「抜け出したいのなら目を覚ませ、小娘」
「……早く帰って来い、馬鹿者」
「今もまだ、愛してる」
プロフィール
概要
シニガミレコードにて初登場した少女。
メデューサの女性で蛇の髪が生えており、その1匹1匹に「目にまつわる能力」を持っている。
それら全ての蛇の能力によって「カゲロウデイズ」を創り出した張本人でもある。
外見はかなり小柄な少女で身長も現在のマリー以下。完全な不老不死の為肉体が成長することもない。
長い黒髪に紛れて黒い蛇が混じり、顔には両頬の付近に蛇の鱗らしきものがある。
不老不死のため、人間に対して 「簡単に死んでしまう、つまらない生き物だ。」と思っていたが、
ある時人間から恐れられていた自分に 初めて好意を持った青年ツキヒコと恋に落ち、家族を作る。
人間よりも寿命が長く、一人きりになることを恐れた薊は力を使い 「終わらないセカイ」を創り、その中で家族と共に永遠に暮らそうとするが…
ロスタイムメモリーの描写から、現在もカゲロウデイズ内で物語の行く末を見つめていると思われる。
人物
娘、孫と同じく相手を石に変える「目を合わせる」能力を蛇の能力とは別に最初から持っており、
マリーの様に一時的にではなく相手を完全に石に変えることが出来、シオンの様に能力による反動もない。
そして、全ての蛇を統括しカゲロウデイズを管理する「目を合体させる(あわせる)」蛇を持っていた。
カゲロウプロジェクトにおける物語の根幹として関わる「終わらないセカイ」を生み出した原因とあって
初登場当初の頃は物語における重要人物という認識はもちろん、
メカクシ団のカゲロウデイズ攻略におけるラスボス候補という説も上がっていた。
しかし、後に発売されたメカクシティレコーズのブックレットにて本当の黒幕が判明し、
続く小説4巻にて明かされた凄惨な生き様から、彼女もまた
カゲロウデイズにおける被害者の一人といえる存在として再認識されるようになった。
加えて小説での予想以上に見事なツンデレっぷりと泣き虫っぷりから色々な意味でも再認識されている。
他の生物や人間に対しては基本的に冷めた感情をしているが、
驚いたり困ったりしてる時は普通にリアクションし性格自体もかなり人間じみている。
泣くことに関して言えば大半が涙するに十分な悲壮な理由があるのだが、それ抜きにしても
痛くても泣き、辛くても泣き、疲れても泣き、安心しても泣き、嬉しくても泣き、寂しくても泣き、
とにかくよく泣いている印象が強く、孫とはまた違った意味で守ってあげたくなる感が凄い。
というより孫の泣き虫っぷりも彼女の遺伝じゃないんだろうか。
数々の能力を持っているが、身体能力はかなりの貧弱で本人も「物理だと幼子にも負ける」と自負する。
かつて世界中を旅していた際も自身の脆弱さには苦労しており、
不死身の体と気合と根性だけで毎回何とか乗り切っていた。
過去(ネタバレ注意)
元々からメデューサという存在だったわけではなく、
人類が誕生する遥か以前、地球上に生命そのものが誕生した太古の時代から既に存在し、
生物の進化と衰退、誕生と絶滅を幾度も見つめひたすらに観察し続ける超常の存在だった。
観察している自身を他の生物が認識することもなかったため、
この時点では姿形どころか実体さえ持たない意識だけの存在だっと思われる。
ある時、他の生物を観察し続けていた際にふと自分自身が何であるかという疑問を持ち、
長い年月をかけて辿れる限りの記憶を辿り自身の正体について検証するが、結局わからずじまいとなる。
そのまま放浪を続けていた時、ある洞窟内の湖の水面に自分の影が映りこんでいるのに気付く。
ここでようやく実体を得たと思われる。
ただしこの時点では黒い影の塊のような姿で、手足や頭さえ無く生物らしさは欠片も無い。
水面に映る自分をさらに観察し、「もっと生物らしい判断材料はないのか」と考えていたところに唐突に「目」が追加され、少しずつ生物に近い姿へと変わり始めた。
(自分の形を考えていた時点で「目が醒める」能力が生まれ、体を造り始めていたのではと推測される)
その時、洞窟にやってきた人間に遭遇し、異形の怪物として殺されかける。
(少なくとも既に植物繊維から洋服を作れるだけの文明は持っていたことと、石器などの道具ではなく、火で攻撃してきたため旧石器時代よりも前だと思われる。)
洞窟内に住んでいた蛇の群れ(ここではあくまで動物としての蛇)に人間を追い払われて助かり、
再び水面に自分を映し出すと現在の蛇の髪を持つ少女の姿となっていた。
体の造り初めの段階で人間→蛇という順序で出会った為、それぞれの特徴が合わさり結果的にメデューサの形になったと考察されている。
蛇との会話も自由にできていた為「目を盗む」能力もこの頃からあったと思われる。
その後自分の正体を探る為に積極的に人間に干渉していくが、出会う人間が悉く人外の自分を畏怖し、
または好奇の目で見世物として晒し者にして利用するなど碌な扱いをせず、成果も得られなかった。
最終的に人間に失望し、自分自身の答えを見つける事は不可能と結論付け、
今後一切人間に関わらず誰にも邪魔されず一人で暮らすことを決める。
「目を奪う」能力であえて注目を自分に向けることで逆に最も人目に付かない場所を探り当てるが、
そこに向かい最中を偶然ツキヒコが目撃し着いてきてしまう。
追い払うために材料も機材もない素人のツキヒコに「此処に家一軒を一から造れ」と無理難題を言うが、
彼女に一目惚れをしていたツキヒコも一歩も引かずに快諾し、
逃げ出さないよう監視も含めて二人の同棲に近い生活が始まった。
当初は自分に尽くすツキヒコの事を理解出来ずにいたが、無意識ながらも少しずつ気にかけていく。
そしてツキヒコが食料を取りに留守にしていた際に遂にツキヒコの自分への想いが純粋な「好意」だと気付き、
いままで自分に向けられた笑顔や言葉の意味を全て理解してその場で延々と悶え転げた。
その後ツキヒコが村で迫害を受けている事実を知り、出会った当初の
「家が完成したら消えろ」という約束も忘れ、村に戻らずにずっと此処にいろと言ってしまう。
しかし、ツキヒコが約束は決して破らないと考えていた為に、
自分でも自覚した彼への想いを隠し、再び一人になる孤独を決め撤回した。が……
「 僕の嫁になってくれないか 」
「 ……はい 」
「 ごめん。約束、破ってしまったね 」
「 …馬鹿 」
結果的に、家が完成するまでの関係という約束は双方で破り、晴れて夫婦として結ばれた。
その後、出会いから1072日(およそ3年)の時間をかけ無事家も完成した。
その際に家の軒下に咲いていた一輪の花から、彼女の名が決まったと思われる。
娘であるシオンも授かり、家族への愛情の心から「目をかける」蛇の力も生まれ、幸せな日々を過ごした。
しかし、ある日から不死である自分と寿命のあるツキヒコとの、いずれ必ず来る別れを考えるようになる。
掛け替えのない大切なものを得たが故に、それを失う恐怖をどれだけ頭で納得しようとしても出来ず、
再び孤独となる不安に泣き付かれていたその時、「目が覚める」蛇により感じるはずの無い眠気を感じ、
初めて見た『夢』の中に現れた「目が冴える」蛇に「終わらないセカイを作れば良い」と助言を受ける。
幸せな日々を手放したくない一心でその言葉に従い、全ての蛇の力を使いカゲロウデイズを創造した。
そこで永遠に家族と暮らそうとしたが、その直前に村人たちの襲撃を受けてしまう。
この事で自分の存在自体が家族を不幸にすると考えるようになってしまい、
カゲロウデイズには自分だけが入り、永遠に独りで生きる道を選んだ。
そしてある年の8月15日。マリーが人間に襲われ、
助けようとしたシオンが能力の反動で死んでしまい、マリーも一歩間に合わず撲殺される。
このあまりに悲惨な出来事に耐え切れなかった彼女は二人をカゲロウデイズに引き込み、
能力の蛇を命の代わりに与えようとしたが、命として適合出来たのが全ての蛇を統括し、カゲロウデイズを管理する為の力でもある「目を合体させる」蛇だけだった。
それをマリーに与えたことでマリーは蘇生したが、カゲロウデイズの管理能力も失われた為、
「8月15日に死んだ魂を引き込む」というカゲロウデイズの特性を変更することも出来なくなり、
結果、メカクシ団のメンバーがカゲロウデイズに関わる原因となってしまった。
記事名について
記事名をカタカナにしたのは、他のカゲロウプロジェクトのキャラクターの記事名がほとんどカタカナであることと、ただ単に「薊」や「アザミ」としてしまうとそのタグをつけたイラストはカゲロウプロジェクトとは関係の無い「薊」や「アザミ」のイラストと競合してしまい、互いにイラスト検索がしにくくなる恐れがあるからである。
「マリー(カゲロウプロジェクト)」や、「シオン(カゲロウプロジェクト)」の例があるように、アザミのイラストはこれから増えていくので、こちらの記事名をイラストタグとして利用していただくことを推薦したい。
関連イラスト
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じん(自然の敵P) カゲロウプロジェクト カゲロウプロジェクトの登場人物一覧
ツキヒコ シオン(カゲロウプロジェクト) マリー(カゲロウプロジェクト)