ビグロ
びぐろ
MA-05 ビグロ (BYGRO) は、アニメ『機動戦士ガンダム』に登場する架空の兵器。
ジオン公国軍の宇宙用量産型モビルアーマー(MA)であり、機体色は緑を基調とする。鳥を思わせるデザインであり、リアルロボットの走りと言われるガンダムの登場メカの中ではどことなく機械獣的なシルエットがある。
ビグロの名前の由来はビッグ・クロー Big Clawの崩しという説がある。
機体説明
宇宙戦用に最初に実用化されたモビルアーマーで、推進器に2基の熱核ロケットエンジンを用いたことで機動性が非常に高く、高速で移動できるためパイロットはGに耐性のある者でなければならないほどである。
また、武装も充実しており、幅広の本体に接近戦用のクローアーム2基を装備している。
これでモビルスーツなどを捕らえる事ができ、Gアーマーをつかんで放り投げ、さらにアムロ・レイのガンダムを手の中に捉えるほど大きい。
そのほか、鳥にたとえればクチバシの部分にあるメガ粒子砲やミサイルランチャーを装備し、火力は高い。メガ粒子砲のクチバシは普段は砲門のカバーとしても機能し機体中央部、動力炉への直撃を防ぐ。
膠着した戦局の打開と拠点防衛という観点から、単独での攻撃力の大きさと、防衛戦兵器としての効力が見込まれ生産、実戦配備された。
しかし、MAの常として死角が多いため白兵戦に持ち込まれると意外に弱く(そもそも高速の本機をMSで捕捉し、白兵戦に持ち込むこと自体が困難ではあるが)、また生産コストも高価であり、対艦戦用に少数が生産されたに留まっている。
グラナダで試作テストを行い、4月から生産が開始された。
生産数については12機あるいは14機とする説があり、または17機が実戦配備されたという説もある。
そのうちの数機は次期モビルアーマー開発のためテストタイプとしてYMA-06等の仮ナンバーが与えられ、グラナダでの各種実験に用いられた。
量産型についてはゲルググ用のビームライフルも使用可能とする説があるがこれも定かではない。
機体データ
型式番号 MA-05
所属 ジオン公国軍
製造 MIP社
生産形態 量産機
全高 23.6m
全長 45.5m
本体重量 125.5t
全備重量 229.8t
出力 17,800kW
推力 136,100kg
センサー有効半径 111,000m
装甲材質 超硬スチール合金
武装 メガ粒子砲
4連装ミサイルランチャー×2
クローアーム×2
劇中での活躍
TV版『機動戦士ガンダム』で、ホワイトベースが再び宇宙に上がり、シャア・アズナブルが追撃のため急遽徴用したザンジバルと対峙する第31話にて登場する。
ザンジバルの本来の指揮官だったトクワン大尉が搭乗してホワイトベース隊をビグロの高速で一方的に翻弄し、誤ってビグロ本体に引っ掛けたガンダムの搭乗者アムロ・レイをも、その高加速Gで振り回して失神させた。
しかし、止めを刺そうとしたところでアムロが息を吹き返し、通常は嘴型の装甲で隠されていたメガ粒子砲を狙い撃ちにされ、撃破されている。
劇場版『機動戦士ガンダムIII』では、ア・バオア・クー攻略戦の際に複数機が登場している。
コミック作品『THE・ORIGIN』では、ア・バオア・クー脱出時にのみ登場。 ジオンの技術者サキオカ少尉が脱出する時に持ち出し、一度は止められるのだが『だって、こいつ試作機で 唯一出番がなかった可哀そうなやつなんですよ!』と妙なことを言って強引に持ち出し、脱出に使用している。
バリエーション
MA-05M ビグロマイヤー
初出はPCゲーム『GUNDAM TACTICS MOBILITY FLEET0079』。
原型機とは打って変わって曲線を主体としたデザインに改められており、ビグロの特徴でもあった三本爪の大型クローも廃され、小型化している。
しかし、その代わりに火力及び装甲を増強。ジェネレーター出力の増大でエネルギー兵器を難なく扱える他、小型化したクローアームにもメガ粒子砲2門が装備されており、広い射角の確保に成功した。
一部資料では『支援機』という記述もあり、また、プラズマリーダーを装備した機体も存在したという。
このため、一部ではMA-06の雛形になったのではないか、と言われている。