百田尚樹氏のデビュー小説『永遠の0』に登場する人物であり、大日本帝国海軍の零式艦上戦闘機パイロットである。最終階級は上等飛行兵曹。
概要
経歴
戦況が劣勢なりつつあった頃に、激戦地帯だったラバウルに移動になり、そこで宮部久蔵と出会う。
当初は生き残って家族の元の戻ることを信条にしていながら、凄腕の戦闘機乗りであった宮部のことを大変嫌っており、戦闘機乗りとしての自身のプライドから許せず憎んでいるほどだった。
しかし、戦闘から帰還する途中で宮部に模擬空戦を仕掛け、敗れた末に逆上して発砲してしまったにも関わらず、それを隊に報告して腹を切ろうとしていた自分を静止し咎めなかった彼に、徐々に違った執着をするようになる。
その後、鹿児島の鹿屋に移動した際に宮部と再会し、特攻隊に志願した彼の護衛である直掩機を務めたが、途中で突然機体が故障し不時着する。
終戦後はやくざとなっていたが、宮部の孫である佐伯健太郎が訪ねた際には既に引退しており、宮部と自分のことを健太郎に語った。
人物
当時「地獄への片道切符」とまで呼ばれた激戦地帯だったラバウルに移動になったとき、彼自身は「良い所へ来た」と考えたほど戦いを生き甲斐にする命知らずな人物であり、戦っていたのも他の搭乗員たちのように国や家族のためではなく、一人の戦闘機乗りとして己のために戦っていたという。
そのため、ただ己の剣を磨くために戦ったとされる剣豪・宮本武蔵を敬愛し、武蔵が目指したとされる『剣禅一如』をマフラーに書き記すほどだった。