概要
妖怪の一種。
元々は江戸時代に描かれた画集『百鬼夜行絵巻』に収録された絵で、「いそがし」とだけ書かれたもの。
後、妖怪漫画家の水木しげるは、これを「憑き物」として紹介、「そわそわしている人」はこの妖怪が取り憑いているからであるとして、1990年代に発表した「水木しげるの憑物百怪」で当時の日本人を「この妖怪が取り憑いている」と批判した。
後、水木の半生をドラマ化した『ゲゲゲの女房』において、この妖怪が水木プロで暴れる様が描かれた。
ゲゲゲの鬼太郎におけるいそがし
初登場は5期鬼太郎。
師走の忙しい時期に人間の世界に現れ、忙しい人間から発せられる赤いオーラを吸って喜んでいた。長蛇の列に並んでたりのんびりしていたりとあまり忙しくしてない人間を見ると我慢できないらしく、そんな人間の頭に赤い輪を嵌めて顔面が崩壊するほど暴走させて倒れるまで働かせた。
一度は鬼太郎もその術中に嵌まったが、鬼太郎がマイペースだった上に取り憑かれた人間の仕事をすべて終わらせてしまったため効果がなくなり、結果鬼太郎に捕らえられる。
それから10年経って放送された6期鬼太郎では、忙しすぎて人が変わったIT会社社長郷原の娘から依頼を受けたねずみ男から事件の関与を疑われる。しかし、本人が鬼太郎達に語ったところによると、自分たちが取り憑く暇もないほどに人間たちが働きづめになってしまった為に、『自分たちが必要なくなってしまったのかもしれない』とたそがれ、ここ10年、ボロアパートで焼き魚を焼いて暇そうに生活していた。寿命が長い妖怪とはいえ、人を忙しくさせる事が生き甲斐の妖怪なのだから、10年取り憑く間が無いだけで相当な退屈を感じるようだ。(怠け者に取り憑けよ…は禁句である。もしかしたら働き者にしか取り憑けないとか、働き者に取り憑く事が生き甲斐などの理由があるのかもしれない。)
後に河童に尻子玉を抜かれた鬼太郎に取り憑いてやる気を起こさせ(この時、鬼太郎は早送りされたような挙動をしている)、河童軍団を瞬く間に全滅させ、リーダーである太郎丸を追い詰めた。事件が解決した後は、「久しぶりに暴れて楽しかったのによ」と文句言いつつも鬼太郎から離れて大人しく帰るなど、前作と違って善良な妖怪として描かれた。
ちなみに、このいそがしは5期で登場したいそがしに比べて口調が年寄り臭く、古くから人間に取り憑いて忙しくさせていた個体と推測される。
余談だがいそがしに取り憑かれた6期鬼太郎は顔面崩壊しなかったが、河童に尻子玉を抜かれたり、次郎丸に尻子玉を戻された際、凄まじいリアクションや顔芸を披露した。