サウスダコタ級とは、サウスダコタを一番艦とするアメリカ海軍の軍艦の艦級。二種存在し、ともに戦艦であった。
第一次世界大戦頃のサウスダコタ級
日本の八八艦隊に匹敵する大計画「ダニエルズ・プラン」によって計画された戦艦。ダニエルズ・プランでは、コロラド級戦艦4隻・本級の戦艦6隻・レキシントン級巡洋戦艦6隻で構成される予定であった。一番艦の艦番号は、BB-49であった。
前のクラスのコロラド級と同じく低速重装甲の純戦艦であり、全てを高速戦艦で揃えようとした八八艦隊とは対照的であったが、長砲身16インチ砲を3連装4基12門と、のちのモンタナ級と並ぶアメリカ海軍史上最強の砲撃力を備えていた。
ワシントン海軍軍縮条約により全て建造中止となった。
第二次世界大戦時のサウスダコタ級
外容はメインイラスト参照。
アメリカ海軍が海軍休日明けに建造した戦艦の艦級の中では、ノースカロライナ級に次ぐ二番目の艦級。同型艦はサウスダコタ(BB-57)、インディアナ(BB-58)、マサチューセッツ(BB-59)、アラバマ(BB-60)の4隻。
前級はワシントン海軍軍縮条約に引き続く制限体制を続けたいイギリスとの絡みで、当初36センチ砲戦艦として計画されていたため、防御に弱点を抱えていた。そこでこのサウスダコタ級は、基準排水量こそまだ35,000トンに制限されていたものの、純粋な40センチ砲戦艦として改めて設計され、40センチ砲に相応しい防御力を得るため、全長を圧縮しその分装甲を増した。できるだけ長さを縮めるというのは大和型戦艦と同様の方針で、防御構造もよく似ている。
このため、砲塔・檣楼・煙突などの艦上構造物が中央に集中し、山や城郭を思わせるマッシブなデザインになった。
主砲は重量砲弾を採用した40センチ砲3連装3基で、実戦的な砲戦距離では命中する角度上、このあとのアイオワ級で採用された長砲身40センチ砲より威力では勝る面もある。
ほかに、副砲兼高角砲として12.7センチ砲を連装10基、機銃多数を備えている。
速力は、全長が短くなった分、速力発揮には不利になったが、機関出力を増すことで前級と同じ27ノットを維持できるはずだった。実際には、戦時中装備が増えたことで低下している。