概要
1985年にレイレガリア・ヴァース・レイヴァース博士を「皇帝」として火星に建国された帝政国家。
ハイパーゲートによって火星に移民した開拓団を前身とし、資源に恵まれず生存環境の厳しい火星に於いて過酷な開拓生活を余儀なくされていた彼らを、レイレガリア博士が「反地球」を標榜して武装蜂起を促した事から、次第に「国家」という組織へ発展していった(ただし、レイレガリアが武装蜂起を掲げたのは地球からの物資援助が滞っていた事に起因し、彼自身も地球側に度重なる陳情を行っていたが受け入れられず、それが軋轢となって積み重なり、最終的に武装蜂起に至っている)。
先史文明の超テクノロジー「アルドノア」とその起動因子を基にした封建社会を打ち立てており、社会の頂点にはアルドノアの起動因子を有するレイレガリアとその親族たる「皇族」が存在し、その下には起動因子を借り受けた「火星騎士」が名を連ねており、これによって文明的には民主主義・社会主義が誕生する前の復古調かつ貴族主義的な趣を見せる。
アルドノアを用いて火星を開拓しており、特に二代目皇帝ギルゼリアの政策によりアルドノアを応用した工業社会を形成し、その成果として航宙艦の開発や新機軸の機動兵器たるカタフラクトの実用化を成し遂げている。
しかし、工業に注力した結果火星のテラフォーミングは滞り、またアルドノアを用いてもそれが上手くいかなかった事もあり資源は地球に比べて乏しく、それ故に豊かな資源、多様な生態系を有する地球という星を妬む事で生きる糧を見出している(火星は地磁気の弱さから大気が薄く、その為に鳥類が生息しておらず、保存に適した鶏の加工肉ですら貴重品であり、クロレラやオキアミなど繁殖力の強い水生生物が彼らの台所事情を支えている)。
地球に対する羨望は時を置かずしてそこに住む人類を「下等人種」「求人類」と見下し蔑む選民思想に変化し、それを掲げる事で国家の結束を保っている(一方で、それがヴァースの文化的な後進を加速させていると言える)。
火星騎士
ヴァース帝国には一元的な命令体系を持つ「軍隊」は存在せず、貴族たる火星騎士が軍の代わりを担う。
火星騎士の中で特に有力な「37家門」と呼ばれる貴族家を中心とした軍閥に近い組織体系を有しており、それぞれが独立した命令系統を有し配下となる部隊を指揮し、これによって正式な宣戦布告を待たずしてそれぞれが独自に作戦行動を取る事が可能となっている。
騎士達はそれぞれ専用のカタフラクトとアルドノアの起動因子が与えられており、それだけでも地球の大部隊を相手取れるだけの戦闘能力を発揮する。