概要
正式タイトルは『魔導物語A・R・S』。「エーアールエス」とも「アース」とも読み、どちらも正解なようだ。
株式会社コンパイルが1993年に発売したPC-9801向けRPG。
「魔導物語」シリーズとしては5作目となり、ストーリーとしては『魔導物語1-2-3』以来の完全新作。
タイトルは、主人公キャラクターであるアルル・ナジャ(A),ルルー(R),シェゾ・ウィグィィ(S)三者の頭文字を併記したものである。
(参考文献:「魔導物語ファンブック イラストレーション&アザーズ」(1999))
時系列上は『1-2-3』の各エピソードよりも前になり、ARSの頭文字を持つ主人公3人の過去のエピソードをプレイすることになる。
- アルル編(4歳):『魔導物語Ⅰ』より2年前、幼稚園に通うより前の幼き日のアルルが主役。アルルは森の向こうに住んでいる祖母のところへ初めてのおつかいに行くが、森の中に迷いこんでしまう。
- ルルー編(16歳):『魔導物語Ⅱ&Ⅲ』より2年前、サタンさまと運命的な出会いを果たす前のルルーが主役。ある朝目覚めると見知らぬ部屋に誘拐・監禁されていたルルーが、美女ばかりをさらう吸血伯爵の屋敷からの脱出を図る。
- シェゾ編(14歳):なんとまだ闇の魔導師になっていない頃の、学生時代の14歳シェゾが主役。修学旅行で遺跡に来たシェゾは、不思議な鏡に呼ばれ地下迷宮に吸い込まれてしまう。彼がルーンロードと出逢い、闇の魔導師になった経緯が描かれる。
やたら気合の入ったオープニングムービーでは、
各主人公の紹介シーンで名前の綴りと共に各々のイメージに合わせた花が映し出される。
花の種類と花言葉はそれぞれ
アルル=向日葵:光輝、あこがれ
ルルー=薔薇:愛、感謝
シェゾ=サザンクロス:遠い記憶、夢を叶えて
となっており、キャラのイメージだけでなくARSでのストーリー展開ともリンクしている。
関連作品
ゲームギアでアルル編をベースにした『魔導物語A ドキドキばけ~しょん』が発売されたが、ストーリーは全く異なるものにリメイクされている。
小説版角川魔導の『新☆魔導物語』シリーズ3部作は、本作ARSのその後をイメージした設定になっており、(商業二次ではあるが)特にルルー編とシェゾ編は本作でのストーリーが密接にリンクしている。
なお、主人公の頭文字が「ARS」というお約束は、後にセガぷよ以降のぷよぷよシリーズにも受け継がれた。