概要
梵名を「サハスラブジャ・アーリア・アヴァローキテーシュヴァラ(सहस्रभुजआर्यावलोकितेश्वर [sahasrabhuja ārya avalokitezvara])といい、インド神話における高位の神々の別名でもあるという。
観世音菩薩の変化身の一つとされ、一切の世界の衆生を漏らさず救済しようという観音菩薩の大きく深い慈悲の心が反映された姿とされる。
六観音(七観音)の一尊とされる。
また干支の子の守護仏尊ともされる。
梵字は「キリーク」。
別名に「十一面千手観音」「千手千眼観音」「千臂千眼観音」などがある。『千手』とは言うが、正確な腕の数は42臂である。
これは胸前の合掌する両腕以外の40の腕が一臂に付き25の世界の衆生を救うからであるとされ、25×40=1000の世界を救うという意味から『千手』と呼ばれている。またこの千手の掌には目が存在し、その目を以って千の世界を見渡し苦しむ衆生を見つけ出して救い取るとされている。
密教においては「蓮華王」と呼ばれ、観音菩薩の変化身の中でも最も徳の高い姿であるとしている。
像が作られる際には基本的に無手であることがほとんどだが、ときおりその40の手それぞれに持物を持つこともある。その中には武器も存在する。
なお、奈良県の平城京で唯一当時から現存している建造物である唐招提寺にある千手観音は本当に千本腕として建造された。ただし現在ではいくつかが欠損してしまっている。
御利益
除災、開運、健康など、あらゆる現世利益にお応え下さる。
また恋愛成就や夫婦和合など、恋や愛にまつわる悩みにも応じて下さる珍しい菩薩様。
子年の守り本尊。
御真言
オン バサラ タラマ キリク
関連イラスト
腕が無数に生えているように見えるイラストにも付けられる。