5/10

初期型。
ブロック1は機種が黒かったが、目立ってしまうとの指摘があったためにグレーに差し替えられたのがブロック5。ブロック10は5とほぼ同じ。

ブロック15

本格的な改修が始まったバージョンで、これ以降多段階能力向上(略:MSIP)という規則でブロックが分けられている。アビオニクス(電子機器)の性能が向上し、水平尾翼も大型化。のちにエンジンの換装やECMポッドの搭載、一部対艦・対地ミサイルの運用能力などが付加され、全体的なアップグレードが図られている。

F-16A/B ADF

F-106に引き続く州軍向けのADF(AirDefenseFighter):防空戦闘機で、F-20を破ってA/B型を基にしたADFが採用された。州空軍で運用する自主防空用の機で、レーダーFCSを換装してAIM-7「スパロー」運用能力を備えた。A/B型を基にしたとおり空戦重視の仕様で、この機に慣れたパイロットにとって国軍仕様のC型の運動性は「まるでブタ同然」なのだとか。

このF-16は改修を施すごとに戦闘力が上がり、その改修をあと5回残している。この意味がわかるな?

F-16C/D

ブロック25

MSIP第二段階。レーダーの強化、対地ミサイル、対空中距離ミサイルの運用能力が向上し、電子機器も対地能力強化が図られている。

これ以降、「ブロックxy」という表記においてxが改修の段階を、yがエンジンのメーカーを示すようになった。

ブロック30/32

30型はエンジンをF-15Eと同じ新型に強化し、エアインテークの大型化も加えられている。一方32型はそのまま。共通して対レーダーミサイル(相手のレーダーの電磁波を誘導に利用するミサイル)の運用が可能となっている。

F-16CG/DG(ブロック40/42)

Gは「夜間戦闘型」の意味。別名ナイトファルコン。
夜間戦闘用にF-16とF-15のために開発された専用ポッド「LANTIRN(ランターン)」で暗い夜空も安心。もちろん実際にはランタンのように照らし出すわけではなく、航法システム(操縦補助機能)と赤外線センサなどの複合システムが詰め込まれている。

F-16CJ/DJ(ブロック50/52)

Jは制空任務型の意味。
電子機器の強化(=機材が増える)、大型化によって増加した重量を補うためにエンジンを強化したモデル。今回は0型、2型どちらも更新が図られ、エアインテークも大型に統一されている。電子戦能力も強化、チャフ・フレアの搭載、GPS誘導兵器の運用能力追加によってハープーン対艦ミサイルなどが使えるようになり、総合的に性能向上が図られている。
ただしLANTIRNは使えない。

F-16CJ Fighting Falcon



F-16C/D CCIP(ブロック50D/52D)

G(夜戦)/J(制空)で分化していた規格を統合して、よりパイロットに扱いやすく、メンテナンスをしやすくしたタイプ。後にCJ/CJもこちらに改修。
対レーダーミサイル運用能力も追加され、ワイルド・ウィーゼルにも採用された。

輸出向け・その他など

F-16N/TF-16N(アメリカ海軍向け)

海軍向けに貸与されている空戦訓練用の機体で、ブロック30/32がベースとなっている。
NFWSにてF/A-18ともども運用中。

F-16A/B OCU

作戦能力向上機。F-16A/Bブロック15を改修し、C/Dに準ずる仕様となっている。

F-16AM/BM

F-16A/B MLU

寿命中期近代化。NATO諸国に輸出したA/Bブロック15をブロック50/52相当に改修したもの。

F-16B「ワイルド・ウィーゼル」

ゼネラルダイナミクスが独自に企画したSEAD(敵防空網制圧)任務機。後席はもちろん爆撃手(フライトオフィサ)が搭乗する。主翼両端の兵装ステーションに電子戦ポッドを搭載している。

F-16C「バラク」/-D「ブラキート」

イスラエルのBlock30/40の独自改修機。ブラキートはSEAD(敵防空網制圧)任務用に追加した電子機器を納めるためのドーサルスパイン(背部収容部)が新設されている。

F-16I「スーファ」

F-16i sufa


「バラク」「ブラキート」に引き続く、イスラエル空軍向けF-16の最新型。
前述のドーサルスパインに加え、コンフォーマルタンクを備えて燃料搭載を拡大して、さらに装備を充実させた。E/F型などと同じく、これで特徴的だった胴体断面は角ばったものになり、一見ではまるでF-5に先祖返りしたように見えるのがおもしろい。

F-16E/F「デザートファルコン」

UAEの資金提供で造られた、米国内のCCIPモデルをも上回る能力のF-16最新型で、運用している国もUAEのみ。センサー、レーダー、エンジンなど総合的な強化が図られている。

F-16U

ブロック60とも。
胴体上面にCFTを取り付け、機首にFLIR(赤外線前方監視装置)を取り付けたもの。

F-16XL

胴体を延長し、主翼をクランクト・アロー・デルタ翼(ダブルデルタの一種)に変更し、兵装搭載量を大幅に増やした戦闘爆撃機型。F-111の後継機として開発されているも計画は中止、その後にETF(Enhanced Tactical Fighter:強化型戦術戦闘機)計画に参加したが、F-15Eに敗れて採用されず、NASAで研究に使用された。

GF-16

ブロック10をベースにアメリカ空軍の地上訓練用に改造(というか耐用期間を過ぎて飛べなくなった機の流用)したもので、G:Permanently Grounded(永久に飛行しない)の接頭記号のとおりに飛行機能を除去したもの。

A-16

F-16A/Bブロック10をベースにGPU-5/Aガンポッド等を搭載した攻撃機型。低空・低速に向かない機体特性のせいで、低空を滞空して地上部隊に直協するA-10の代用とはならず、しかもCAS専用にしては高価(当時)であり、そんなF-16で行えるようなCAS任務であればF-16C/Dブロック40でも十分な性能を持っていることから計画は中止。

F-16V

近年(2012年)に発表されたF-16の最新強化「案」。
最新型のE/F型に匹敵するとされる性能向上だったり、第5世代戦闘機(F-22,F-35)らとの相互運用能力といった強化が計画されている。VはF-16の非公式名称の「バイパー」からきている。

QF-16

開発中の無人標的機。QF-100などに引き続き、実射訓練の標的役。

実験機ほか

YF-16 CCV

インテーク下部にカナードをつけたCCV実験機。YF-16から塗装そのままに改造されたため、非常に派手。

F-16 AFTI

CCVをより実践的に運用するための研究機。電子機器を納めるドーサルスパインとかなー度が追加されている

F-16 VISTA

他の航空機の飛行特性を模倣できる可変安定性飛行試験機。

F-16 MATV

VISTAに3次元推力偏向ノズルを搭載した実験機。

F-16 STOL

2次元排気ノズル搭載の短距離離着陸開発実験機。計画のみ。

F-16 LOAN

F-35向けのステルス性を持つエンジンノズルを搭載した低被発見性非対称排気口実験機。

F-16 DSinlet

F-35用の新型DSIエアインテイク開発機。

F-16 SFW

前進翼研究機として提案されたものの、グラマン案に敗れて実機が製造されることは無かった。

F-16X

F-16の発展型案の一つで、F-22の主翼を取り付けたもの。

関連タグ

戦闘機/アメリカ空軍/イスラエル
F/A-18:海軍で採用された元ライバル。海外輸出でも良き競争相手である。
F-2:日本で魔改造された、もはやF-16のような「ナニモノカ」。
F-CK-1:台湾で開発された、F-16などに影響を受けた国産戦闘機。

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