概要
ゲーム『エルデンリング』のコミカライズ版にあたる漫画作品。
KADOKAWAのwebコミック配信サイト「ComicWalker」と「COMIC Hu」にて2022年9月4日に発表され連載中で、単行本も現在6巻目まで刊行している。
フロムソフトウェアの監修の元、「邪剣さんはすぐブレる」ほか、pixvにも投稿がある「片乳首出したおっさんの後つけたら天空の剣見つけた」の漫画版などで知られる飛田ニキイチ氏が描く。
日本語や英語を初め11言語にローカライズして配信される様子。
全面シリアスなゲームのエルデンリングとは裏腹にまさかのギャグ漫画であり、飛田ニキイチ氏の「高い画力で美麗に描かれたキャラクターたちがシュールなギャグをやたら連発する」作風は健在。
ほぼ全編がギャグ調でありながら、冒頭のプロローグや一部に挟まれるシリアスシーンへの転換もキッチリしており、美麗な作画によってバトルシーンも見ごたえ十分。
さらに飛田ニキイチ氏自身がエルデンリングのヘビープレイヤーであることからか、既プレイヤーなら一度は感じたであろうあるあるネタやネット上でのキャラクターたちの評価を基にした(と思われる)ネタが多く盛り込まれているのも特徴。2024年6月に本編追加コンテンツ「黄金樹の影」が発売された折には「DLC休載」を行い、「取材旅行」にも余念が無い(記事)。
第1話からあまりにもギャグ全開で大丈夫なのかとも思われるが、第1話と第2話のネームはほぼ修正なしで一発OKが出てしまったとのこと。さすがにこれには作者も困惑していた。どういうことなの……。
主な登場人物
褪夫
主人公。記憶を失った名も無き褪せ人男性。素性は素寒貧。猫派。物語が進んで装備品を得てからも何かにつけて裸にされるのでたびたび亜人と間違えられる。
情けないところはあるがやる時はやる男。成り行きや実力で強大なデミゴッドたちとの対決を生き延び、「全裸マントの接ぎ木芸術家」や「全裸のパリィ王」などの異名で狭間の世界の有名人になってゆく。
メリナ
褪夫の名づけ親にして命の恩人、旅の仲間。褪夫に「メリメリ」というニックネームで呼ばれるたび嫌がる反応を返すが、怒ったり凄んだりすると「メリィ・・・」なるオノマトペを放つのが定番。
ヘタレやお人好しを発揮して道草や寄り道が多い褪夫を焚き付けたり、敗れた褪夫を救って安全な場所まで運んだりしており、冷静な常識人のように見えるが、気絶した褪夫の尻に聖杯瓶を吸い付かせて持たせたり、いつの間にか敵側に交じって解説役をしていたりと、フリーダムな振る舞いが多く、彼にツッコミを受けまくっている。
キレると棍棒を得物に躊躇いもなく撲殺し、その戦闘力の高さからデミゴッド狩れるんじゃね?と思う読者も結構居る。
ただ、褪夫は褪せ人としての使命よりも彼女のために旅を続けるスタンスである。
霊馬トレント
原作ゲームでも世話になった褪せ人は多いであろう馴染みの愛馬の霊体で、本作でも褪夫の相棒として狭間の地を共に駆け抜けてくれる。
個人的にも褪夫を気に入っており、初対面でも渋るメリナに対して使命を託す相手に褪夫を選ぶよう促したのもトレントで、曰くその理由は「いいケツをしているから」とのこと。
「馬だけにうまく言ってやった」的な冗談が好きらしい。
明確な台詞は喋らず、吹き出しには「ボフ」や「ボボフ」という鳴き声しか書かれないが、それらを聞く褪夫やメリナとはちゃんと細かい意思疎通がとれるもよう。
魔女ラニ
メリナと同様、褪夫を助けたり焚き付けたりすることが多い。
褪夫に興味を持ち、いろいろと便宜を図って配下に加えようとするも、デミゴッドの一名らしい女王様気質もあっていろいろと強引過ぎる手段に訴えがちなため、未だに引き込むことは出来ていない。ただ、褪夫も助けてくれることに感謝を述べつつ、その意思をある程度汲んだ行動を取ることで恩を返したりはしている。
気が短く、褪夫と会うたびプンプン怒るのが恒例。メリナ同様、褪夫を威圧すると「ラニィィィ...」なる擬態語を発する。
なお、ブライヴが密かに「ラニ会」なるファンクラブを作り、ラニを模した手製のフィギュアを会員証代わりにしていることは知らない。
狂戦士の守護者シロ、穢れなき聖獣ポチ、デスウルフタロウ
ラニから与えられた、はぐれ狼の遺灰から出現する3匹の狼の霊体。
名前は褪夫が適当につけたものだが、それぞれ特徴があるのか言い間違えずに見分けが付いている。
戦闘の際には呼び出されることが多いが、強敵相手だと怯えて勝手に消えてしまう。
これに我慢ならなくなった褪夫に訓練(という名の曲芸)を仕込まれ、「黄金隊形(ゴールデンフォーメーション)」なる連携プレーで褪夫の戦いを助けるが、彼が猫派と知ってからはその絆に少しヒビが。