あらすじ
ある日、一人の少女が戦国時代へタイムスリップした。
それこそ神の気まぐれ、悪魔の退屈しのぎといえるほど唐突に。
少女は世界を変える力を持っているわけではない。
どこにでもいるごく普通の、そして平凡で地味な少女だった。
そんな少女が出来る事は一つだけしかない。
戦国時代を生き抜く――――それだけだ。
概要
現在でごく普通の日常生活を送っていたら突如戦国時代にタイムスリップしてしまった少女 綾小路静子が現在(未来)で培った知識を生かして戦国の世を駆け巡る話。
作者名は夾竹桃(きょうちくとう)。
登場人物
- 綾小路静子
本作の主人公。
名前の読みは「せいこ」ではなく「しずこ」。
元々は現在日本で農業系の高校に通っていたごく普通の女子高生だったのだが、ある日突然戦国時代にタイムスリップしてしまった苦労人。戦国の世で生き残るために未来知識を生かして立ち回りながら主君な覇業を支えている。農業のみならず歴史にも詳しく、親戚や姉から色々と教わっている影響で狩りや戦争の知識もある。
- 織田信長
言わずと知れた日本を代表する偉人 織田信長その人。
静子がタイムスリップした直後に落ち武者に襲われそうになっていたところを助けた後、静子に興味を抱き静子を家臣として迎え入れた人物。本作では残虐な魔王ではなく合理的な為政者として書かれており、荒っぽい所もあるが使えるのならば女子でも重用する懐の広い人物。
- 彩
信長の命令で静子の小間使いを務めている少女。
非常に冷静沈着な性格をしておりめったなことでは驚かず無感情的ではあったが、優しくて破天荒かつ感情豊かな静子に付き合うにつれて心を開いていく。
- 勝蔵
静子の馬廻衆(武将の護衛などを務める武士達)に選ばれた子供。
その正体は信長の重臣である森可成の息子(次男)森長可。かの有名な森蘭丸の兄。
非常に血の気が多く単純な性格をしており、女子であることを理由に静子の事を気に入らなかったりと良くも悪くも当時の人間らしい感性の持ち主。しかし、寝ながら腕ひしぎ十字固めを極められた一件と合理的で無駄のない教育で静子を見直し姉弟のような良い関係を築く。
- 足満
静子の家に住んでいる静子の家族。
元々は刀を持った状態で道で生き倒れている所を静子の家族が拾ったのだが、記憶喪失なうえ運び先の医者が警察嫌いだったので静子の家に引き取られた。そのため血の繋がりは無い。辛うじて覚えていたのが「足」と「満」の二字だけだったので足満と名乗っている。彼もまた静子と同様に現在から戦国の世にタイムスリップしてしまい、各地を放浪していたら史実とは異なる織田の快進撃で静子が織田にいることを知る。