マイアサウラ
まいあさうら
概要
アメリカ・モンタナ州で発見された、そこそこ原始的なハドロサウルス科(いわゆるカモノハシ竜)の鳥脚類である。全長は9mに達する。属名は「良母爬虫類」を意味する。「子育て恐竜」として有名。
最初の化石は、のちに「エッグマウンテン」として知られる場所で、ジャック・ホーナー(ティラノサウルス腐肉食説を唱える古生物学者)によって発見された。この時、様々な成長段階にある多数のマイアサウラの化石と卵殻、そして巣の跡が発見された。また、エッグマウンテン直下の地層からも多数の巣の跡が発見された。エッグマウンテンはマイアサウラの集団営巣地だったのである。
この時発見された幼体の化石(足首関節が完成しきっておらず、まだ歩けない)の歯には、すり減った跡が見られた。このことから、親がまだ歩けない子供に餌を与えていた、すなわち「子育てをしていた」と考えられた。
しかし、巣の中に卵殻が残っていたこと(鳥であれば、ヒナがケガをしないように親が取り除く)や、巣の中に死肉食性の昆虫の化石があったことなどから、単にこれらの幼体化石は孵化前の胚であったとする説もある。(何らかの理由で卵が割れて胚が露出し、昆虫がやってきて死んだ胚を食べたものと考えられる)
とはいえ、マイアサウラの集団が定期的にエッグマウンテンを訪れ、集団で産卵していったことは間違いないとされている。
復元骨格は日本でも目にすることができる。「子育て恐竜」というキャッチもあり、(当時としては)命名からさほど間をおかずに日本でも有名になった。