国鉄の貨車に「コキ5500形」などの例があるが、旅客用では東京都交通局の例しかない。
東京都交通局5500形(軌道線)
初代の5500形は「都電」の車両。1953年から1955年にかけて導入された。増大しつつあった路面交通に対応すべく登場した都電初の高性能電車で、アメリカで開発されていた技術を取り入れ「電気鉄道事業者会議委員会」の名をとって「PCCカー」と呼ばれた。
道路の渋滞が慢性化していたことから本来の性能を生かすことができず、製造は7両で終了。1967年の第1系統廃止にともない保守・運用面で問題があったためお役御免となった。トップナンバー・5501号車のみ静態保存。
東京都交通局5500形(地下鉄)
2代目の5500形は「都営地下鉄」の車両。
都営浅草線で使用していた5300形(通称「交通局の白い悪魔」)の置き換え用として製造されることになった。2018年春から営業運行開始を予定していたが、諸般の事情で延期されており、2018年5月現在運行開始の見込みは立っていないようである。
LED照明のほか炭化ケイ素(SiC)素子を使用したVVVFインバータ制御方式を採用し、環境負荷の低減を図った。また、5300形は最終の5327編成を除き110km/h性能としていたが、当形式は全編成が120km/h運転に対応している。