解説
デモンズソウルを端にソウルシリーズ、もしくはSOULSと呼ばれるフロムソフトウェアによって製作されたゲームシリーズでお馴染みのレベルアップ要員の総称。
シリーズを通して貨幣と経験値の役割を兼ねる概念、ソウルを消費してプレイヤーキャラクター(主人公)をレベルアップさせてくれる。他のRPGのように経験値がなく、彼女たちの協力がなければレベルアップしないというシステムはSOULSの特徴の一つとなっている。
主人公を強化する力を持つ神秘的な女性キャラクターで、それぞれ使命があり、主人公をサポートするよう定められている。ただし厳密にはデモンズソウル、ダークソウル、ブラッドボーンはそれぞれ異なる世界観のゲームであり、ソウルシリーズという呼び方もファンの俗称に過ぎない。よって関連性はなく、あくまで同じ役割のキャラクターに過ぎない。
火防女の共通点
彼女たちの役目は滅びゆく世界で人間の意志を象徴的に表す言葉、”火”を守ることであり、そのために主人公に協力する。彼女たちは死して肉体を失った人のソウルを主人公の肉体の活力として定着させることができ、これをレベルアップとしている。
また火防女達は「何かしらの形で目が使えない」ことが多い。これは目を何かしらの手段で覆っていたり、会話から目が見えていない事が窺えるキャラクターも多い。ただしアノールロンドの火防女、2序盤の元火防女の老婆などは見えないと明言されていない。暗月の女騎士の場合は防具の説明で「全身をくまなく覆う」とあるのでもしかしたら覗き穴がない可能性もある。
ダークソウル3には火防女候補となるキャラが登場するが、そのキャラクターも目が見えない。
その理由は詳しく作中で語られていないが、3での会話やアイテムの一部から「火防女にとって目は特別なもの」と仄めかされており、3においてはこれがマルチエンディングへのキーにもなっている。
例外はダークソウル2の緑衣の巡礼で、彼女は目を隠さずプレイヤーの方を向いて話をしてくれる。
しかし、最大の共通点は主人公の役割をサポートするために用意された存在であるため、それまでは絶対に死なないものの、全ての役目を終えると殺害できるようになるという点である。これもプレイヤーの選択次第である。
黒衣の火防女
初代火防女。
正式名称:黒衣の火防女(こくい の ひもりめ)、英語名はMaiden in Black(メイデン イン ブラック)。日本のファンからは、「火」と「防」の読みをもじって『かぼたん』という愛称でも呼ばれる。
フロムソフトウェア開発、ソニー・コンピュータエンタテインメント発売のプレイステーション3用アクションRPGであり、キングスフィールドの流れを組む名作として世界的にも知られた『Demon's Souls』 (デモンズソウル)におけるキャラクター。
主人公を楔の神殿に召喚した女性。裸足に黒衣、長い灯火杖を持ち、両目は蝋のようなもので塗り潰されている。ただの人間のようだが実は古いデーモンでもあり、ソウルを操作することによってプレイヤーの肉体を強化 (レベルアップ) してくれる。主人公を「デーモンを狩る者」と呼び、彼女も楔の神殿に囚われており、死ぬことはなく何かしらの使命が課せられているらしい。
レベルアップの時は「私の中のデーモンに触れて下さい。」と口にしており、ダークソウル3の火防女に近いキャラクター造形となっている。ただし本作にはエスト瓶が登場しないため、エスト瓶の強化などは行わない。
主人公と最も密接なNPCであり、その美貌と特異な姿に対するファンも多い。
一部の人間はその白くなめらかな脚線美や蝋で固められた容貌によこしまな思いを抱き「かぼたんハァハァ」や「舐めたい足裏」、「あの蝋をぺろぺろしたい」などと述懐する。おそらくそういった者達は成仏できないだろうが、安心して地獄に墜ちてくれるように筆者は祈っている。
「………貴方も?」
無論、意外とナイスバディで○○したいと思っている私も地獄に墜ちると思う。本望だ。
ダークソウルの火防女
続編ダークソウルには、三人の火防女が登場している。
- 火継ぎの祭祀場のアストラのアナスタシア
- クラーグの住処の混沌の娘
- アノール・ロンドの暗月の女騎士
以上三名と作中で出会うことができるが、各地に「火防女の魂」というアイテムが存在することから察するに、他にも火防女は存在した、あるいは現存している可能性が高い。
いずれも、作中で主な回復手段となるエスト瓶を強化してくれる。
三人ともそれぞれ特徴的なキャラクターである。
ダークソウル2の火防女
本作で前二作と同じ役割をしているのは緑衣の巡礼のみだが、ゲーム序盤で訪れる家に役目を引退した三人の元火防女の老婆がいる。
呪われた者たちが行き着く場所、マデューラで主人公をサポートする。主人公を「呪いをまとうお方」と呼び、大いなるソウルを集めるように告げる。
黒衣の火防女は不死身で主人公が攻撃しても死なないのだが、彼女は死んでしまう。うっかり攻撃して彼女を殺害してしまったプレイヤーもいたとか。また他の火防女はどれだけ攻撃しても従順に主人公に応じるが、彼女の場合は攻撃されると会話に応じてくれないなど性格の違いが見られる。殺害すると彼女の墓がマデューラに出現し、幽霊になった彼女に話しかけてレベルアップして貰うことになる。
歴代で最も巨乳とされる。
ダークソウル3の火防女
火継ぎの祭祀場にて出会う。この地名はダークソウルに登場するものと同じだが、異なる場所。
背中まで伸びた長い銀髪をゆるく三つ編みにまとめており、その目元は銀色の仮面で覆われている。主人公を「火の無い灰の方(普段は”灰の方”)」と呼び、自分を玉座を捨てた王たちを探し出す役目を助ける者だとしている。
レベルアップ時に「私の中の暗闇に触れて下さい」と口にしたり、視覚を封じられていたりとデモンズソウルの黒衣の火防女に近い要素が散見される。また、殺害されても復活する。
歴代火防女の中でも、主人公への献身っぷりは随一。
3のマルチエンディングの中には彼女が大きく関わってくるものもあり、扱いも優遇されている方だろう。
なお、彼女の目の前でジェスチャーを行うと、それに応じた可愛らしいリアクションを見せてくれる。
火防女ではないが、ポジションが被るキャラ
ソウルシリーズ以外にも、比喩的に火防女と呼ばれたり、もしくは回復アイテムの強化やレベルアップと言った要素に関わるキャラクターが存在する。
以下はそう言うポジションに当たるキャラクター。
Bloodborne:狩人の夢の人形
Bloodborneに登場するレベルアップ要員だが火防女ではない(そもそも人間ですらない)。しかし役割が同じということもあり、「ブラボの火防女」と比喩的に呼ばれる。ただし本作にはエスト瓶が登場しないため、エスト瓶の強化などは行わない。
その名の通り、狩人の夢と呼ばれる主人公の夢に現れる人形。最初は動かないが啓蒙と呼ばれるパラメーターを得ると人間のように活動し始める。主人公を「狩人様」と呼び、「愛している」と語っている。レベルアップの際は「目を閉じていてくださいね。」と口にする。
主人公が殺害しても再び訪れた時には復活している。しかし記憶が前後しているのか「初めまして」と自己紹介を始める。また殺害した場合、動かなくなった彼女の体に触れることで勝手にレベルアップできる。
最大の特徴は推定身長2m(隣に立つと主人公より30cm近く背が高い。発売された1/6フィギアは全長35cmあり、換算して210cmあることになる)の長身であり、歴代で最も背の高い火防女(?)となっている。これは彼女のモデルとなった人物を精巧に写し取ったためである。
SEKIRO:竜胤の御子、九郎・変若の御子・薬師、エマ
SEKIROにおいては、レベルと言う概念が存在しない一方で、回復薬の回数増加を行うキャラクターと、回生と言う、いわば残機の回数を増加させてくれるキャラクターが存在している。言わば、火防女の役割を複数人に分割したのがセキロの火防女ポジションと言えるかもしれない。
特に、回復薬である傷薬瓢箪に関しては最大で十回まで使用可能回数を増加させることができるので、そう言う意味では回復薬の強化を行う薬師エマが火防女に最も近いポジションと言える。
また、本作の残機である回生については、竜胤の御子、九郎と変若の御子の二人の内のどちらかが担当することになるが、回生の増加は一回限りである。そう言う意味では火防女としての役割は薄く、どちらかと言うと二人はストーリーに そのものや、その展開に大きく関わるキャラクターとして描写されている。
エルデンリング:メリナ
本作における火防女ポジション、なのだが、実際にはかなり微妙な存在。
これはエルデンリングにおいて、レベルアップ、回復アイテムの強化と言った火防女特有の役割はプレイヤー自身が行う為。
メリナ自身は、指の巫女として主人公と契約し、攻略に関わるアイテムである指笛や、本作の拠点である円卓への移動を可能にしてくれるのだが、基本的にはそれ以上はプレイヤーと関わることはない。
むしろ、特定のボスとの戦闘における協力者として戦う場面が印象的であり、火防女としてプレイヤーを助けるキャラクターと言うより、ゲームストーリーの考察に関わるキャラクターと言える。
登場作品
別名・表記ゆれ
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