ゲーム内容
「海の魚は腹に、川の魚は背に脂がのっている」という板前用語を基にした、1994年12月23日にスーパーファミコンで発売されたタイトル。
主人公の海腹川背さんを操作して、出口のドアを目指すステージクリア型のアクションゲーム。
ゴムのように伸縮するロープのついた「ルアー」を壁や天井にひっかけて、ラバーリングアクションと呼ばれるターザンのような動きを駆使しながらフィールドを進んでいく。
ルアーによる奥深く多彩なアクションとそれによる攻略性の多様さ、ルート分岐やタイムアタックといった幅広い楽しみ方ができるゲームである。
敵キャラクターは足の生えたお魚など、フィールドの背景には実写の写真といったように、グラフィック面などでも独自の世界観を作り上げているのも特徴の一つ。
主人公
「海腹川背」という19歳の女の子。流しの板前である。
説明書などでは「海腹川背さん」と呼ばれており、ファンの間でもその呼び方が浸透している。
そこが魅力。
シリーズ
海腹川背
1994年にスーパーファミコン用ソフトとして発売。
海腹川背・旬
1997年にプレイステーション用ソフトとして発売。続編的な作品であるが「『海腹川背2』とはちょっと違う位置付けのもの」ということでこのタイトルとなった。
海腹川背さんの声(企業広告中のみ)とテーマ曲を小森まなみ氏が担当しており、ゲームオーバー時に「ときめきが目を覚ましてる」が、ゲームクリア時に「空の青さ」が、特定の面をクリアした際に玉露園や釣具のミッチェル、開発元の「ジャックポット」などの企業広告が流れる。ムービーも存在するが、これはネームエントリー時の小さな画面に映されるのみであり高解像のものは後のリメイク作品まで見ることができなかった。
廉価版として、2000年に『海腹川背・旬 ~セカンドエディション~』が発売された。劇中CMがカットされ、代わりに描き下ろしイラストの表示や新フィールドが追加された。2012年にはゲームアーカイブスとして配信もされている。
海腹川背Portable
2008年にプレイステーション・ポータブル用ソフトとして発売。オリジナルスタッフの手から離れた『海腹川背・旬』の移植・リメイク作。
いわゆる黒歴史。一部追加フィールドはあるが、ゲーム性を変えてしまう不具合が多数存在し、それらを修正しないまま強硬販売に踏み切ったことや、不具合をバグではなく「仕様」とするメーカーの対応が問題となった。
海腹川背・旬 ~セカンドエディション~完全版
2009年にニンテンドーDS用ソフトとして発売。『海腹川背・旬 ~セカンドエディション~』をベースにフィールドとギャラリー画集が追加されたほか、スーパーファミコン版『海腹川背』も収録されている。
さよなら 海腹川背
2013年にニンテンドー3DS用ソフトとして発売。タイトルに『さよなら』と付いているがこれが完結作という意味ではない模様。新キャラクター3名と特殊能力を追加し、全体的なゲーム難易度を落とす方向で調整されている。
その後2015年にSteamでの配信が始まり、シリーズとして初めて海外版とPC(Windows)版が投入された。同年にはプレイステーション・ヴィータに移植した『さよなら 海腹川背ちらり』も発売された。
左:今回の川背さん。ノースリーブ。ゲーム進行を一時的に止める能力を持つ。正確な入力をしやすい。
中央:幼少期の川背ちゃん(右)、およびその友人江美子ちゃん(左)。チェックポイントを通過していれば1度だけミスをしてもそこから復帰できる。
右:横山埜鼓(ノッコ)。ゲーム進行を一時的にスローに出来る。停止しない分川背さんよりタイミングを取りやすいとも取れる。
配信版について
第1作、旬、さよならがSteamやAmazonで配信されている。さらに3作をまとめて『海腹川背 トリロジー』もあり、個別に購入するよりも割安になっている。
2015年12月、シリーズ発売元であるアガツマ・エンタテインメントがグループ経営環境の悪化のため解散。一時は配信停止するも、デジカに拾われ再開。
本シリーズは開発元や発売元を転々としており、今後また配信停止の起きる危険が他よりも高いため、興味があるならば早めの購入をおすすめしたい。