富野節
とみのぶし
富野節は、こう使うっ!!
富野由悠季監督は作品に登場するキャラクターに生々しい肉付けをすることで知られる。よって作中で交わされるキャラクター同士の会話も説明くさかったり芝居がかったモノではないのである。それこそ我々が日常的に使うような口調で喋っていると言っていい。
このため視聴者にとっては突拍子もない台詞がたびたび登場することになるのである。これは登場キャラクターが状況に応じたテンションとその場の勢いでしゃべっているためである。
このためともすれば説明が足りず話が見えてこない場合もあるが、妙な説得力にあふれた視聴者の耳に残る名言(迷言ともいう)が跋扈しているため、ファンからは親しみも込めてこれらを富野節と呼ばれるようになった。
登場人物たちは感情や思想をその場のテンションでしゃべっているため、会話のドッジボール状態になっていることも多く、そこがかえって視聴者の印象に残る場合もある。
富野節
アイーダ・レイハントンを演じている嶋村侑はアフレコ撮影の際、主人公のベルリ・ゼナムとアイーダの間で会話が噛み合っておらず、その点のディレクションで音響監督から何度かNGを食らった際、カメラのインタビューに対して
「お互い自分の言いたいことを言っているだけで、相手の話を聞く気がないんですよね」と、この二人の会話の不一致さに関する考察を行っていた。これは富野作品の多くに通ずるものである。
使用例、提示しなさいよ!
・「赤ん坊を愛おしいと思う気持ちがあればこそ、人間は強く生きられる!」
・「死んでたまるかよ! 俺はまだ十分に生きちゃいないんだ!」
・「暴力はいけない・・・」
・「なんとぉぉぉーー!!」
・「ごめん、覚えてない。」
ときめく会話例です
ダバ「一目惚れなんて、愛じゃないんだよ!!」
ギャブレー「愛にしてみせると言っている!!」
ダバ「愛だ、愛だ、愛だと言葉に溺れている内は、貴様はボーイだ!子供にクワサンを愛させるものか!」
サコミズ王「鈴木君には政治を司る新しい聖戦士をやってくれ!!」
エイサップ「そんな事を言って隙を作らせるのか」
サコミズ王「そうでもあるがぁぁっ!!」
アスハム「来たか、女ったらしの悪党がっ!」
ゲイン「なんでもかんでも女ったらしですまそうとするのは、単純すぎないか?アスハム・ブーン」
アスハム「貴様ぁ!ゲイン・ビジョウのやり方が言わせているんだよ!」
ゲイン「借りを返しに来た!」
クリム「ジャベリンはぁ!こう使う!――――しまった…!」
デレンセン「なぁにがジャベリンよぉ!」