「お前も家族だ」
演:ジャック・ブランド/山路和弘
概要
本作の敵キャラクターのひとり。
物語の舞台であるベイカー農場の主。妻のマーガレット、息子のルーカス、その他大勢の「家族」と共に暮らしている。
行方不明の妻を探して農場へやってきたイーサン・ウィンターズを捕縛し、彼を家族として住居に連れ込むが、イーサンは一時の隙をついて捕縛を解いて脱走。以降は、妻と邸内からの脱出を図るイーサンの前に神出鬼没に現れ、凶器を振るって襲い掛かる。
なお、本作の体験版においては、どのルートでも最終的に彼から前述の台詞と共に背後からパンチをお見舞いされる(通称「ファミリーパンチ」)。
そのため、ネット上では「ファミパンおじさん」というあだ名で呼ばれることもある。
人物像
丸眼鏡をかけた初老男性。髪は白髪混じりで頭部はハゲ上がり、口ひげを蓄えている。
老齢であることに加えて血色の悪い外見から虚弱な印象を受けるが、黒幕によって与えられた怪力と再生能力によりその暴力は留まるところを知らない。また、それを差し引いても、元々の生業が農場経営という重労働であるのに加え、邸内に飾られた写真などから青年期には軍に所属し、尚且つフットボールを趣味としていたらしく、衣服の下は逞しい体つきをしている。また前述のファミパンをはじめ、作中ではたびたびイーサンらの背後をとり、相手の不意を突いて強襲する戦法を得意としている。
「家族」という概念に異常な執着を持っており、自身の敷居を跨いだ人間を尽く捕縛し、無理やり家族としている。ベイカー家の中で最も発言権が強く、家族にも外来者にも支配的な振る舞いをする。その異常性は発売前のティザームービーでも強調されており、食材も定かでない不気味な料理(彼曰く“何よりのごちそう”)の並ぶ食卓を囲み、主人公が食べるのを拒否して吐き出した際にはナイフを顔に突き立てて制裁を加えている。
以下ネタバレ
ここから先は本編のネタバレを含みます。
彼ら家族が変貌した原因である「菌」の存在を知ったイーサンは、その抗体となる「血清」を生成するため、その材料を求めて邸内を捜索することになるが、その間もジャックをはじめとする家族はイーサンを付け狙い、発見するやいなや襲い掛かってくる。また、ジャックの場合はシナリオの節目で三度に渡りイーサンの前に立ちはだかる。
第一戦はガレージにて。
通報を受けて駆けつけた地元の保安官(補佐)に偶然接触したイーサンが、彼に保護を要請してガレージにて落ち合うが、両者が揉めている最中に出入り口のシャッターを下ろし、保安官を背後からスコップで頭部を抉るようにして殺害。そのままイーサンとの戦闘となる。
第二戦は死体保管所。
扉の鍵であるケルベロスのレリーフをエサにイーサンの背後を取り、彼を部屋中央の鉄格子に囲まれたケージのような場所へ蹴落とし、自身もその場に入り対戦する。当初は前の戦闘同様にスコップを用いるが、一定ダメージを与えると巨大なチェーンソーハサミを取り出して襲い掛かる。
最終戦では菌の影響か、異形の化け物となって登場。
血清を生成した直後のイーサンたちを発見し、その巨体でイーサンのみを引きずり出し、最後の対決を挑む。これまでの面影すらない異形の姿に変貌し、尚且つ二度も仕損じたイーサンに対して怒りを露わにしているが、人語を喋り、娘のゾイ(イーサンに血清を生成するように促した協力者)にあとで説教すると決定づけるなど、割と人格は保っている(これに「いい加減しつこいぞジャック」と返せるイーサンもイーサンだが)。
最期はゾイの指示で血清を打たれ、怒りと苦しみにのたうち回った挙句、身体が石化し倒壊し息絶えた。
その後黒幕に囚われたイーサンの精神世界に現れて家族の過去を語る。
ベイカー家の面々は元々被害者であり、ジャックは一般人だった。
沼地に流れ着いた船の近くで事件の黒幕を発見し善意で保護したが、黒幕によって菌を感染させられ精神を支配され「家族」にされ狂気に憑りつかれた、というのが事の真相であった。
精神世界での彼は、日記などから元々残虐なサイコパスだったことが確定的な息子について
「殺したかったわけじゃないんだ、妻も息子も、もちろん娘もだ」
という旨の発言をして娘に冷たい目で見られ手を振り払われていたりと、本来は息子に激甘だったり娘に反抗されたりする普通の父親であったことが覗える。
その他
カプコンの新年の年賀状イラストではその年の前後に発売されたゲームのキャラクターが描かれているのだが、2017年の年賀状イラストでは彼も含まれている。主人公ではないにも関わらずである。
ちなみにそのイラストでは茶の間のコタツで「モンスターハンターストーリーズの主人公」「めがみめぐりのツクモ」と一緒にみかんを食べている。シャベル片手に。
・・・「お前達も家族だ」と言ったかどうかは定かではない。