司瑛士
つかさえいし
概要
遠月学園の3年生(第90期生)で、「遠月十傑評議会」の第一席を務める。
TVアニメ版は3期より登場。
普段は第一席でありながら心配性でことあるごとに狼狽えている気弱な性格だが、料理や学園運営に関しては厳しい目を持ち料理以外でも完璧にやりきろうとする完璧主義者で、誰にも自分の料理を手伝わせようとはしない主義。
過去には前年度の文化祭・「月饗祭」の時には、山の手エリアで5日連続1位の利益を出した功績がある。そのほかにも現在の十傑の一員の久我照紀の食戟の申し出を受けるなどほかの十傑と違い格下の挑戦を断らない。(結果は久我の惨敗。この時に久我は司と同じく山の手エリアにて5日連続1位を成し遂げれば食戟の再挑戦を受けることを約束し月饗祭で5日連続1位を取ることに注力した)
しかし、一見無害そうに見えるその本質は、自分の価値観のままに他者を一切意に介さず行動し、自分の作品が完成するためならそれらによって生じる弊害等には無関心でいられるという極度なエゴイストでもある。つまり自分「だけ」が得(目的を達成)をするために何でも(倫理に反する行為でも)やる、「自分の料理」は愛していても「他人の料理」どころか「人」を愛していないというのが、司の人物評価といえる。
特に料理に関しては身勝手な考え方が強く目立ち、授業の件で垣間見たソーマの腕を見込んで助手に誘った時には「幸平の個性はいらない」と自身の料理を洗練するための助手…悪く言えば「道具」としてしか見ておらず、当然彼には反発されている。叡山ですら、えげつない方法で言質を取るなり報酬や対価を提示できるだけ交渉の余地はあるが、司はそれすら欠いている。
セントラルの現在の目的である「日本中の不出来な料理店を潰す」ことに関しても日本の料理界の発展のために必要として賛同するなど、料理界で生きられなくなる料理人達の末路についても無関心に近い考え方をしている。
こういった歪な内面は、幼少期の頃から既に出来上がったものであるらしく、小学生の時は自分の絵を良くする為だけに、隣の子が使っていた絵の具を奪い取ってしまう(色の作り方を教えてもらったり絵の具を分けてもらうなどの発想がない)等、自身の目的を達成させる為なら他人の物を奪うといった倫理を無視した行動さえ平然と行える危険な一面があった。
司本人は、自分が他の人間と違った感性をしているという自覚は少なからずあったようだが、それを変えようとする気はないらしい。
幸平が自分が賛同するセントラルに仇為すものでありながら素直に実力を認めた上友好的に接したりしていることもあってか前述の良識的な部分とのギャップが激しい。
ただ、幸平の「セントラルのせいで誰かの大事な場所がなくなってもいいのか」という旨の発言には仕方ないと言いながらも歯切れ悪く返事していたため思うところがある模様。(彼の性格上、そうなる事への遠慮や罪悪感ではなく、単に被害を被る人々から来るであろう文句などに煩わしさを想像しただけの可能性もある)
そういう性格のため、より特権を活かして権利拡大できる薙切薊が構想する「中枢美食機関(セントラル)」に賛同し薊が遠月の総帥になることを後押しした。
また、他人の料理はしっかりと認識していても名前を認識できない傾向もある(久我照紀に対しても名前を言われても思い出せなかったが、彼の料理スタイルと弱点はしっかりと把握している)。
一方、気弱な正確故薊政権に変わった際竜胆に(+仕事をしなかった叡山と久我4人分の)書類作成業務を押し付けられる等、損な役回りも多い。
竜胆とは中等部からの付き合いであり、二人で一席二席になるという約束を果たしているだけあって彼女に対してだけは他の人間とは違う態度を見せることも。
二人の出会いは番外編で前後編に渡って描かれている。
料理
料理のスタイルは「自分らしさ」を捨てて、食材の良さを完全に引き出し、卓上全体の調和を重視したメニューを作る。
上記の性格もあって人任せは好まず、調理や給仕はすべて自分でこなしており他人に任せると失敗するのではないかと気が気でないとは本人の弁である。この特徴は遠月の一般生徒にも知れ渡っており授業の代理講師として授業を行った際に自身の助手を募集したもののこれまでのセントラルの横柄さ、司自身の圧倒的な料理技術も相まって幸平創真以外は恐れ多くて名乗り出なかった。
彼は食材に対してこれ以上ない敬意を払う調理をしている。
一人でしか調理できない性格の司が確実に自分以外の人手がいる山の手エリアでの5日間連続1位を成し遂げられたのだろうか?(回転より客数を制限して単価を上げていた可能性もあるが)
久我との戦いでは自分の殻を破った彼の事は称賛したが、勝つ自信は揺らがず、「4つの緑茶によるグラデーションピュレ・スープ」を出して久我に完勝した。
世間の食通たちからは「食卓の白騎士」(ターフェル・ヴァイスリッター)と呼ばれている。