概要
3つの作品をベースに、1部3巻・計9巻で構成されている。
原典の設定をベースにオリジナルのストーリーを描いており、小説オリジナルキャラクターも多く登場するのが特徴。また、当時発売された複数の『魔導物語』『ぷよぷよ』シリーズの設定も織り交ぜていることが多い。
このシリーズではサタン様の一人称が「オレ」で、威圧的な雰囲気を持つように描かれている。また、一部のキャラクターの性格も原典からやや変化している。
ストーリー上は各巻ごとに独立しているが、大まかな設定などは(一部矛盾はあるが)シリーズ通して引き継いでいる。商業二次作品のため、ゲーム本編とはやや異なるオリジナルの解釈がされている部分もある。
無印『魔導物語』
- ぷよぷよ大魔王の降臨っ!(1994年5月1日)
- ぷよぷよ大明神の復活っ!(1995年4月1日)
- ぷよぷよ大司教の陰謀っ!(1995年12月1日)
1-2-3のエピソード3経過後をイメージしており、魔導学校に無事到着して入学したアルルの学級に、新担任にしてオリジナルキャラであるルシファー先生が来るところからスタートする。卒業試験に向けて奮闘するアルル、そしてルルーの道中を描いたもの。膨大な潜在能力を自覚せぬまま旅をするアルル、魔法が使えないルルーはどうやって試験を乗り越えたのか?
なお第1巻の描写から、シェゾ・ウィグィィは生首だけになるPC98版1-2-3の設定を採用しており、その状態から蘇ったようだ。もっとも、第1巻が出た時点では本家はぷよぷよ1と魔導物語ARSまでで、まだGG版魔導物語ⅡもAC版ぷよぷよ通すらも発売されていなかった頃のため、最初は思いっきり悪の魔導師として登場していたのだが。続く2巻以降は本家でクローズアップされたヘンタイ要素が取り入れられ、(最初のイメージのまま悪役気味ではあるが)徐々に性格が丸くなっている。
なお、各巻のタイトルが「ぷよぷよ大○○の○○っ!」で統一されているためぷよぷよのノベライズも兼ねており、実際に1巻後は初代ぷよぷよへ、2巻後はぷよぷよ通へ繋がるような雰囲気で描かれていたのだが、続く3巻ではぷよ通へのフラグは無かったことになっており、ゲーム本編への直接の繋がりを見せるようなエピソードは無くなった。
『新☆魔導物語』
- アルルとおとぎの国(1996年8月1日)
- ルルーと愛の日々(1997年3月1日)
- シェゾと悪の華(1997年10月1日)
ARSがベースなのでアルル・ルルー・シェゾの3名がそれぞれ主役となった物語であり、ストーリーの内容もARSを踏まえたものではある。しかし、幼年時代のアルルを主役にした1巻を除けば、時系列上は1-2-3をベースにした無印『魔導物語』3巻の直接の続きとなっており、過去のアルルが主役の1巻にしても『魔導物語』全3巻の世界観を補完するものになっている。
ただし、無印の頃に比べて原作のゲーム作品がかなり増えたこともあって、大まかな設定こそ引き継いでいるものの、無印シリーズからいくつかの設定変更もある。例えば無印3巻末で魔界に帰ったはずのサタン達が何事もなく復活していたり(あとがきではその話も書きたかったとされている)、無印の頃はフルコースまで作れたはずのルルーの料理の腕が新では原作のなぞぷよ準拠でヘタな設定になっていたり、無印では喋らなかったミノタウロスがゲーム同様よく喋るようになったりなど。
また、第2巻はす~ぱ~なぞぷよ通 ルルーの鉄腕繁盛記の後日談にもなっている。
第3巻のシェゾの物語は、小説魔導の中では非常に彼のカッコイイ場面が存分に描かれているのも特徴であり、彼のファンなら一度は読んでおきたい一作である。突如得た闇の力を普段どのように扱っているのか、そして闇の魔導師としてのポリシーを彼はどのように持ったのかなど、見所が多い。
『超☆魔導物語』
- うぇるかむ・とぅ・ぷよぷよダンジョン!!(1999年4月1日)
- でぃてくしょん・あっと・ぷよぷよダンジョン!!(1999年8月1日)
- ばとる・おぶ・ぷよぷよダンジョン!!(2000年3月1日)
わくぷよがベースであるが、こちらも『新☆魔導物語』の続きとしての位置づけになっている。第1巻は概ね原作ベースで、ゲーム同様にトライ&エラーをする場面もあり、また角川魔導の世界観も上手に引き継いでいる。アルル・ルルー・シェゾの3人が同時に攻略を進めたとき、遊園地に一体何が起こるのか? 原作のゲームに無かった新たな催しの計画とは? そして互いの主人公同士が協力したとき、バトルの結末はどうなるのか? ぜひ、小説ならではの同時進行を堪能してほしい。
(なお、厳密に無印シリーズから設定が全て続いていると考えると無印から何年も経過しているはずで、作中の性格ではさらに若返ったようなアルル達の年齢設定に疑問が残るが、その辺りはあまり深く考えてはいけない。)
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ルシファー ルシファー先生 シュテルン シュテルン博士 マサムネ
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