燃えよ斬鉄剣(ルパン三世)
もえよざんてつけん
概要
ルパン三世TVスペシャル第6弾作品である本作だが、ルパン役の山田康雄の体調がこの作品の収録時かなり悪化していたため、声の勢いが衰えたと言われた前作「ルパン暗殺指令」にも増して勢いがなくファン達を心配させた。結果的に彼はこの作品を最後(CM等を除けば)に翌年3月に亡くなってしまった為、24年に渡ってルパン三世を演じた山田康雄の遺作と言える作品になった。
ルパン役を引き継いだ栗田貫一の採用は、この翌年4月に公開された劇場版「くたばれ!ノストラダムス」から(ただし同作の収録時に山田が存命であったため、代役扱い)である。
尚、演出についてはキャラクターデザインを『ルパン三世 (TV第1シリーズ)』(以下、『TV第1シリーズ』)を思わせるものにしてみたり、タイトルの背景をホワイトにしてみたり、敵のボスの声優にミスターX(コミッショナー)を演じていた滝口順平を起用するなど、初期の作品のイメージに近づけている。特に、武器製造庫で爆弾を投げるようにして仕掛けるシーンは、コミッショナーの登場した、『TV第1シリーズ』第1話「ルパンは燃えているか…?!」での演出に近いものである。
また、不二子のシャワーシーンは完全に露出させるなど、この作品までのTVスペシャルに比べて大人向けの作品に仕上がっている。直近の流行に対しても取り入れており、かなり人間離れした剣技を見せる描写は、対戦格闘ゲームの影響が見られる。
そして、本作の視聴率24.9%は歴代TVスペシャルシリーズ中最高であり、20年経った2014年現在でも未だに破られていない。
あらすじ
初代石川五右衛門没後四百年の歌舞伎を観賞していた五ェ門は、突如歌舞伎に乱入してきた忍者軍団の襲撃を受ける。歌舞伎に興味のないルパンと次元はゲームセンターで遊んでいたのだが、五エ門たちの乱闘に巻き込まれ、応戦し忍者軍団を退ける。狙われた原因を五エ門に尋ねるルパンだったが、五エ門は斬鉄剣に関係があるという事、ルパン達が関わることは許さない事を告げ、どこかへ立ち去ってしまう。
そして、そんな3人の様子を監視している人物がいることに気付いたルパンはその正体が香港マフィアのボス陳珍忠である事を突き止め、真相を探るべく陳が主催するパーティーに潜り込む。するとそこで陳が狙っているお宝の横取りを狙って潜り込んだ不二子に出くわす。
そんなルパン達の前に陳が姿を現し、お宝について語りだす。そのお宝は沈没したタイタニック号の中に眠る龍の置物であり、ルパン1世が予告状を出していながら盗めなかった唯一の宝であることをルパンは陳の口から知る。協力を求める陳だったが、ルパンはそこから逃走し、自力で宝を盗み出しルパン一族のモットー「狙った獲物は絶対に逃がさねぇ」を達成しようとする。
忍者軍団と斬鉄剣、そして龍の置物に隠された謎とは・・・?