概要
テーブルトークRPG「ソード・ワールド」及び「ソード・ワールド2.0」に登場する種族。
PCとして選択できる、小型の人型種族で、「D&D」などの版権問題にひっかからないように、ホビットやハーフリングとは違う独自の名称を与えられた。
「1.0」「2.0」に共通して、器用度・敏捷度・精神力の3点に特化し、逆に筋力はほとんど無いというステータスで、昆虫や植物と話ができる能力を持つ。
基本的に種族全員がいたずら好きで、「明日は明日の風が吹く」を地で行くような性格をしており、トリックスターとしての性質を持つことが多い。
なお、「1.0」リプレイ第3弾「バブリーズ」のパラサ・ピルペ・パン以来、『親友2人の名前をもらって、自分の名前とともに名乗る』という設定が公式リプレイでしばしば使われているが、別にルールブックに明記された設定というわけではない。友達がいないぼっちのグラスランナーも安心しよう。
ソード・ワールド(1.0)
フォーセリアに住む小人族。妖精(「2.0」とは違い、「1.0」の舞台になる物質界に並行して存在する妖精界の住人)の一種。草原の妖精界からやって来たが、現在のグラスランナーは物質界に束縛されており、妖精界と行き来する事はできない。
身長は人間の子供と同じくらいであるが、耳が尖っているのでそれと分かる。
動きが速いが力が弱い。ただし耐久力はそこそこある。ファイターになるのはほぼ論外であり、生まれつき持っているシーフ技能を伸ばすのが基本。
魔法能力を欠いており、ソーサラー、シャーマン、プリースト技能は取得できない。妖精界に由来する魔法能力は物質界への適応により失われ、過去を気にしないため創造主である神々を重視しないからという。
「2.0」と違い精神力がそのまま精神点(MP)として扱われるので、共通語魔法(コモン・ルーン)のアイテムを使うことができる。バード技能はそもそもMPを消費しないので同じ事だが、やはり得意。
人間の地方語を母語としており、種族固有の言語は無い。これは、定住地や決まったコミュニティを持たず、個人から数人単位で旅から旅を繰り返す一生のため「仲間内だけで通じる言葉」の必要性が薄れたためとされる。
刹那的な生き方を好む種族だが、「今日できることを明日へ延ばすな」という考えはある。これは「明日は明日でやりたいことが見つかるから」という理由から来るものである。
ロードス島に登場するグラスランナーは、全て移民してきた者たちである。原住のグラスランナーは、神々が肉体を失った後の暗黒時代に絶滅した。
ソード・ワールド2.0
フォーセリアとつながりのないラクシアでも、外見やライフスタイルは「1.0」と同じ。この世界では妖精ではなく、人族(第一の剣の神々を信奉する種族とその友好種族)に含まれる。
マナに反応しにくい性質のためMPを持たない(「0」ではなく「なし」)代わりに、抵抗に成功した魔法を完全に打ち消す。
「1.0」と異なり、魔法使い技能を取得すること自体は可能。それでもMPは「なし」のまま(「0」ではなく「存在しない」ので、どんな手段を使っても上げることはできない)なので、MP確保の手段を考える必要がある。神を信仰する事ができ、プリーストにもなれるが、それでもMPは以下同文。
やはり非力でも、フォーセリアとは違い、ラクシアではフェンサーだけでなく、グラップラーやライダーなどを伸ばして戦ってもよい。
「1.0」では失われた種族固有の「グラスランナー語」を、「2.0」では持つ。直接的な単語が多く、文法も単純な簡素な言語らしい。
歴史上、魔法文明時代末期を境に、急にその姿を確認されることになった種族である。これには「マナ不干渉の能力により、魔力的な視界を持っていた過去の権力者たちにはグラスランナーが見えていなかった」や「人間の子供と間違えていた」などの(あやふやな)説がある。
また、夜中に魔神達と楽しく騒いでいる所を目撃されたこともあるらしい。
ちなみに「1.0」のグラスランナーは、草原の妖精界の「草原が広がるように拡散していく」という性質を持ち、それが放浪生活や刹那的な生き方に繋がっているという設定があった。
上記の設定と、魔神の種類がフォーセリアの魔界とよく似ているのを見る限り、魔神と同じくフォーセリアからやってきたような気も……。