「私は知りたい。感情というままならない機能を持ちながら、人が、人で無いそれ以上の存在になれるのかをな・・・」
ヨラン・ペールゼン
概要
CV:大塚周夫
来歴・人柄
OVA・レッドショルダードキュメント 野望のルーツ、ペールゼン・ファイルズ、ザ・ラストレッドショルダーに登場する軍人。
ギルガメス宇宙軍第10師団メルキア方面軍第24戦略機甲歩兵団特殊任務班X-1ことレッドショルダーの創始者である。百年戦争時は大佐であり、終戦直前では少将の地位にあったが、彼の卓越した能力と軍での功績を考えればこれでも低いくらいである。
軍大学で博士号を取得し首席で卒業したのち、二度の国家特別功労賞を得るなど輝かしい栄誉を勝ち取ってきた優秀な軍人である。ただし、本人にとって地位や名誉などはさして意味のあるものでは無かった。
野望・・・不死身の軍隊、不死身の兵士
「地上最強の軍隊」を作り出す事が彼の最大の夢であり、レッドショルダーはその過程で生み出されたものに過ぎなかった。やがてペールゼンは「死なない兵士」で構成された軍隊を目指すようになり、250億分の一の確率で生まれてくる「絶対に死なない」存在である異能生存体、すなわちキリコ・キュービィーに注目し、彼をレッドショルダーに組み込んだ。
ところが反骨精神の権化のようなキリコはペールゼンがコントロール出来るような人間ではなかった。
また当初は異能生存体の能力を「いかなる作戦に投入してもその生存能力を発揮し、必ず任務を達成して帰還する」ものと思っていたが、実物を目にし「異能生存体の能力は能力者の生存のみに特化している(例えば、「任務が失敗すれば能力者が生存する」ならば、任務が失敗するように働く)」と、自分どころか能力者自身にも制御不能なものであると思い知ることとなった。
そのため、後に”キリコを越える制御可能な人工の異能生存体”を目指したパーフェクトソルジャーの開発に力を注ぐようになった。
”最強の兵士”への執着
自らに決して従わないキリコに対しては憎悪と羨望の入り交じった複雑な感情を抱いており、キリコがレッドショルダーを去った後も研究・監視を続けていた。
キリコにとっては忘れがたいトラウマである。
軍人としても学者としても卓越した手腕の持ち主だが、本性は傲慢で情け容赦の無い野心家である。自身の望みのためなら他人を利用して蹴落とすことも平然とやってのける悪辣な人物だが、その優れた学識と鋼鉄のごとき意志力から人を惹き付けるカリスマ性を持っており、彼個人に忠誠を尽くす者も少なくない。
悪魔の軍隊の系譜
最終的に彼が見出したキリコ・キュービーは異能生存体である事を十二分に証明して見せたわけだが、結局のところペールゼンが開いたのは、”世の理”に触れるものがどうなるか、という実験データでしかなかった。彼が記したペールゼン・ファイルズはキリコが異能生存体である事を望む者の正体にまで迫る事はできなかったものの、後の歴史に”キリコのような兵士”を作ることが出来る下地を大いに広めた、と言えるかもしれない。