演:藤山律子
概要
37話から登場した有尾人一族ジャシンカ帝国の幹部。かなりの野心家で、かつて自らが女帝にならんと帝王アトンを殺そうとした。しかし返り討ちに遭い、罰として千年洞窟に閉じ込められていた。
その後脱出して改めて帝王アトンに忠誠を誓うも、あくまでもそれは表向き。ジャシンカを乗っ取って君臨する野望は捨てていなかったのである。
まず、第一の障害であるメギド王子の度重なる作戦失敗を糾弾し、尻尾を全部切って、かつて自分が閉じ込められた千年洞窟に幽閉した。
そして終盤で、謎の戦士ダークナイトの協力も得て、第二の障害であるカー将軍に裏切りの濡れ衣を着せ、失脚させようとした。その目論みも図に当たり、カー将軍は汚名を晴らすべくダイナマンと戦って、壮烈な戦死を遂げる。
かくして邪魔者を消し去ったゼノビアは、アトンや王女キメラに対して本性を現したが……
最期
ダークナイトと結託したゼノビアは、『レトロ遺伝子』を手に入れようとする。それを使えば有尾人の最大の夢である、神にも匹敵する力を持つ10本尻尾になる事ができるのだ。その『レトロ遺伝子』を開発したのが、ダイナマンの上官である夢野博士と知って誘拐し、彼を催眠にかけて遂にゼノビアは念願の10本尻尾になった。
ところが、力が満ち溢れたのも束の間、ゼノビアの体は急激に醜く老いさらばえてゆく。その姿を嘲笑いながらダークナイトは真実を語った。10本尻尾になった者が不老不死の超魔力を手に入れるというのは言い伝えに過ぎず、もし10本尻尾になれば必ず命を落とすのだという。ダークナイトは古文書からその事実を知った上で、わざとゼノビアが10本尻尾を得る行動の手助けをしていたのだ。「まさか、お前は……!」と無念の絶叫を上げながら、白骨と化すゼノビア。
その最期を見て高笑いしながらダークナイトは仮面を脱ぎ捨てた。彼の正体は何とメギド王子。千年洞窟から密かに脱出していた彼は、ゼノビアへ復讐するために、ダークナイトを名乗って彼女に力を貸すふりをしていたのだ。
策士策に溺れる。…メギド王子とカー将軍を陥れ、頂点に立ったつもりの彼女は、罠に嵌ったのが自分の方だったと気づかずに破滅してしまったのであった。
身も蓋もない言い方をすれば、仮に頂点に立ったとしてもカー将軍の代わりにメカシンカの創造と巨大化を担う者がいない以上、どのみちゼノビアには明るい未来など無かったと言える。
余談
- スーパー戦隊シリーズにおいては、顔出し系女性幹部としては最も性悪な女性幹部というイメージが強いらしく、『非公認戦隊アキバレンジャー』においてはツー将軍もマルシーナをゼノビアと例えるほど。