敵の血潮で濡れた肩。地獄の部隊と人の言う。ウドの街に、百年戦争の亡霊が蘇る。パルミスの高原、ミヨイテの宇宙に、無敵と謳われたメルキア機甲特殊部隊。情無用、命無用の鉄騎兵。この命、金30億ギルダン也。最も高価なワンマンアーミー。
概要
正式名称はギルガメス宇宙軍第10師団メルキア方面軍第24戦略機甲歩兵団特殊任務班X-1であり、責任者であるヨラン・ペールゼンの権限により莫大な費用を費やして編成された。
ただ、詳細な部分はペールゼンによる徹底した秘密工作によって秘匿され、その詳細を知る人物は少ない。
その戦力は歴戦の兵をかき集めただけあって相当のなものであり、ギルガメス軍の最精鋭部隊として名をはせることとなった。
しかし、レッドショルダー部隊はその栄光より悪名を持って世に知られる存在である。目的のためなら手段をさらさら選ばない冷酷さと、戦争に関係の無い非戦闘員すら容赦なく虐殺する残虐非道さから、アストラギウス銀河中にその悪辣さを知らしめることとなった。
戦力になるとみれば刑事犯まで隊員に組み込む無節操さと、選別のために新入隊員を殺し合わせる”共食い”と呼ばれる実戦演習に見られるように、ギルガメス軍内部においては明らかにイリーガルな存在であった。
その無慈悲かつ冷酷な戦いぶりから『吸血部隊』とも呼ばれ、敵はおろか味方からも恐れられた。
この部隊に所属する機体は、右肩の装甲部分を血のような赤で染め抜いており、通常のスコープドッグよりも強化されたスコープドッグ・レッドショルダーカスタム(略称:RSC)と呼ばれるものとなっている。一機一機がそれぞれの搭乗者の好みにカスタマイズされるため、最も高価なワンマン・アーミーともされる。
当時の知る者たちのあいだでは『赤い悪魔』の異名でも知られており、今なおRSCの赤い肩は恐怖の象徴となっている。
一時はギルガメス宇宙軍の象徴にまで上り詰めるも、裏での数々の悪行が暴露されたことで解散に追いやられた。その後ペールゼン大佐の失脚に伴い、残った隊員達もほとんどが証拠隠滅のために粛清されてしまった。
キリコもこの部隊に所属していた経験があり、当人にとっては忘れる事のできない苦い過去となっている。
レッドショルダー関連機体
- ターボカスタム
レッドショルダーが使用していた特別仕様の機体で、脚部にバーニアが増設され高い機動力を誇っている。反面不安定で操縦性が劣悪な機体であるため操縦には高い技量が必要である。
OVA「ザ・ラストレッドショルダー」及び「野望のルーツ」にて登場。こちらも高い人気を誇る。「ペールゼン・ファイルズ」では情報省直轄の特殊部隊ISSの使用機体にもこのカスタムが施されている。
- 司令官インゲ・リーマン少佐専用機体
相打ちではあったがPSでもネクスタントでもない生身の人間が乗ってキリコを打ち破った唯一の存在である。
キリコが覚醒する前であったこともあるが、リーマンの実力のなせる業であった。右手の電磁式パイルバンカーと通信用のブレードアンテナが特徴。
秘密結社のもとに集結したレッドショルダー残党部隊が使用したAT。ベースとなったのはギルガメス軍の次期主力機体候補で高い性能を誇る。
しかしキリコ、グレゴルー、バイマン、ムーザの4人組には当初刃が立たず、PSであるイプシロンが乗って初めてその実力が引き出された。
- レッドショルダーカスタム
「どうだいこの色はよぉ! 地獄の使者、レッドショルダーだ!」
ウド編にてキリコが使用した機体で、人気の高いタクティカルカスタム仕様である。バニラが格好つけに肩を赤く塗ったためこの名前が付いた。厳密に言えばレッドショルダーとは関わりがないが、劇中において初めてレッドショルダーを眼に見える形で表した機体である。
なお、この機体は左肩のアーマーを朱色に近い赤で塗っており、キリコから
「レッドショルダーの赤はもっと暗い血の色だ。それとマークは右肩だ」
とダメだしされたがそのまま使用されている。
さらに敵の一般兵には本物のレッドショルダーだと思い込み怯える者もおり、十分に威嚇効果を発揮している。
レッドショルダー・マーチ
レッドショルダーが登場するシーンで流れるマーチ調の曲、通称『レッドショルダー・マーチ』は、人気の高い曲であったが、なぜかサウンドトラックに収録されず、正式な曲名さえ不明のままだった。
というのも、これは作曲担当の乾裕樹が作った曲ではなかったためである。
急にマーチ調の曲が必要になったが、乾氏に頼む時間がなかったため、スタッフが局のライブラリで見つけてきた曲をそのまま使うことになった…ということらしい。
そのため、監督である高橋良輔でさえ曲のタイトルや出典を把握していなかった。
その素性が明らかになったのは、実に2007年になってからである。
出典元は『Due Marines e un Generale(2人の水兵と1人の将軍)』というイタリア映画、曲名は『Arrivano I Marines(水兵の到着)』であった。
イタリア映画の愛好家が偶然見つけたものを2ちゃんねるにアップし、そこから曲名が明らかになった。
なお、この映画はチャールズ・チャップリンと並ぶ喜劇俳優バスター・キートンの遺作である。
第2次スーパーロボット大戦Z・再世篇では本曲に曲調を似せた「戦騎達の行進」という
オリジナル曲が使われている。