概要
英語では「Salt-water crocodile」、略してソルティーと呼ばれる。
その名前の通り海水への耐性が強く、主に汽水域に生息し、入江や三角州のマングローブ林を好む。
地域によっては淡水域にも生息する他、海流に乗って沖合に出て島嶼などへ移動することもある。
海水にも適応できることからワニの中でも広範囲に生息し、インド南東部からベトナムにかけてのアジア大陸、スンダ列島からニューギニア、及びオーストラリア北部沿岸、東はカロリン諸島辺りまで分布する。
オーストラリアには前述した生態から近年に東南アジアから海伝いに分布を広げたと考えられている。稀に日本に流れ着くこともあり、奄美大島や西表島、八丈島や三重県沖などでも発見例がある。特に西表島では、明治か大正までは小規模だが群れが生息していたともされている。
現生爬虫類の中では最大級の一種であり、オスの平均は全長5メートル・体重450キになる。現在のところ最大の個体は2011年にフィリピン・ミンダナオ島ブナワンで捕らえられた雄のロロンで、全長6.17メートル・体重1.075トンに達し、「世界最大の捕獲されたワニ」としてギネスにも登録されている。しかし中には8メートルを超えるという目撃情報もある。
他のワニと同じく肉食で、死肉から生きた動物まで何でも捕食し、大型肉食哺乳類のいないオーストラリアや一部の島々では生態系の頂点に君臨する。性質も攻撃的であり、人間や家畜が餌食になってしまう事例も多い。最も有名な事例としては太平洋戦争中のラムリー島の戦いにおいて撤退中の日本軍が襲われたという話で、犠牲者は数百または千人以上とされ、「史上最大最悪のワニによる獣害」としてギネスブックにも掲載されている(だがこの話を裏付ける正式な史料はない)。
こうした凶暴性を危惧した駆除に加え、ワニ皮目当ての乱獲や開発の影響で生息数は減少している。オーストラリアでは徹底した保護活動によって現在では個体数は回復しているが、東南アジアなどでは未だ影響を受けている地域もある。
関連動画
他のワニ共々国内でもペットとして輸入、販売されているが、前述したようにただでさえ大きく成長する上に気性も荒いことから、まず実質動物園、水族館などの施設展示専用で、書類提出など必要な手続きを済ませた上である程度資金回りさえ充実させることができれば何とかできなくもないサーバルやカラカルと違い人生どころか命さえ捧げる覚悟があったとしても個人が容易に手を出していい動物ではない。
上動画の施設では飼養のために間取りがコンビニ1軒分相当の施設を自作しているし、ブログの方でも度々「襲い掛かってくる」「飼い主ではなく獲物と認識している」などのストレートな身の危険から、「餌と間違えUVライトの投光器を喰い千切ってしまった」「10トンクラスの水を30℃以上に保温し続けるために動力ヒーターの接続部が高熱で溶け、ショートしかけた」など原因問わず周辺機器の破損まである種生々しい様子が記載されている。
ちなみにこの個体、窓の開閉を自力でできたり、負傷箇所への消毒液の塗布を要求したりと、極めて高い学習の力を有している模様。
上記施設のブログでも触れられたことのある大阪の水族館NIFRELの展示個体。