「もう君たちは生徒ではない」
概要
CV:景浦大輔
文科省の機関の一つである学園艦教育局の役人。肩書きは「文部科学省学園艦教育局長」。本名は「辻康太」。
七三分けの髪形に眼鏡を掛けている典型的な官僚の風貌をしている。性格は至って冷静だが、目的のためなら手段を選ばない冷酷な面もあり、平気で約束を破ることも厭わない。ぶっちゃけ、今作の出来事の黒幕で、唯一の悪役でもある。
戦車道のプロリーグ世界大会の誘致に尽力し、プロリーグ設立のために文科省が推し進められる学園艦の統廃合政策を積極的に行い、近年目立った実績が無い、生徒数が年々減っているなどあらゆる理由を付けてコストが掛かる学園艦を廃校に追い込んでいる。時にはあまりにも横暴なまでに強引に廃校を強行する姿勢に批判の声も多く上がっている。また、以前から学園艦解体業者との癒着や世界大会の役員人事の不透明さなど、黒い噂が囁かれている。
初登場はTVアニメ版の生徒会の回想シーンで、彼女達に実績が乏しく生徒が減少している大洗女子学園が今年度中に廃校が決定したことを告げた。その際、「昔は戦車道が盛んだった」と口にしたことにより、角谷杏から戦車道の全国大会で優勝をすれば廃校を撤回させることを提案されると、それを受け入れて廃校決定を一旦保留することになった。
最後の足掻きと思って受け入れたみたいだが、偶然大洗に転校していた西住みほと仲間達のおかげでまさかの優勝するという奇跡を起こし、大洗女子学園は廃校撤廃になったと思われた………だが、
『劇場版』で本性を現す…
廃校撤廃はあくまで口約束であり、正式な書類が存在しないことをいいことに、検討した結果やっぱり廃校にするという約束を平然と反故して大洗チームに一方的に廃校を突き付け、しかも今年度中ではなく夏休み明けに前倒しするという非情な通告をした。さらに、従わなければ学園艦に住んでいる一般人の再就職を斡旋しないという権力濫用に等しい脅しも行った。
なすすべなくやむなく大洗チームは下船したのだが、杏がただ一人で再度廃校撤廃に動いて直談判を受けていたが、判例を用いても意に介することなく全く相手にしなかった。
しかし、再び直談判に赴いた時に、戦車道連盟理事長、自衛官の蝶野亜美、さらには西住流戦車道家元西住しほを味方に付けていたのにはさすがに困惑した様子を浮かべる。
特にプロリーグ設置委員会委員長を打診しているしほから、大洗女子学園の廃校は文科省が掲げる教育理念に反すると痛いところを指摘され、さらに考えの隔たりが激しいため委員長を引き受けるのは難しいとまで発言されてしまう。
何とか穏便に済ませようとするが、うっかり「(大洗は)まぐれで優勝した」という戦車道と我が娘達の侮辱とも言える発言でしほの逆鱗に触れてしまい、さらに立場を悪くしてしまう。
困り果てた彼は、苦し紛れに口にした「大学選抜チームに勝てさえすれば…」という言質を杏に付け込まれ、強引に誓約書を書かされて(杏から「口約束は約束では無いそうですからね~?」と念を押されている)廃校撤廃を賭けた大洗チームと大学選抜チームとの試合を決定してしまう。
しかし、彼は黙って見ているわけにもいかず、何が何でも大洗の廃校に追い込もうとあらゆる手を使い、大洗チームは8輌しか保有していないのを知りながら、プロリーグに合わせるという名目で30輌編成で試合を行わせたり、試合形式を「フラッグ戦」ではなく「殲滅戦」を採用したり(しかも大洗チームにそれを告げたのは前日の夕方で、勝手に試合の運営も進めていた)、さらには協議中だったカール自走臼砲を急遽使用許可を出して選抜チームに使わせる(これには理事長から「オープントップなのに戦車として認めていいのか?」と問い詰められるが、「考え方次第ですよ」と平然と答えた)など、誰が見ても大洗チームに不利な一方的な試合にする狡猾さを見せた。
だが、その思惑はみほの人望の前に崩れ、試合当日には大洗チームを助けるべく高校戦車道強豪チーム達が続々と集結し、大洗連合チームが結成される。予想外の援軍に(自分がやっていることを棚上げにして)すぐさま審判長の亜美に抗議するが、選抜チーム隊長の島田愛里寿が援軍をあっさりと認めてしまう。度量の広さが子供に負けている瞬間である…
そして、肝心の試合は両者激しい死闘の末、勝利をもぎ取ったのは大洗連合チーム。
再び起きた奇跡の勝利に会場中が沸き上がる中、唯一ひどく落ち込んでいる姿を晒していた。
正式な誓約書がある以上、約束を反故することが出来なくなったため、大洗女子学園の廃校は正式に撤廃され、学園艦は大洗の港に無事に戻される。