曖昧さ回避
1.ヘブライ人や、その末裔であるユダヤ人の人名。現代ヘブライ語では「イェフダー」。英語では「ジューダス」。
同名の人間は多数いるため、以下に有名どころを挙げる。
(1-1)ヤコブ(イスラエル)の子ユダ。十二支族の中でも有力な部族であるユダ支族の開祖で、ダビデ王やソロモン王の先祖とされる人物。
(1-2)ユダ・マカバイ。ユダヤ人がギリシア人の王(セレウコス朝シリア)による宗教弾圧に対して戦ったマカベア戦争の指揮者。
(1-3)ヤコブの子ユダ。別名タダイ。イエス(キリスト)の使徒達(十二使徒)の一人。イエスの親族。イスカリオテのユダの最大の被害者の一人。
(1-4)イスカリオテのユダ。イエスの使徒達の一人。
(1-5)イエスの使徒達の一人であるトマス(“双子”)の、推定される本名。
(1-6)新約聖書の「ユダの手紙」の著者。「イエスの兄弟ヤコブ」の兄弟だというが、詳細は不明。
3.『聖☆おにいさん』の登場人物。モデルはイスカリオテのユダ。→ユダ(聖☆おにいさん)
本項では主に、イスカリオテのユダについて記述する。
イスカリオテのユダ
新約聖書に現れる、イエス・キリストの弟子(十二使徒)の一人。
イエスを裏切ったとされているため、裏切り者の代名詞となった。イエスを銀貨30枚で売ったとされる。反ローマ帝国過激派の「熱心党」のシンパで、過激な政治活動と一線を画していたイエスの行動に絶望したためだったという説もあるが、この後で首を吊ってしまったため真相は藪の中である。
もっとも、ペトロだって、イエスとの関係を追求されて「イエスの事なんか知りません」と言い張ってしまったので、あまり偉そうな事を言える立場ではない。
また、グノーシス主義による「ユダの福音書」は、「イスカリオテのユダはイエスに主導され「裏切り」(昇天の契機としての)に至った」という論を立てており、一部研究者の間では「イエスが完全な神になるには一度死んで復活せねばならないために、彼は裏切ったのだ」という意見もある。
前述の通り、ユダ(タダイ)や「ユダの手紙」の著者とは別人である。
関連イラスト
先生と。
タイトルに「St.」と付いているので、恐らくは別名タダイの方。