あらすじ
「光の勇者」と「闇の魔王」の死闘が繰り返される世界で、復活した魔王が「敵であるところの人間を知る」ために攫ってきた人間の女性と共に世界征服を計画する。しかし、女性は前職、「国王秘書」としての経験や手腕を遺憾なく振るい、魔王すら恐怖を覚えるほどの侵略計画を練り上げていく。
主人公
秘書
人間、女性。某先進国の国王秘書。自身を誘拐せんと侵入した魔物や、闇の魔王を前にしても臆さない芯の太さと、魔王軍すらおびえるほどの作戦や、「最悪、魔王がいなくても回る」ほど完成された魔物達の組織改編に取り組む。
と、言えば聞こえはいいが、彼女の作戦は非常に効率的だが、合理的ではない面がある。
目的達成の為ならば、人材の消耗自体は意に介さないブラック上司な面があり、そもそも自分の生存の為に世界征服に加担したのに、バイオ兵器で人類の抹殺に躊躇がない(どれだけ使用に注意を払おうとどこからか感染して人間である秘書の寿命を縮める等のリスクが生じる)など、目的達成のみを重点に置いて、長期的なリスクには目が向いてない節がある。
但し、魔物たちには能力以上の成果を求めたり、不向きな事を任せたりしない上、魔物への待遇や配慮、周囲が問題点を指摘すれば早急に改善に至るので、それほどマイナスではない。
逆に言えば、長期的な視野を持った存在が脇にいないと危うい存在である。実は秘書は孤児で名前はなく、役目を果たす事でしか生きる術を持たない事が示唆されており、彼女の機械的で破綻を孕んだ極端さはこれに由来すると思われる。
魔王
魔族、おそらく男性。光の勇者と対をなし、勇者誕生と同時に復活する(一度復活しかけたものの、今回は10年二度寝を決め込んでおり、勇者の成長を許している。)よくあるRPGの悪の親玉であり、勇者や冒険者と敵対するが、秘書によりたびたび威厳が傷ついたり、言いくるめられては拗ねる人間味ある一面も。