「少しだけ、貴方に触れさせて…」
「この世界がいかに壊れ、苦痛と絶望があろうとも、生があること、産まれることは…きっと、素晴らしい」
概要
エルデンリングの登場人物。
ゲーム開始直後、フロムゲー特有の死にイベントの後に主人公である褪せ人の前に現れる人物。
褪せ人でありながらその力を引き出すことのできる指巫女が存在しない『巫女無し』で、それゆえエルデンリングに辿り着くことができないとされる主人公の前に現れ、とある取引を持ちかける。
その後は、特定の祝福で『メリナと話す』という選択肢が発生し、メリナと会話することができる。
外見
フードを被り、左目が閉ざされた赤髪の少女。
閉ざされた左目の目蓋には、木の枝とも指の形ともつかない、アザとも刺青ともつかない謎の模様がある。
顔は雪の魔女レナこと魔女ラニに似ているが、本編で関わることになるラニは実際のところ人形の体に魂を取りつかせた存在であり、その人形は彼女の師匠をモデルにしているという。
その為、ラニの師匠とメリナとの間には何かの関係の様なものがあると言われているが、実際のところこれら三者の関係性については不明である。
人物像
以下の記述は、エルデンリングの一部ネタバレを含みます。ネタバレ厳禁な方はブラウザバックをお願いします。
ゲーム中において、彼女の人物像は謎に満ちている。
ゲームが本格的に始まった後、主人公が祝福と呼ばれるチェックポイントの3つを埋めるか特定の祝福に触れるとその前に現れ、取引を持ち掛ける。
その取引とは、メリナが巫女無したる主人公の指巫女の代わりになり、ルーンを力にする術を託す代わりに、ある場所、あの黄金樹の麓へ連れて行ってほしい、というもの。
取引が成立すると、主人公に霊馬トレントを呼び出せる『霊馬の指輪』を渡し、さらに祝福で「ルーンを力にする」こと、つまりレベルアップができるようになる。
彼女自身はすでに肉体を失った霊体であり、取引を結んで以降は姿を消し、主人公の前に現れることはほとんどないが、特定の祝福では『メリナと話す』という選択肢が発生し、選ぶことでメリナと会話しすることができる。特にアルター高原到着後での会話では彼女の行動の理由、使命について触れられているため、必見。
また、物語の途中、黄金樹の麓でとあるデミゴッドとの戦いでは協力者として召喚できる。
基本的に非常に控えめで静かな様子だが、主人公にトレントを大切にするよう頼んでくる、自らの使命と関係ないはずのボックを気に掛けるよう主人公に促すなど、気遣いのできる性格であることが窺える。
褪せ人の長い旅の果て、黄金樹の麓に聳える王都ローデイルに到着すると褪せ人の前に現れ、褪せ人に実際に黄金樹の麓に連れてきてくれたことへの感謝を述べ、「使命を確かめに行く」と言い残してどこかへと消えてしまう。この状態でもトレントに乗ったりレベルアップは可能。
その後、ボスを倒し黄金樹に近づくも拒絶の刺に阻まれた褪せ人の前に再度現れ、自らの使命が『雲の上、火の頂に燻る滅びの火の種火となり、黄金樹ごと拒絶の刺を焼くことで主人公をエルデの王への道へ導く』というものであったことを話し、ローデイルから巨人たちの山嶺を超え、火の頂まで再び旅をしてほしいと頼み込む。
そして巨人たちの山嶺を登り、火の頂へたどり着くと、メリナは自らを種火として滅びの火を燃え上がらせ、黄金樹を燃やし、その後は物語からフェードアウトしてしまう。
しかし、ローデイルの地下に存在する忌み捨ての地下、そのさらに奥底にある「狂い火の封印」に辿り着くと、メリナが現れて「狂い火に向かうのは、やめてほしい」と褪せ人に何度でも警告してくる。
そしてメリナの意に反して主人公が狂い火を宿してしまうと、どこかに消えていってしまう。
そのまま狂い火を治さずにエンディング……すなわち『狂い火の王』ルートが達成されると、閉ざされていたはずの左目を開いているメリナが石舞台で燃えている霊馬の指輪を拾い上げ、狂い火の王となった主人公への復讐を誓うというシーンで終わる。
ちなみにこのカットシーンはメリナが火の頂でメリナが燃えた後に狂い火の王になると発生しない。
また、外見の項目にもある通り、ラニとメリナには何かしらの関係性が匂わされているのだが、彼女たちが直接対面して会話を行うシーンはなく、実際にどういう関係性で、お互いにどういう感情を抱いているのかは不明。
ただし、ラニはメリナがトレントを主人公に託したと知り、主人公の前に現れて『霊呼びの鈴』という本作の攻略に関わるアイテムを渡すことから、少なくともラニからメリナに対しては、悪感情は無いように思われる。
戦闘能力
黄金樹の麓に訪れると、先述したデミゴッドと戦う際に共闘する仲間として呼び出すことができるのだが、その戦闘能力は非常に高く、冗談抜きに一人でボスキャラを倒せるレベル。
素早い動きと高い火力に加え、褪せ人の回復も行う完璧なサポートっぷりに、てっきり単なる回復要員かと思っていた初見の褪せ人の多くが度肝を抜かれたという。その戦闘力の高さから、褪せ人の中からは、別に俺たちの力を借りる必要なかったんじゃない?とか、お前が真のエルデの王だろという声まで出る始末。
ちなみにその戦闘モーションはとあるボスと似通っている……というか彼女たちよりも強い。お前のような巫女もどきがいるか。
ヒロイン……?
本作の発売前のPVから登場し、発売前はフロム・ソフトウェアらしからぬど直球の美少女ぶりと、ソウルシリーズにおけるヒロイン枠である火防女的な言動から、本作におけるヒロイン枠として多くのフロムファンの注目を一身に集めていた。
だが、実際のところ発売されると、いわゆるヒロインとしての活躍はほぼ魔女ラニに取られてしまっている。
それどころか、本作にはラーヤやフィア、ネフェリ ・ルーなどと言った主人公と深く関わることになる女性キャラクターらNPCの数が多く、そんな彼女たちと親睦を深めるサブイベントが充実している。サブイベントの充実ぶりは女性キャラクターのみならず、男性キャラクターも同様であり、中には本作のマスコットとも言えるキャラクターにもサブイベントが用意されている。
つまり、いわゆるヒロインポイントが高いキャラクターが多いのだが、その中にあって、上述した通り基本的に主人公が彼女と関わるのはほぼ、契約してトレントを貰う時か、共闘する時くらいで、ほぼ彼女と関わりあうことはない。
せめて毎度のレベルアップの時に現れたり、アイテム強化時に彼女が力を貸してくれるなどの要素があれば愛着も増すのだろうが、そういう要素もない。
正確に言うと常に主人公に付き従ってくれているのだが、霊体と言うこともありそれを確認する術が基本無い。上記の会話イベントもあるのだが、任意選択がひっそりと下の方に追加されるだけのため気づきづらい、さらに敵配置がリセットされるのを嫌って極力祝福に座ろうとしないプレイヤーもいるためゲームシステムとイベント演出方法の噛み合わせが悪い、そして彼女との会話の大半以上が女王マリカの言霊についての口伝(つまりメリナ自身の言葉を語る機会が多くない)ということもあり、プレイヤーたちのメリナに対する好感度が上がりにくいのである。
それなのにローデイル途中離脱→再加入イベントは(ストーリーの関係上)確実に起きるので、好感度の低い褪せ人は「今まで出番薄かったやつが急に離脱したくせにやっぱりまた一緒に行こうって言われても……」と困惑し、さらには焼死であっさりと出番を終えるため、残念ながら「一体なんだったんだこいつ……?」という最終評価で終わってしまうのである。
その上、狂い火に向かう主人公に向けて何度でも警告したり、「狂い火の王」のエンディングで非常に殺気立ったカットシーンが流れるため、「狂い火の王」ルートが一番メリナの人間性を垣間見れるルートであるとも言われてしまっている。
その為、多くのフロムファンから非常に残念な人としての扱いを受けており、語尾にメリをつけることで安直なキャラ付けを行う、ラニをディスってヒロインであることを強調するなどのネタを行う者もいる。(前者は実際にそういうMODが出てしまった。)
酷い時には黄金樹を燃やすためだけの燃料扱いされる始末であり、発売前の熱気はどこへやら、すっかりネタキャラ扱いされてしまっている。
一応言っておくと、彼女のことをきちんとヒロインまたはキャラクターとして捉えていたり、行き過ぎたイジりやキャラヘイトノリが受け付けないといった理由で、上記のネタ扱いを嫌うファンも当然いるので、ネタ扱いの際には注意することが大事である。
また、上記のネタ扱いもメリナが作中で何かをやらかしたわけではなく、一説には一概に面白おかしさだけではなく「あまりにも存在感が薄すぎてかわいそう」「もっとメリナと会話したかった」「フロム側の演出力不足では?」という、褪せ人たちの彼女の空気さ・不憫さに対する憐みによるものとも噂されている。
一方、作中では指痕爛れのヴァイクや背律者ベルナールなどのように「王になる素質を持ちながら、自分の巫女と仲を深め過ぎたために悲劇に至ったと思しき褪せ人」の存在も語られている。
指の巫女の使命が己の命を種火として黄金樹を焼くことであるならば、その旅路は即ち、己を生贄にするための死路である。
メリナが他者を気遣い、世界を愛する心優しい一面を持っていることも合わせて、一部有識者の間では、メリナは過去の悲劇を知っていたため、褪せ人(プレイヤー)と仲良くならないよう、敢えて交流を避けていたのではないか?との考察も存在する。
他にも
- なぜメリナの身体は焼け爛れていたのか?
- メリナの戦闘モーションはなぜ黒き刃の一族の技と酷似しているのか?
- メリナの使う武器・使命の刃は、なぜ黒き刃と酷似しているのか?
- そもそもメリナを生み出し、霊体として生かし続けて使命を与えた「お母様」とは何者なのか?
…等々、語られていない謎が多数残されている。
深い裏設定や重要な要素が隠されている可能性があり、もしかしたら今後DLCを含む何らかの形で彼女に対する掘り下げが行われるかもしれないし、それによって彼女に対する評価も大きく変わるかもしれない。
コミカライズ版にて
こうした評価が広まった後の2022年9月から連載が始まった、フロム・ソフトウェアの公式監修による飛田ニキイチの漫画「ELDEN RING 黄金樹への道」では、メリナはたびたび登場し、主人公・褪夫と夫婦漫才のようにボケやツッコミをし合う(ギャグ漫画なので)など、旅のパートナーに相応しい出番の増加や主人公との頻繁な交友が描写されている。また、棍棒を得物に敵を撲殺する描写もあり、その気になったらデミゴッドを狩れるのでは?という声も。
また、例えば褪夫が勝手に「メリメリ」とアダ名をつけるも彼女はそう呼ばれるたび「やめて💢」といった反応をするなど、前述したプレイヤー間のネタキャラ化悪ノリを意識しつつ真面目な作品設定とのバランスを図ったと思しき表現も見られる。
DLCのネタバレ注意
本作のDLC「SHADOW OF THE ERDTREE」にて、深掘りや登場の機会はほとんど無かった(というかあるテキストを除いてほぼ0だが)ものの、重要人物の一人であるメスメルの妹にして、マリカの子の一人であることが示唆された。
更に言うと、メリナもメスメルも母親と比較して父親に関する言及が一切ない。そこで父親が誰なのかという議論が数多くされているのだが、DLC発売以前から有力視されている蝶にまつわる考察があり、
・マレニア=エオニアの蝶
・ミケラ=幼生蝶
というように、対応する蝶が特定のデミゴッドには存在するという話である。メリナとメスメルの場合では、
・メリナ=燻り蝶
・メスメル=黒火蝶
上記のように対応するといわれている。
ちなみにだが、ミケラとマレニアの父親は彼であり、メリナとメスメルは彼と同じく赤髪である。(メリナは少し薄いが)
その他、メスメルも「火」が使えたり、片眼を瞑っている他、彼女が使用する祈祷がマリカの故郷と思われる場所に配置されていたり等、考察の余地は更に生まれる結果となった。
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火防女…一応メリナは本作におけるこのポジションなのだが、上述の通り火防女と言えるほどの活躍をしているかは疑問である。