曖昧さ回避
概要
人類に敵対している「霧の艦隊」と呼ばれる第二次世界大戦時代の艦の形状を模した艦艇群の中の一隻「イ401」。形状は旧日本海軍の伊400型潜水艦の二番艦である伊401を模している。イオナと呼ぶ場合はメンタルモデルの方を指す場合が多い。
元々は超戦艦級であるヤマト直属の潜行偵察部隊としてイ400やイ402と共に諜報活動に従事していたが、かつてあった人類と霧の艦隊との決戦「大海戦」で主人公の父親「千早翔像」によって鹵獲され、後にその千早翔像を艦長として複数のクルーを乗艦させ出港。その後無人で帰投するという怪事件を起こしている。
イオナ(原作)の回想では千早翔像が総旗艦「ヤマト」たちと接触した時にヤマトと、ヤマトと同型のムサシとの間で確執が発生したらしく、その時にメンタルモデルを形成したと推測される。
帰投後は艦体は沈黙を守っていたが、メンタルモデルのほうは身分を偽造して「霧乃イオナ」として主人公「千早群像」の通う海洋技術総合学院に生徒として潜入。経験値の獲得と千早群像との接触を目的としていた。
学院の模擬戦にて千早群像と潜水艦指揮による一騎打ちを行い敗北。それによって千早群像という存在を認めるに至り、彼を自身の艦長として迎える。
最初の頃は千早群像と二人きりで自身の艦体を使った慣熟訓練を内海で行っていたらしいが、それが千早群像の友人たちである「響真瑠璃」達にばれてしまい、以後は彼女たちも交えて訓練を再開。後に千早群像の意向によって日本を出奔する。
千早群像を艦長としてからは情報戦用の装備の多くを廃し、戦闘潜水艦として大幅に改装した。また硫黄島にてさらにオプション艦の追加など機能拡張を行われ、戦艦級の火力を実装している。
なんらかの思惑によって霧の艦隊から離れ、千早群像やその仲間達をクルーとして乗せ、自身の意思で独自に霧の艦隊と敵対している。
原作版
メンタルモデルの容姿は銀髪碧眼の小柄な少女姿。主にTシャツとショートパンツという簡素な格好をしている。
霧の艦隊最古クラスのメンタルモデルの持ち主であり、霧の艦隊・総旗艦に次ぐ最高レベルの知識と経験値を保有しておりタカオとの会話ではそのことを自負しているフシがある。
普段は自己主張することは多くはなく基本的に従順。そして誰に対しても口調はフランクである。更には態度は事務的であり必要最低限の会話しかこなさない為情緒が薄く無表情のようにも見える。
しかし作中各所で顔芸と呼ばれるようなユニークな表情をし、アニメ鑑賞や不平をいうなど、とくに千早群像以外と応対する時はかなり図太さを感じさせる性格を見せるなど、千早群像とそれ以外では態度の二面性をみることができる。
また、群像不在時に万年2位代理のTシャツを着こなす等の描写もありかなりのユーモアセンスを持ち合わせている様である。
イ402曰く「姉はタカオに負けず劣らずのツンデレである」とのこと。
また作中で彼女の夢として登場した自己診断プログラム中では現在の彼女の状態が何者かによって意図的に設定されたものであることが示唆されており、セーフティによって彼女自身にその自覚はない様子。
アニメ版
設定変更にともない容姿と名前以外が大幅に変更されており、ほぼ別人となり実質メインヒロイン扱い。
服装も脇の露出した青いセーラー服のようなものにデザインチェンジされている。
人格も無表情で無感動な非常に機械的な少女になっている。原作のように冗談を言ったり他の艦に不遜な態度を取る事もない。性格も原作より情緒に欠ける機械的なものになっているが、逆に無垢な面が全面に押し出されており、原作より幼い印象を受ける。また、原作には無いメンタルモデルでの徒手格闘を見せており、ハルナのクラインフィールドをも破壊しかけた兵器・岩蟹を単騎で撃破した上に部隊を撤退に追い込む程の戦闘力を発揮した。
ちゃっかりタカオやハルナと共にEDのヴォーカルも務めている。
原作と違って最初から確固たる人格を形勢していなかったため、話が進むに連れ徐々に人間らしさを確立していく中、タカオの乙女プラグインの影響もあって千早群像を意識し始め、最終的には恋愛感情に似た想いを抱くようになる。
また同時にその変化によって本来兵器には不要とされていた哀しみや姉妹愛などにも目覚め、霧の艦隊と戦うことにためらいを覚えていく。
事実上下の姉妹であるイ400とイ402との戦闘では何とか話し合いで戦闘を終わらせようと必死になり、自らの手で姉と妹を撃沈した際は涙を流していた。
そのため彼女の精神的成長や人格の確立に伴い、彼女が開設したとされる霧の艦隊が利用するチャットルームも次第に彩りを得るようになっていった。当初は大理石柱のサークルとテーブルセットしかなかったが、最終話付近ではサークルの外に色鮮やかな庭園ができていた。
アニメ版では経歴も色々と変更されているようだが「人類によって鹵獲された」「学生時代の千早群像を迎え入れる」「何者かの思惑によって行動している(無自覚)」という点は共通している様子。
余談だが、彼女の特徴的なイントネーション「きゅ~そくせんこ~」は元々予定されていたものではなく、声優の完全アドリブである(霧くまsでも「あのイントネーション」というタイトルでいろいろ紹介されている)。
また、ヒトデのシーンも本来は第1話だけしか描写されていなかったのだが、それ以降もアドリブでたびたび使われていた。
なお、完全に余談だが、霧くまsではイオナはイ400とイ402に少し変わった形で現段階で2回撃沈させられている。