概要
別名:のびあがり入道、伸び上がり
のびあがりは見ているうちに次第に大きくなったかと思えば、見上げるほどに大きくなる妖怪で、徳島県では見上げた者の首筋に噛み付いたり、香川県では首を絞めたりするなどの人に危害を加える伝承も残っている。
のびあがりへの対処法として目を逸らすといった方法や静岡県では物差しを当てがって「一尺…二尺」というと消えるなどの手段が伝わっている。物差しで身長を測られるのを嫌がる辺り、低身長がコンプレックスの妖怪なのだろうか…。
正体はタヌキやカワウソが化けたものといい、後者は肩車をしてどこまでも高くなっていくという民話も。どんだけカワウソがいるんだよとかいう突っ込みは禁句である。
現代でも1980年代に神奈川県内のトンネルで目撃例があり、煙状の物体が人型に変化したらしい。
ゲゲゲの鬼太郎では
大抵の作品では赤いモノアイ(有名なオディロン・ルドンのサイクロプスの絵画に似ている)に無数の触手を持つ青緑色の煙状の姿で描かれる。
あまり知られていないが、水木しげる先生が描いたのびあがりの姿は、前述の姿と、妖怪図鑑などで使用される事の多い黒い巨人のような姿の二種類が確認されている。(伝承で語られる事の多い姿は後者。)
アニメ版には70年代を除く全ての年代に登場。(PVによれば6期にも登場予定のようだ。)
名前通り「のびあがり」という名前を持つものの、伝承とはほぼ別物と言って差し支えのない能力を持っており、その一つとして名高いのが妖怪や人間に植物の種を飲ませて『吸血木』という木に変えてしまう能力である。5期アニメでは吸血木から生気を吸ってどんどん大きくなるという厄介な能力を併せ持っている。なお、この能力は自分にも適用されるという致命的な弱点があり、妖怪千物語や60年代版ではこの特性を逆手に取られて敗北している。ちなみに吸血木にされた妖怪や人間の衣服は一部を除いて残る。
この他の能力に催眠性の花粉を持つ点や火が弱点であったりするなど水木作品では植物系の妖怪として扱われる事が多い。(ただ、後述の90年代版は日光を浴びて消滅したが。)
総じて悪役で登場するが、3期では人間の森林の伐採、5期では潜んでいた砂場を掘り起こされた事が原因で現れるなど一概に単純な悪で片付けられない部分も。(5期に関しては生気を吸い取って大きくなる事を喜ぶ子供のような悪意の無い性格であった事から元いた砂場に戻された。現在確認されている中で唯一の生存組である。)
なお、90年代に登場したのびあがりは珍しく善玉であり、村を襲う雪崩から村人たちを守る為に村人たちを吸血木に変えていたり、隕石から出現したりと他ののびあがり一族と比べてイレギュラーさが際立っていた。
関連タグ
高坊主 高女 見上げ入道 見越し入道 次第高:伝承において身長がでかくなる妖怪たち。
八尺様 大入道 ダイダラボッチ:こちらは元から大きい妖怪たち。
万年竹:人間を樹木に変える妖怪。